2020年5月14日木曜日

原油価格の低迷で赤字決算 Exxon Mobil Corporation (XOM) 2020年度1Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2020年度の第1四半期決算(2020年1月~2020年3月)は5月1日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 1Q実   63.625B   0.55
2020 1Q実 
   56.16B
   0.53
2020 1Q予
   51.85B
   0.05
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を上回りましたが、EPSは今回Non-GAAP EPSは0.53ドルでしたがGAAP EPSは原油価格の低迷もあって-0.14ドルとマイナスになりました。
純利益は-6億1000万ドルと同社にとっては-32年ぶりの四半期赤字だそうです。
主に商品市況の低迷の影響や株式市場の下落で評価損や減損が発生した影響を受けました。
また前年同期比で売上高は-12%と大きく落ち込みました。


セグメント情報


利益 1Q前年同期比


Upstream

2876百万ドルから536百万ドル -81%

主に原油価格のCOVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックやそれに伴う需要への影響や供給過剰もあり大幅に利益が落ち込みました。
また天然ガス価格もCOVID-19(新型コロナウイルス)や温暖な気候だったこともあり価格が低迷しています。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

3,981から4,046 +65

今四半期ではパーミアン盆地での生産が増加しました、また定期メンテナンスの減少も貢献しました。

Downstream

-256百万ドルから-611百万ドル 

航空機のジェットエンジン向けの燃料やガソリンの需要低迷の影響を受けてマージンが悪化したため業績は大きく悪化しています。
また製油所の精製処理能力はほぼ横ばいでした。

Chemical 


518百万ドルから144百万ドル -72%

原油価格が低調なこともあり、マージンは改善しましたが、評価損や減損が大きく響きました。

見通し


Upstream

原油は日量40万バレルの生産を予想しています。
天然ガスの生産量は季節的な需要の影響を受けて減少し、石油換算で日量10万バレル程度の影響を見込んでいます。

Downstream

原油価格の低迷が精製マージンを圧迫し、第2四半期では石油精製能力の約 25%の停止を見込んでいます。

Chemical 

衛生関係の商品やパッケージングから需要を見込んでいますが、自動車と耐久財の需要は引き続き厳しいものになると見込んでいます。


株価と指標


2020年5月13日時点で41.93ドルです。


予想PER(コ):121.95倍
実績PER:17.30倍
PBR:1.07倍
予想配当利回り(コ):8.30%
Exxon Mobilの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


一応予想は上回りましたが原油価格の低迷で赤字を計上するなど厳しい決算でした。
第2四半期も原油価格の低調さは続いており今後も保有している同社株の減配におびえることになりそうです。

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