2019年9月29日日曜日

Coffee Systemsが好調 Keurig Dr Pepper Inc. (KDP) 2019年度2Q決算を振り返る

会社概要


Keurig Dr Pepper Inc.は2018年にKeurig Green MountainとDr Pepper Snapple Groupの合併により設立されたコーヒーおよび飲料メーカーで、炭酸入りソフトドリンク、コーヒー、果汁飲料など飲料やコーヒー豆、コーヒーメーカーなどを製造・販売しています。
同社はアメリカで125を超える自社ブランド、ライセンスブランド、パートナーブランドのポートフォリオを持っています。

決算内容


2019年度の第2四半期決算(2019年4月~2019年6月)は8月8日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 2Q実   1.886B    1.3
2020 2Q実 
   2.812B
    0.3
2020 2Q予
 2.86B
    0.29
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りましたがEPSは予想は上回りました。
合併の結果、大きく売上高、EPS共に増加していますが、前年同期の調整後プロフォーマ純売上高(合併前の両社の売上高) 28.2億ドルと比べるわずかに減少しました。
アライドブランドポートフォリオの変更と為替からの悪影響がありました。
プロフォーマ希薄化EPSは前年同期比の0.26ドルに対して0.30ドルでした。

セグメント情報


(2Q前年同期比) 
前年の数字は調整後プロフォーマ(合併前の両社の売上高、営業利益)

Coffee Systems

売上高

940百万ドルから990百万ドル +4.3%

調整後営業利益

306百万ドルから331百万ドル +4.7%

コスト上昇や為替からのマイナスの影響もありましたが、値上げや販売数量増加の恩恵を受けました。
コーヒー抽出機+19%、K-cup+13%とそれぞれ販売数量が増加しました。

Packaged Beverages

売上高

1,380百万ドルから1,310百万ドル -4.9%

調整後営業利益

161百万ドルから190百万ドル +18%

主にアライドブランドポートフォリオの変更と為替からの悪影響を受けました。
CORE、ドクターペッパー、サンキスト、カナダドライなどの飲料が好調でしたが、baiや7upは不調でした。

Latin America Beverages

売上高

136百万ドルから141百万ドル +3.7%

調整後営業利益

26百万ドルから20百万ドル -23%

売上高はコスト削減と為替からの恩恵を受けてプラスでしたが数量自体は低下しました。
営業利益では昨年に樹脂供給業者による償還と物流および投入コストのインフレを反映して大きくマイナスになっています。

見通し


2019年KDP調整後プロフォーマOutlook

  • 調整後希薄化後EPS成長率を15%から17%、または希薄化後一株当たり1.2ドルから1.22ドル

また2018年7月の合併完了から三年間で経営レバレッジ比率を3.0 x未満にするという指針を再確認しました。2019年末時点で4.4倍~4.5倍となる見込み。


株価と指標


2019年9月27日時点で27.00ドルです。


予想PER(コ):19.29倍
PBR:1.66倍
予想配当利回り(コ):2.20%
Keurig Dr Pepperの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


コーヒーメーカーの販売は順調でしたが飲料はややといった感じですね。
また直近ではマクドナルド USAとMcCaféPackaged coffeeとの契約を更新しました。
今後もCoffee Systemsのセグメントは期待できそうですね。
株価的にはやや下落傾向で割高感は無いですが、統合の最中であることや合併とそれに伴う債務の増加はやや留意しておく必要があるかなと思います。



2019年9月28日土曜日

米国政府は米上場の中国株の上場廃止を検討か

ロイターによると
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-stocks-idJPKBN1WC22R

引用
トランプ米政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討していることが、複数の関係者の話で分かった。米国から中国企業への投資を制限するための方策の一環という。ある関係筋は、中国の活動を巡ってトランプ政権が安全保障上の懸念を強めている証拠だと指摘した。
ただ、具体的にどのように中国株を上場廃止にするのかは不明。

とのことです。
また米企業が算出する指数への中国株の組み入れ制限などの検討もしているとのことです。
ただ議論は初期段階ですぐにどうこうなる訳では無さそうでが特に米上場の中国株への不透明感は強まりますね。
個人的にも過去米上場の中国株に投資していたこともあるのでもし悪い方向に迎えば残念に思います。

この報道を受けてNY市場での中国株は軒並み下落しています。

Alibaba(BABA)

JD.Com(JD)

Baidu(BIDU)

HUYA(HUYA)

NIO(NIO)



