2019年7月20日土曜日

Azureがやや成長鈍化するも全体的に好調だったMicrosoft Corporation(MSFT) 2019年度4Q決算を振り返る

会社概要


Microsoftはパーソナルコンピューター向けのオペレーティングシステム「Windows」を開発・提供する会社でまた普段仕事などでMicrosoftOfficeを使用されているかたも多いんではないでしょうか?
特にWindowsとOfficeのイメージが強い同社ですか近年はクラウドサービスのAzureや家庭用ゲーム機のXboxや人気ゲームのHALOシリーズ、タブレット・一体型PCのSurfaceシリーズ、検索サービスのBingなどハード、ソフト問わず幅広い製品やITサービス・ソフトウェアを提供しています。
また企業買収も積極的に行っており、近年で有名な企業だけでもスマートフォンや携帯電話を製造していたNokiaのモバイル部門やコミュニケーションツールのSkype、サンドボックスゲームのMinecraftを開発・提供していたMojang、ソフトウェア開発プラットフォームのGitHubを買収しています。

同社のセグメントは

OfficeやSkype、Outlook、OnDrive等のビジネスやオフィス向けの製品やサービスを提供する
Productivity and Business Processes(生産性とビジネスプロセス)

クラウド プラットフォームのAzureやSQL Server、Windows Server、Visual Studio、System Center等のサーバー向けの製品やサービスを提供するIntelligent Cloud(インテリジェントクラウド)

WindowsOSのライセンスやそれらをSurfaceなどの搭載した製品、XboxやXbox Liveなどのゲーム機やサービス、ゲームソフトウェア、検索サービスのBingなどから構成される More Personal Computing(その他パーソナルコンピューティング)
になります。

決算内容


2019年度の第4四半期決算(2019年4月~2019年6月)は7月18日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 4Q実   30.085B    1.13
2019 4Q実 
  33.717B
    1.71(特別項目除く1.37)
2019 4Q予
 32.75B
    1.21
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

通期及び4Q



売上高、EPS共に予想を上回りました。
ゲーム事業以外はほぼ好調な決算内容でした。

セグメント情報


売上高
(4Q前年同期比)

Productivity and Business Processes

97億ドルから110億ドル +14%

クラウドとオンプレミス事業両方が好調でした。
Office製品はCommercialとConsumerで売上高はそれぞれ+14%と+6%をはじめ Dynamics製品は+12%、クラウドのCRMパッケージのDynamics 365が+45%とDynamic製品を牽引しました。
LinkedInの売上高は+25%でした。
同部門は通年を通して好調でした。




Intelligent Cloud

96億ドルから114億ドル +19%

Azureの売上高は+64%でした、引き続き好調ですか前期は+73%なので成長が鈍化しているかなと思います。
また引き続きSQL及びWindows Server 2008のサポート終了に伴う移行需要があったほかエンタープライズサービスの成長も寄与しました。


More Personal Computing

108億ドルから113億ドル +4%

Windows OEMの売上高は前年同期比は9%増加しました。
Windows 7のサポート終了前の駆け込み需要、短期的な貿易問題による不確実な関税の影響により企業が在庫を積み増した影響もありました。
またWindows Proが大きく増加した反面、non Proは大きく減少しており法人需要や高価格帯のモデルのニーズが大きかったと予測されます。
Windowsコマーシャル製品およびクラウドサービスの収益は+18%でした、 Surfaceが好調でした。
XboxのゲームパスやXbox LiveGoldの加入者数が順調に推移しましたが、Xboxのソフトウェアとサービスの売上高は1%減少しました。
またGamingは売上高が前年同期比で-10%でした。
ゲーム機本体の販売減少の他、サードパーティのタイトルの販売が予想下回ったことを要因として挙げています。
ゲーム機の事業はサイクル末期ですしMicrosoftは次世代Xboxを2020年冬に販売を予定しているのでこの部門は来年後半まで厳しいかなと思います。
またトラフィック獲得費用を除く検索広告収入は9%増加しました。

見通し


Microsoftは2020年第1四半期の売上高を317~324億ドルになると予想しています。
同社は、引き続き2桁の売上高成長を見込んでいます。


株価と指標


2019年7月19日の時点で136.62ドルです。


予想PER(コ):23.23倍
PBR:10.22倍
予想配当利回り(コ):1.35%
Microsoftの現在の株価と指標
 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


通年を通してほとんど決算をこぼすこともなくMicrosoftにとっては成長の年になりました。
今四半期ではIntelligent Cloudのセグメントが他のセグメントを上回り、また他のセグメントでもグラウド製品が成長を牽引していることからMicrosotはクラウド事業がメインになったと言えます。
来季も引き続きWindows7やWindows Server 2008の移行需要やAzureやクラウド製品の成長に期待できるかなと思います。
懸念としてはAzureの成長率をどの程度維持できるかとゲーム事業は引き続き悪いことが予想されます。
現在Microsoft株に投資していませんが個人的には投資妙味はありそうかなと思います。

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