2019年11月15日金曜日

復調傾向ではあるが NVIDIA Corporation(NVDA) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


Nvidiaは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは

PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。

今Nvidiaが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvidiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvidiaのGPUが有利であり、そのためNvidiaのGPUが好んで使われています。 
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。 同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがNvidiaが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではNvidiaがリードしてるという意見もあります。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2019年8月~2019年10月)は11月14日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 3Q実   3.181B   1.84
2020 3Q実 
  3.014B
   1.78
2020 3Q予
  2.92B
   1.58
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は-5%とEPSは-3%でした。
前期比で特にデータセンターやゲーミングのセグメントで回復しました。
また1株当たり0.16ドルの次の四半期現金配当を発表しています、権利日が2019年11月29日で配当支払い日が2019年12月20日になります。
同社は、Mellanox Technologies、Ltdの買収を終了した後、自社株の買い戻しに戻る予定です。
買収は欧州連合や中国の規制機関の承認が順調に進めば今年の終わりまで完了を予定しています。


セグメント情報


売上高3Q前年同期比

Gaming 1,764百万ドルから1,659百万ドル -6%

デスクトップゲームとノートブックゲームで期待を上回る強さでした。
レイトレーシングの多数のタイトルが発売されたことやGeForce RTXシリーズはデスクトップゲームGPUの収益2/3以上を占めていることを報告しています。
また新製品のGeForce GTX 1660 Superおよび1650 SuperやShield TVとShield TV Pro発表しています。
またクラウドゲームのGeForce NOWのパートナーを多数紹介しています。

Professional Visualization 305百万ドルから324百万ドル +6%

製造業、公共部門、高等教育、ヘルスケアから需要が強かったほか、モバイルワークステーションの売上が11%伸びました。
NVIDIA RTXグラフィックとMax-Qテクノロジにより薄型軽量高性能のモバイルワークステーションはこの分野での新しいカテゴリーになることを期待しているとのことです。

Datacenter 792百万ドルから726百万ドル -8%

売上高は前年同期比では-8%でしたが、前四半期比で+11%と回復しています。
ハイパースケールデータセンター向けで好調でした。
AIや機械学習の分野での採用や取り組みを報告したほか、NVIDIA EGX Intelligent Edge Computing Platformの発表を報告しています。

Automotive 172百万ドルから162百万ドル -6%

レガシーインフォテインメントシステムの収益が低調な他、自動車業界の市況の影響を受けています。


見通し


2020年度Q4

売上高 29億5000万ドル +-2%
GAAP及びnon-GAAPのgross marginsがそれぞれ64.1%と64.5% +-50basis points
GAAP及びnon-GAAPの営業費用は、それぞれ約10億2,000万ドルおよび805百万ドルと予想されています。

株価と指標


2019年11月14日の時点で209.85ドルです。


予想PER(コ):29.34倍
PBR:12.48倍
予想配当利回り(コ):0.31%
Nvidiaの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


決算は良かったですが、見通しはやや弱めです、ただ今回の決算のように大きく予想を上回れれば問題ないですが。
データセンターやゲーミングのセグメントで回復傾向にあるのは心強いですが、株価もそれなりに上昇しておりあまり割安感はないかなと個人的には思っています。


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