2019年9月26日木曜日

Broadcom Inc.(AVGO)は強制転換優先株式を提供で株価下落

Broadcomによると
https://jp.broadcom.com/company/news/financial-releases/52611

Broadcomは9月24日に1,000ドルの価格で8%の配当が支払われる強制転換優先株式を325万株提供したと発表しました。
売却による32億ドルの収入は負債の返済に充てるとのことです。
Broadcomは最近Symantecのエンタープライズセキュリティ部門を107億ドルで買収しています。

この発表を受けてNY市場でBroadcomの株式はやや下落しました。


ただ個人的にですが今回の普通株式への転換期限が2022年の9月ですし、同社は継続的に自社株買いを行っているので影響は少ないと思います。
ただ自社株買ったり売ったりせわしない印象は受けますね。

2019年9月24日火曜日

Googleがゲーム定額サービスのGoogle Play Passを発表

Googleによると
https://play.google.com/about/play-pass/#faq

Googleは米国で月額4.99ドルで350以上のゲームタイトルをプレイできるGoogle Play Passのサービス開始を発表しました。
このサブスクリプションサービス内のゲームは広告及びゲーム内課金なしで提供されるとのことです。
先に発表されたAppleのApple Arcadeの対抗的な側面が強いですが、Apple Arcadeは独占タイトルを多数用意しているに対してGoogle Play Passでは独占タイトルは無くまたゲーム以外のアプリも対象になっているのが大きな違いでしょうか。
ゲームの定額サービスは先にSonyやMicrosoft、EAなどが提供していますがこれらのサブスクリプションサービスとGoogle Play PassやApple Arcadeはハードウェアや対象ユーザーの違いはあると思いますがここにきてゲームの分野でも定額サービスの競争が激しくなりそうです。

今回のサービスがAlphabet(Googleの親会社)の業績に与える影響は小さいと思いますがGoogleが法人向けのサブスクリプションサービスが強いMicrosoftに対して個人向けサブスクリプションサービスのGoogleといった形になれば面白いかなと思ったりします。

2019年9月23日月曜日

海外事業が苦戦 GENERAL MILLS, Inc.(GIS) 2020年度1Q決算を振り返る

会社概要


General Millsはアメリカの食品大手でスナックやシリアル、ヨーグルトやアイスクリーム、冷凍食品などの粉物系の包装食品を中心としたメーカーで近年はペットフードのBlue Buffaloを買収しており同分野にも参入を果たしました。

日本ではあまり馴染みのない企業ですがアイスクリームのハーゲンダッツは有名です、また日本でも展開しているコストコに行かれるような方でしたらシリアルのチュリオス等々General Millsの製品を見掛けることもあるかなと思います。

決算内容


2020年度の第1四半期決算(2019年6月~2019年8月25日)は9月18日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 1Q実   4.094B    0.71
2020 1Q実 
  4.003B
    0.79
2020 1Q予
  4.08B
    0.77
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想及び前年を下回りましたがEPSは予想を上回りました。
ペットフードのBlue Buffaloは好調でしたが北米以外でのビジネスが軟調でした。



セグメント情報


North America Retail(北米小売り)

北米の第一四半期の売上高はほぼ横ばいでした。
スナックの売上は前年同期比で-1%で、シリアルは+1%、ヨーグルトは-2%でした。



Convenience Stores & Foodservice(コンビニエンスストア&フードサービス)

ベーカリー小麦粉の量の減少と小麦粉指数の価格設定によるマイナスの影響により売上高は-4%でした。
ただFocus 6 platformsの代表的な商品は引き続き良好な成長を推進しているとのことです。


Europe & Australia(ヨーロッパ&オーストラリア)

売上高は前年同期比で-9%でした。
フランスで特に厳しい小売り環境だったほか、乳価格製品の高騰によるヨーグルト製品の価格の引き上げで大手小売りとのトラブルによる影響もありました。


Asia & Latln America(アジア&ラテンアメリカ)

売上高は前年同期比で-3%でした。
ブラジル、インド、中国での売り上げが期待を下回ったほか、中国のハーゲンダッツアイスクリームショップの出店数の減少とブラジルでの小売り業者の在庫の引き下げの影響もありました。


Pet Segment(ペットセグメント)

売上高は前年同期比で+7%でした、昨年の会計期間の調整を含めると+10%台の成長とのことです。
主に価格設定や市場シェア拡大の恩恵を受けました。



見通し


売上高は(為替等の影響を除く)+1~2%になると予想しています。
営業利益は(為替等の影響を除く)+2~4%になると予想しています。
EPSは+3~5%を予想しています。
フリーキャッシュフローは税引き後純利益の95%を予想しています。


