会社概要
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPYC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。
決算内容
2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月29日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2018 3Q実 | 1.653B | 0.13 |
2019 3Q実 |
1.801B
| 0.18 |
2019 3Q予 |
1.81B
| 0.18 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高、EPS共にほぼ予想通りでした。
前年同期比で売上高は+9%、EPSは0.05増加しました。
Ryzen及びEPYCプロセッサが好調でしたが、ゲーム機向けの半導体が減少しています。
セグメント情報
3Q前年同期比
Computing and Graphics(コンピューティングとグラフィック部門)
売上高 1,276百万ドルから938百万ドル +36%
営業利益 179百万ドルから100百万ドル Up79百万ドル
デスクトップおよびノートブックプロセッサで高いRyzenプロセッサーへの需要があり出荷台数およびASPが大幅に上昇しました。
またグラフィックでは新しく発売したRadeon 5000シリーズのGPUの出荷が順次増加したことで収益は前年比で増加しています。
ただデーセンター向けのGPUの収益は前年比で減少しました。
CPU及びGPUで新しい製品を導入したことでこのセグメントは好調でした。
Enterprise, Embedded and Semi-Custom(エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門)
売上高 525百万ドルから715百万ドル -27%
営業利益 61百万ドルから86百万ドル Down25百万ドル
セミカスタム部門の不調をサーバー用プロセッサーの好調さが一部相殺した形になりました。
特にゲーム機向けの半導体が不振で、2020年にMicrosftとSonyが次世代ゲーム機を予定している為、今後第4四半期の需要は更に低下すると予想しています。
サーバ分野では、第二世代のEPYCプロセッサーに対する需要が好調で、出荷台数と売上が連続して50%以上増加しました。
EPYCプロセッサーは複数のクラウド分野での採用を見込む他、また米国国務省のスーパーコンピューター及び英国の科学コンピューターを始め複数のHPCでの採用を獲得しました。
All Other Category(その他)
営業利益(損失) 前年同期比-36百万ドルから-54百万ドル Down18百万ドル
見通し
2019年Q4
- 売上高 21億ドル ±50百万ドル
- Non-GAAP Gross Margin 44%
- Non-GAAP Operating expenses ~535百万ドル
- フリーキャッシュフロー ポジティブ
2019年通期
- 売上高 一桁半ばの売上高増加
- Non-GAAP Gross Margin 43%(従来42%)
- Non-GAAP Operating expenses ~31%(従来~30%)
- フリーキャッシュフロー ポジティブ
株価と指標
2019年10月29日の時点で33.03ドルです。
予想PER(コ):31.16倍
PBR:18.87倍
予想配当利回り(コ):N/A%
AMDの現在の株価と指標
(コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想
総評と感想
ほぼ予想された通りの決算でした。
悪い決算ではないと思いますが、サプライズ的なものはなかったように思います。
概ねゲーム機向けのビジネス以外は好調に推移しています。
ただ株価的には直近上昇していたこともあり、時間外では決算受けて株価やや下落しています。
ただ同社のビジネスは想定通りに進んでいると個人的には思いました。