会社概要
Advanced Micro Devices(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPYC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。
決算内容
2020年度の第1四半期決算(2020年1月~2020年3月)は4月28日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2019 1Q実 | 1.272B | 0.06 |
2020 1Q実 |
1.786B
| 0.18 |
2020 1Q予 |
1.78B
| 0.18 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高は予想を上回りました、EPSは予想と一致しました。
前年同期比で売上高は+40%、EPSも大きく増加しました。
RyzenおよびEPYCプロセッサーのが売上を牽引しています。
セグメント情報
売上高 1Q前年同期比
Computing and Graphics(コンピューティングとグラフィック部門)
売上高 831百万ドルから1,483百万ドル +73%
営業利益 16百万ドルから262百万ドル Up246M
RyzenおよびRadeonプロセッサの採用増加の恩恵を受けました。
クライアントプロセッサーはRyzenプロセッサーへの需要が拡大したこともあり、出荷台数とASP共に2桁の大幅な増加率でした。
またモバイルユニットが新しいRyzen mobile 4000をリリースしたことや全世代の製品に対する需要増加もあり前年同期比で2桁の大幅な増加となりました。
グラフィックユニットはRadeon RX 5000シリーズ、デスクトップおよびノートブック用GPUの需要拡大もあり2桁の前年同期比で増加になりました。
Enterprise, Embedded and Semi-Custom(エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門)
売上高 441百万ドルから348百万ドル -21%
営業利益 68百万ドルから-26百万ドル Down94M
サーバー分野では、クラウド、エンタープライズ、HPCの顧客から需要拡大の恩恵を受けて出荷台数は前四半期比で2桁の伸びを示し、前年同期比では3倍以上になるなど好調に推移しましたが、ソニーとマイクロソフトが次世代ゲーム機の発売前に現行機の在庫を削減した影響を受けました。
All Other Category(その他)
営業利益(損失) 前年同期比-46百万ドルから-59百万ドル Down13M
見通し
2020年度第一四半期
- 売上高 18.5億ドル ±100百万ドル
- Non-GAAP Gross Margin ~44%
- Non-GAAP Operating expenses ~600百万ドル
2020年度通期
- 売上高 +25% +-5%(従来予想 28~30)
- Non-GAAP Gross Margin 45%
- Non-GAAP Operating expenses ~29%
- Taxes 税引前利益の約3%
株価と指標
2020年4月30日時点で52.39ドルです。
予想PER(コ):48.78倍
実績PER:124.79倍
PBR:20.69倍
予想配当利回り(コ):N/A%
AMDの現在の株価と指標
(コ) コンセンサス予想
総評と感想
好悪材料が入り混じった決算だったかなと思います。
通期の売上高見通しの下方修正はありましたが、COVID-19(新型コロナウィルス)の影響は今のところ同社のビジネスに大きく影響は与えていなさそうです。
PCやサーバー向け半導体は好調ですし、不調のゲーム機向け半導体事業も遅くと今年後半には回復すると思うので個人的に今回の決算でも同社の見通しは楽観的ですが、株価は高値水準かなとも思っています。
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