株価と指標


2019年9月20時点で54.33ドルです。


予想PER(コ):15.75倍
PBR:4.45倍
予想配当利回り(コ):3.60%

 (コ) コンサンス予想 (会) 会社予想

総評と感想


特に厳しい海外事業が今回の決算に反映されました。
同社は米国のシリアルやヨーグルトで苦しんでいましたが、その問題は解決に向かっているように見えるのはポジティブですが、それとペットフードビジネス以外はややネガティブに見えます。
指標的には割高感はあまりないですが、個人的には今のところ同社株については様子見したいかなと思います。

2019年9月20日金曜日

Advanced Micro Devices, Inc.(AMD)はサーバー向けプロセッサーのEPYCの好調をアピール

AMDは2019年9月18日にイタリアのローマで行った発表を中心にまとめたものでサーバー向けプロセッサーの第2世代EPYCのパフォーマンスや採用の拡大をアピールしています。

http://ir.amd.com/news-releases/news-release-details/2nd-gen-amd-epyctm-continues-market-momentum-new-customers-new

内容が長いので簡単に紹介すると
第2世代EPYCを搭載したDellEMCのPowerEdgeプラットフォームの紹介やIBM CloudやNokia、OVHcloudでの採用やパフォーマンス、ATOSのスーパーコンピュータでのEPYCの採用を紹介しています。

直近の第2四半期決算ではゲーム機向け等のカスタムチップが不調で通期予想を下方修正しましたがサーバー向けプロセッサーの採用拡大が続けば今後も期待できますね。

Microsoft Corporation (MSFT)は増配を発表

Microsoft Corp.は2019年9月19日に四半期配当の増加を発表しました。
https://news.microsoft.com/2019/09/18/microsoft-announces-quarterly-dividend-increase-and-new-share-repurchase-program/

四半期配当は1株当たり0.51ドルで前四半期から11%増です。
配当は権利落ち日が2019年11月21日で配当支払い日が2019年12月12日になります。

また合わせて期間を定めない最大400億ドルの株式買戻しプログラムを承認したと発表しました。

この発表を受けて9月19日のNY市場でMicrosoft株は上昇しています。




2019年9月18日水曜日

厳しい外部環境だがAptiv PLC (APTV)2019年度2Qを振り返る

会社概要


Aptiv PLCは元々GMの自動車部品の開発メーカーで1999年に分社化されています。

元々はDelphi Corporationという社名でしたがガソリンエンンジン等のパワートレインとアフターマーケット事業をDelphi Technologiesとして2017年に分社化しておりその後、現在の社名に変更しています。

Aptiv PLCは自動車の電装化部品の設計・開発・製造や自動車の制御やインフォーメーション、安全装置や運転支援システムの提供など自動車を支えるソフトウェアやハードウェアの両方を開発・提供しています。

決算内容


2019年度の第2四半期決算(2019年4月~2019年6月)は7月31日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 2Q実   3.684B    1.4
2019 2Q実 
  3.627B
    1.33
2019 2Q予
  3.64B
    1.14
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りましたが、EPSは予想を上回りました。
自動車生産が-5%減少するとなど自動車産業における厳しいマクロ環境の影響を受けました。
売上高は前年同期比で-2%でしたがユーロと人民元安が続いたことで為替や特殊樹脂などのコモディティの値上がり、売却の影響を除くと+4%でした。
また全体的に関税や為替、コモディティでマイナスの影響がありました。
Aptivは第2四半期株式に買戻しと配当を通じて株主に1億7700万ドルを還元しました。





セグメント情報


(2Q前年同期比) 

Signal and Power Solutions


売上高

2650百万ドルから2585百万ドル -2%

調整後営業利益

386百万ドルから337百万ドル -14%

Teslaなどの電気自動車向けに高電圧電化製品の拡大の恩恵を受けましたが、為替やコモディティ、関税の影響を受けました。
ただし市場全体では+7%でした。


Advanced Safety and User Experience

売上高

1044百万ドルから1050百万ドル +8%

調整後営業利益

88百万ドルから68百万ドル -29%

モビリティへの投資が加速したことやローエンドディスプレイオーディオ製品ラインの計画的ロールオフもあり営業減益でしたが新製品が好調なことやActive Safetyの堅調な成長で市場では+8%でした。


自動車の生産台数は中国で第3四半期に-15%、年間で-13%減少を予想しているのを始めグローバルな自動車生産も第3四半期に-2%、通年で-4%と厳しい環境が続くと予想されます。


見通し


2019年Q3及び通年の見通し

2019年第3四半期

  • 収益 3600百万ドルから3700百万ドル
  • EBITDA 600百万ドルから620百万ドル
  • 営業利益 415百万ドルから435百万ドル
  • EPS 1.27から1.33ドル  

2019年通期

  • 収益 14,525百万ドルから14,725百万ドル
  • EBITDA 2,375百万ドルから2,415百万ドル
  • 営業利益 1,650百万ドルから1,690百万ドル
  • EPS 5.05ドルから5.15ドル

通期ではEPSをやや上方修正しました、その他の見通しに変更はありません。
1ドル12ユーロと6.90人民元に加えて、世界の自動車生産が2%減少すると仮定しての数字になります。
マクロ以上の市場成長を見込んでいますが、引き続き為替やコモディティ、関税からの逆風を予想しています。
また買収したKUM社は第2四半期終わりにWinchester Interconnect社は第4四半期での統合完了を予定しています。


株価と指標


2019年9月17日の時点で89.64ドルです。



予想PER(コ):15.56倍
PBR:6.53倍
予想配当利回り(コ):0.98%
(コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


引き続き厳しいマクロ環境からの影響が続いていますが、同社はその中でも上手く立ち回っているようにはみえます。
長期的には安全装置や自動運転、EVなどの拡大の恩恵を受けそうですが短期的には米中の貿易摩擦の動向や世界景気の減速など厳しいマクロ環境からの影響が予想されます。

2019年9月15日日曜日

GoldmanはAppleの動画サービスのバンドルに懸念

Seekingalfaによると
https://seekingalpha.com/news/3499137-goldman-cuts-apple-tv-trial

内容を要約すると

  • Goldman SachsはAppleの格付けをNeutral ratingを維持し目標株価を$187から$165ドルに引き下げ
  • 特定の端末にバンドルされるApple TV +のトライアル期間がASPとESPに「重大な悪影響を与える可能性が高い」と述べています。

とのことです。
Appleが今年の9月10日発表した月4.99ドルの定額制動画ストリーミングサービスのApple TV+が新しいiPhone、iPad、iPod touch、MacまたはApple TVを購入すると1年間無料になるとのことでこれがGoldmanによると1台当たり60ドルの減益要因になるとしています。

ただしAppleはCNBCの報道によると
引用
“not expect the introduction of Apple TV+, including the accounting treatment for the service, to have a material impact on our financial results.”

Appleは同サービスの業績に与える影響はないと反論しています。

個人的にも同サービスからの影響よりも端末の販売や関税の方が影響が大きいかなと思いますがどうでしょうか。
もし影響があっても一過性のものだと思いますしそこまでかなと思います。


2019年9月14日土曜日

予想を上回る決算だったが通期予想は据え置いた Broadcom Inc. (AVGO) 2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


ブロードコムの公式によると
ブロードコムの製品ポートフォリオは、有線インフラストラクチャ、無線通信、エンタープライズ・ストレージ、産業用の4つを主要なエンド市場として製品を提供しています。幅広い製品ポートフォリオには、セットトップ/CMTS向け、ケーブル・モデム、PON/DSL、イーサネットNIC、フィルターやアンプ、ASIC、ワイヤレス接続ソリューション、組み込み型プロセッサ、HDD/SSDコントローラ、エンタープライズSAS/SATA/ファイバ・チャネル接続、データ・センター・スイッチやルーター、光学絶縁/モーション・エンコーダ/LED、光ファイバーソリューション向け各種半導体があります。
データセンターをはじめとする通信インフラや産業機器、モバイル機器等々様々な製品やインフラにブロードコムの製品が使われています。
また2018年に企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを買収しておりソフトウェア企業としての側面もあります。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年5月5日~2019年8月4日)は9月12日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 2Q実   5.066B    4.88
2019 2Q実 
 5.515B
    5.16
2019 2Q予
 5.55B
    5.14
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想に届きませんでしたが、EPSは予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+9%、EPSは前年同期比で+4%でした。
また第3四半期中に11億ドルの現金配当と約10億ドル株式の買戻しで約20億ドルの株主還元を行ったと発表しました。
上記に加えて1株当たり2.65ドルの四半期ごとの現金配当を承認しました。
半導体事業は今四半期で底を打ったように見えるが引き続き低調とHock Tan CEOを述べています。


セグメント情報


(3Q前年同期比)

Semiconductor solutions

4,568百万ドルから4,353百万ドル -5%

ネットワーキング事業は好調でワイヤレス事業もサイクルの最初の段階ですが、ストレージとブロードバンド事業が低調でした。

Inflastructue softwear

492百万ドルから1,140百万ドル +132%

メインフレームおよび分散ソフトウェアに対する持続的な企業の需要の恩恵を受けていますが、米中貿易摩擦等不透明な状況でSANスイッチングの需要に影響がありました。
また買収したSymantechのEnterprise Enterprise事業との相乗効果やセキュリティ市場での戦略の説明もありました。


見通し


Broadcomの通年の見通しに変更はありませんでしたが主にSymantechの買収もありGAAPとNon-GAAPの数字で大きく違いが出ます。

Non-GAAP見通し

  • 非GAAPベースの通年売上高をほぼ225億ドルと予想しています。
  • 非GAAPベースの営業利益率は52.5%と見込まれています。
  • 2019年度には5億ドルの設備投資を予定しています。

GAAP Non-GAAP差異


また2019年第4四半期は今回と同程度の見通しです。

株価と指標

2019年9月13日時点で290.32ドルです。


予想PER(コ):12.33倍
PBR:5.37倍
予想配当利回り(コ):3.53%
Broadcomの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想

決算自体はそれなりかなと思いましたが株価が直近上昇していることもあり、決算後株価下落しています。
特に半導体市況が思ったほど回復してないことは他の半導体株の動向も気になるところです。
ただ10月に米中貿易協議があり同社も含む半導体株はそれの影響は小さくないので株価の予測は難しいですね。

2019年9月13日金曜日

General Electric Company(GE)はBaker Hughes(BHGE)の株式を売却

Baker HughesによるとGeneral ElectricはBaker HughesのクラスA株を1億1500万株を一株当たり21.50ドルで売出す他、Baker HughesはクラスB普通株式11,865,211株を額面価格で買い取ると発表しました。
https://investors.bhge.com/news-releases/news-release-details/baker-hughes-ge-company-announces-pricing-secondary-offering-0

売却そのものは事前に予定されていましたがこの売却によってGeneral ElectricはBaker Hughesの保有率は過半数を割り、GEがBHGEの取締役会に指名する資格を持つ個人の数が5人から1人に減ります。
またGeneral ElectricはBaker Hughesの連結を解除されました。

売却はフリーキャッシュフローの改善を目指すGEにはプラスですがBHGEを買収してから短期間で売却することになり結果的にはあまりいい買収にはなりませんでした。

またGEは最大25億ドル規模の債務の買い付けも発表しておりキャッシュフロー改善と債務削減の同社の目標を進めています。
https://www.genewsroom.com/press-releases/ge-announces-debt-tender-offers

2019年9月12日木曜日

ガイダンス弱い Zscaler Inc.(ZS) 2019年度4Q決算を振り返る

会社概要


Zscalerはクラウドセキュリティを提供する企業でサービスアプリケーションソフトウェアやインターネットの宛先などの外部管理アプリケーションに接続するZscaler Internet Accessソリューションや内部で管理されているアプリケーション(データセンター内でホストされているもの)とプライベートクラウドまたはパブリッククラウドのいずれかにアクセスできるように設計されたZscaler Private Accessソリューションを提供しています。

決算内容


2019年度の第4四半期決算(2019年5月~2019年7月)は9月10日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 4Q実   56.174M    -0.01
2019 4Q実 
 86.108M
    0.07
2019 4Q予
 82.79M
    0.01
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想


売上高、EPS予想共に予想を上回りました。
calculated billings(計算済請求額)は前年同期比32%の1億2580万ドルでした。
deferred revenue(繰延収益)は前年同期比53%の2億5120万ドルでした。

企業のOffice365などのクラウドサービスの利用やSD-WANへの移行の恩恵を受けました。

セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2020年度第1四半期については

売上高 8900万ドルから9000万ドル
Non-GAAPの営業利益は0から-100万ドル
Non-GAAP EPS 0.00~0.01ドル

2020年度通期

売上高 3億,9500万ドルから4億500万ドル
計算済請求額 4億9,000万ドルから5億ドル
Non-GAAP 営業利益 1,300万ドルから1,800万ドル
Non-GAAP EPS 0.12~0.15ドル

株価と指標


2019年9月11日の時点で49.67ドルです。


予想PER(コ):171.28倍
PBR:20.33倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Zscalerの現在の株価と指標 

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想


総評と感想


決算良かったですが、2020年の見通しが弱気で決算後に株価下落しています。
個人的にも2020年Q1の売上高成長が前年同期で30%を下回っていることや通期で見ても20%半ばの成長を予想しており同社は保守的な予想をする傾向を考慮してもやはり数字がちょっと弱いかなと思います。
株価かなり下落していますが同社は年初から株価倍になっていた時期もあり投資するにしてももう少し下落してからかなと思います。
過去に投資していた銘柄ですが残念な決算でした、9月17日にアナリストデーを予定しているのでそこでなにかポジティブな内容があればいいですが。

2019年9月11日水曜日

Apple、iPhone等の新商品やサービスを発表

Appleは9月10日に新商品やサービスを発表しました。
https://www.apple.com/jp/apple-events/september-2019/

詳細は省きますが、商品ではiPhone11、11Pro、11ProMax、iPad、Applewatch
サービスでは定額ゲームサービスAppleArcadeと動画配信定額サービスのApple TV+を発表しました。
商品ではほぼ事前のリークや予想通りでしたが一部噂があった廉価版iPhoneはありませんでした。
またサービス面ではAppleArcadeやApple TV+は事前にサービス内容の発表はありましたが今回改めてサービス開始日や料金のアナウンスがありました。

iPhoneはカメラ機能は強化されていますがそれ以外はやや保守的かなと思ったほかiPhone11の無印が699ドルからで他の上位モデルも価格自体はほぼ据え置いた印象です。
特にiPhoneは中華圏を中心に売上が減少しており、やや買い易くなったことで売上にも期待したいところです。
また9月20日から発売ということで2019年度第4四半期決算(7~9月)にも一部反映されます。

Apple TV+は月額4.99ドルと低価格で提供されることもあり同業で動画ストリーミングサービスのNetflixやWalt Disneyの株価下落したほか、TVストリーミングプラットフォームのROKUの株価も下落しました。






2019年9月9日月曜日

決算発表前の振り返り Zscaler Inc.(ZS)

Zscalerは9月10日に2019年度の第4四半期決算を予定しています。

Zscaler(ZS)銘柄情報
Zscaler(ZS)の前回決算

決算予想



  売上高     EPS
2018 4Q前実   56.174M    -0.01
2019 4Qコ予 
   82.79M
     0.01
2019 4Q会予
 81~83M
     0.01~0,02ドル
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
前実   前年実績    コ予 コンセンサス予想   会予 会社予想

注目ポイント


Zscalerは直近、業界の競争が激化するとの懸念でOTR GlobalがANALYST RATINGの引き下げを行っており株価もそれ以降冴えない展開が続いています。
なので今回の決算では成長への懸念を払しょくできるかが焦点でしょうか、またNon-GAAPの数字ですがEPSはプラスを予想しているので実現するかも注目です。


ややガイダンスに懸念 Slack Technologies, Inc. (WORK) 2020年度2Q決算を振り返る

会社概要


Slack Technologiesは世界中150か国以上の国で60万以上の組織に利用されるビジネス向けチャットアプリSlackを提供する企業です。 同社は主に電子のメールの代用として導入されています、Slackは特徴としてグループ間でのメッセージやチャット機能、ビデオ通話やファイルアーカイブなどの機能を備えています。 Slackは他にもSNSやメール、ビジネスツールとの連携やAPIを利用して独自のニーズに合わせた設定が可能であったり、システム管理者がチャットの管理や追跡を簡単にできるといったような機能がありそれが他のSNSとの違いです。 Slackは無料で利用できるほか利用するユーザーの規模や用途に合わせて月額の課金サービスを提供しています。

決算内容


2020年度の第2四半期決算(2019年5月~2019年7月)は9月4日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 2Q実   92.02M    -0.25
2020 2Q実 
 144.973M
    -0.14
2020 2Q予
 140.72M
    -0.18
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+58%でした。
一部同四半期中に起きた障害でユーザーに820万ドル相当のクレジットポイントを提供したことで売上高に逆風がありました。

calculated billings(計算済請求額)は前年同期比で+52%の1億7480万ドルでした。



有料顧客数は前年同期比で+37%で10万を超えました。


年間契約額(ACV)が100,000ドル以上の顧客は、720で前年同期比で+75%でした。


リテンションレート(継続課金率)は136%でした。


セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2020年度第3四半期

  • 売上高は154百万ドルから156百万ドル +46~+47%
  • Non-GAAPの営業損失は49百万ドルから47百万ドル
  • Non-GAAP EPS -0.09~-0.08ドル

2020年度通期

  • 売上高は603百万ドルから610百万ドル +51~52%
  • Non-GAAPの営業損失は180百万ドルから176百万ドル (直接上場による費用30百万ドル含む)
  • Non-GAAP EPS -0.42~-0.40ドル
  • Calculated Billings(計算済請求額)は740百万ドルから760百万ドル +43~+47%
  • フリーキャッシュフローは-110百万ドルから-100百万ドル

株価と指標


2019年9月6日の時点で27.38ドルです。



予想PER(コ):N/A
PBR:20.12倍
予想配当利回り(会):N/A
Slack Technologiesの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想
(会) 会社予想 

総評と感想


2Q決算自体は良かったですが株価は下落しています。
特に弱いガイダンスが株価下落の理由との見方や意見が多かったです。
個人的にも3Qのガイダンスがやや弱いかなと思ったほか、成長を表す多くの指標がやや鈍化気味なことが気になりますね。
損失額も小さくないので個人的に投資するにしてももう少し様子見したいかなと思います。

2019年9月7日土曜日

Facebook、デート機能を米国でも開始

Facebookは2019年9月5日に同社のFacebookのデート機能のFacebook Datingを同日に米国でも利用可能になると発表しました。
Facebook Datingは単独のアプリでなくFacebook内の機能でFacebookのプロフィールとは別のプロフィールを作成して同じ趣味やイベント等でマッチングできる機能です。
https://newsroom.fb.com/news/2019/09/facebook-dating/

この発表を受けてデートアプリのTinderなどを提供するMatch Groupの株価が下落する局面もありました。
Match Groupは現在までにFacebook Datingからの影響を否定していますが、主要市場の米国での展開で同社のビジネスにも影響があるか要注目ですね。



2019年9月6日金曜日

赤字続く Tesla, Inc. (TSLA) 2019年度2Q決算を振り返る

会社概要


テスラ(Tesla, Inc.)(旧名:Tesla Motors, Inc.)は電気自動車のModel XやS、普及価格帯のModel3を設計・開発・製造・販売しています。 また電気自動車のバッテリーや技術を利用した電力備蓄やソーラー発電システムの開発・設計・製造・販売及び賃貸をしています。

決算内容


2019年度の第2四半期決算(2019年4月~2019年6月)は7/25日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 2Q実   4.002B    -3.06
2019 2Q実 
 6.35B
    -1.12
2019 2Q予
 6.43B
    -0.48
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を下回りました。
過去最高となる95,000台以上の車両を生産、納入しましたが事業再編費用や為替の影響、高価格帯のModelXやSが低調でした。


セグメント情報


(2Q前年同期比)

Automotive revenue(自動車売上高)  3,358百万ドルから5,376百万ドル +60%
Automotive gross margin – GAAP(調整後売上総利益) 20.6%から18.9%
今四半期からZEVクレジットと非ZEVクレジットの開示を統合

Model3の生産、納入は好調な他、生産量増加や材料費削減などの生産コスト削減の取り組みを進めましたが、ModelsやXが低調だったほか価格設定の影響もあり収益は伸びていますがGross marginは悪化しています。

Energy generation and storage revenue(発電・貯蔵売上高)

374百万ドルから368百万ドル -2%

Energy generation and storage gross margin(発電・貯蔵売上総利益)

11.8%から11.6%

エネルギー事業が好調でしたが、太陽光発電事業は低調でした。

その他Topixとしては
2019年5月に株式および転換社債からの純収入24億ドルにより、Teslaのキャッシュポジションは50億ドルに増加しました。
電気自動車及びバッテリーセルの生産を予定しているGigafactory Shanghaiは年末までの稼働を予定しています。

見通し


今四半期にガイダンスを簡素化しました。

  • 年末までに中国でモデル3、フリーモントでモデルYの現地生産を予定
  • 欧州のGigafactoryを今後数四半期のうちに建設場所の選定と確定
  • 季節性に変動よる変動はあるもの、順次および毎年、配送を増やす取り組み(以前のガイダンスでは36万台から40万台の車両を納入する計画)
  • 第3四半期以降の四半期のGAAP純利益のプラスを目指しますが、継続的な販売量の増加、生産能力拡大とキャッシュ生成が引き続き主な焦点となります。
  • 2019年の設備投資は約15億ドルから20億ドルになると予想されています。

株価と指標


2019年9月5日時点で229.58ドルです。


予想PER(コ):58.12倍
PBR:7.19倍
予想配当利回り(会):N/A%
Teslaの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想
(会) 会社予想 



総評と感想


決算悪かったです。
Model3は好調ですがModelSやXの需要も奪って収益性が低下している印象を受けました、
また事業再編費用や為替の影響もありました。
今後生産コストの削減やおそらくModel3より収益性の高いSUVタイプの電気自動車ModelYの投入をうまく進めることかとが必要に思います。
またGigafactory Shanghaiの稼働など中国でのビジネス展開に要注目といったところでしょうか。
ただそれらを踏まえても個人的にはですがまだTeslaは資金を必要としている印象が拭えず同社の株式への投資はどうかなと思っています。

2019年9月5日木曜日

Microsoftは企業のクラウド移行を支援するMovereを買収

Microsoft Corporationは2019年9月4日にクラウド移行支援するMovereを買収したと発表しました。(買収条件は非公開)
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/microsoft-acquires-movere-to-help-customers-unlock-cloud-innovation-with-seamless-migration-tools/

Movereは企業の自社インフラやアプリケーションをMicrosoftの提供するクラウドサービスAzureへの移行を支援するサービスを提供しています。
同社は企業がオンプレミス(自社運用)を行っているデータベースの把握や個々IPアドレスなどの様々なデータを収集しクラウド移行によるコストやデータ消費量、ライセンスなどのITデータの収集・転送・統合するIT環境分析サービスを提供しています。

またMicrosoftは2019年8月19日はAzureでのJavaアプリケーションの最適化を行うjClarityを買収してます。

個々の買収が業績に与える影響は小さいと思いますが、短期間の相次ぐ買収はMicrosoftのAzureへのコミットを表していると思います。
投資家としては引き続きMicrosoftのクラウドサービス、Azureの成長に期待したいですね。


2019年9月3日火曜日

改善の兆しが見えた Zuora, Inc. (ZUO) 2020年度2Q決算を振り返る

会社概要


ズオラは世界中で16拠点900社以上の顧客を持ち、サブスクリプション型ビジネスの決済や管理、売上計上、分析等といった機能をクラウド型のソフトウェアを通じて提供するSaaS企業です。
同社の「ズオラ・セントラル」は見積、請求、回収、分析、収益認識までの販売管理プロセスをシングル・プラットフォームで提供します。

決算内容


2020年度の第2四半期決算(2019年5月~2019年7月)は8/28日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 2Q実   57.754M    -0.13
2020 2Q実 
 69.97M
    -0.09
2020 2Q予
 66.97M
    -0.14
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年比+21%増、サブスクリプション収益は前年同期比で24%増加しました。
年間契約額(ACV)が100,000ドル以上の顧客は、566の顧客で前年同期比で19%増加しました。
新たに日本の電子機器メーカーや欧州のベアリングの大手メーカー、自動車プロパイダー、米国の出版社との契約を発表しました。
また課題であった収益管理ソフトのREVPROと請求業務ソフトBILLINGの統合作業の初期段階の構築を完了したほか、人員拡大により質が低下していた営業をベテラン社員をマネージャーに昇進するなどし営業チームを再編しました。


見通し


2020年度第3四半期

売上高 69.0~71.0百万ドル
サブスクリプション収入 51.5~52.5百万ドル
営業損失(Non-GAAP) -10.5~-9.5百万ドル
EPS -0.10~-0.09ドル

2020年度通期

売上高 273.5~278.0百万ドル (前回268~278.0百万ドル)
サブスクリプション収入 202.5~206.0百万ドル (前回200~206.0百万ドル)
営業損失(Non-GAAP) -44~-42百万ドル (前回-44~-42百万ドル)
EPS -0.40~-0.38ドル (前回-0.44~-0.40ドル)

通期予想はやや上方修正がありましたが3Qの売上高成長率は10%前半を予想しておりほかのSaas銘柄と比べると成長率は低めですね。

株価と指標


2019年8月30日時点で15.05ドルです。


予想PER(コ):N/A倍
PBR:9.67倍
予想配当利回り(会):N/A%
Zouraの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想
(会) 会社予想 

総評と感想


直近、いくつか課題が発生していましたがやや改善の兆しが見られる決算でした。
今後営業の再編やソフトウェアの統合が進むことによって低めの売上高成長率が改善するのかに注目したいかなと思います。
ただ決算自体は良かったと思うので短期的には株価の回復に期待したいところです。

Blog休止と今後のお知らせ

何故か分からないですが、現在Blogger上のサイドバーが下に表示されており設定を一部変更してみましたが直らないのと、同サイト自体がスマホ用のレイアウトに対応していないことが前々から気になっておりこれを機にサイト移転を計画しています。 多少お時間頂くと思いますが、移転の際には改め...