2019年11月29日金曜日

コスト削減で黒字化 Tesla, Inc. (TSLA) 2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


テスラ(Tesla, Inc.)(旧名:Tesla Motors, Inc.)は電気自動車のModel XやS、普及価格帯のModel3を設計・開発・製造・販売しています。 また電気自動車のバッテリーや技術を利用した電力備蓄やソーラー発電システムの開発・設計・製造・販売及び賃貸をしています。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月23日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 3Q実   6.824B   2.9
2020 3Q実 
  6.303B
   1.86
2020 3Q予
  6.34B
  -0.42

(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りましたが、EPSは予想を上回り黒字化しています。
ただ売上高・EPS共に前年同期比では減少しています、主に普及価格帯のモデル3に需要が移行したことが要因です。


セグメント情報


3Q前年同期比

Automotive revenue(自動車売上高)  6,099百万ドルから5,353百万ドル -12%
Automotive gross margin – GAAP(調整後売上総利益) 25.8%から22.8%

前年同期比で見ると売上高、営業利益は悪化していますが、営業利益は2019Q1で12.5%同Q2で14.5%でしたの徐々に改善傾向であるほか利益面でも黒字転換しています。
主に生産や配送コストの削減が功を奏しました。

Energy generation and storage revenue(発電・貯蔵売上高)

399百万ドルから402百万ドル +1%

太陽光発電の導入が進みました。
また Solar, Solar Roof, Powerwallなどの展開を進めていくとのことです。

Services and other 327百万ドルから548百万ドル +67%

車両販売が拡大するにつれ同セグメントに含まれる車両の修理および保守サービスやその他のサービス、中古車や下取り車の販売の増加で売上高は拡大していますがコストも上昇しており利益面での貢献はありません。

またTopicではGigafactory Shanghaiでの試験製造を行ったほか年内にEuropean Gigafactoryの場所を発表する予定です。
モデル Yは2020年夏に生産開始予定しており、直近に発表があったCYBERTRUCKは色んな意味で注目を集めました。


見通し


Vehicle Deliveries
  • 季節による変動は予想されるが順次及び毎年増加を予想。
  • 今年は36万件を超える納入実績を見込んでいます。
Cash Flow
  • 四半期フリー・キャッシュ・フローは一時的な例外が発生する可能性があるものの今後はプラスを予想
Profitability
  • GAAP純利益は一時的な例外が発生する可能性があるものの今後はプラスを予想
Product
  • Gigafactory Shanghaiでのモデル3の試作を実施。生産も前倒しを予定しています。
  • モデルYは2020年夏の発売を予定しており、Tesla Semiの2020年内の限定生産を計画しています。
  • 2021年に生産の開始を予定しているEuropean Gigafactoryの場所をまもなく発表することを望んでいます。


株価と指標


2019年11月27日の時点で331.29ドルです。


予想PER(コ):62.51倍
PBR:9.87倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Teslaの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想
(会) 会社予想 


総評と感想


いい決算でした、特に同社は高価格帯のModel SやModel Xから普及価格帯のModel3に需要が移行するなかで収益性が悪化しておりここ2四半期は赤字が続いていました、今回の決算で黒字化できたことはサプライズでした。
ただ今回の決算を受けて株価は上昇しており時価総額はGMやFordを上回っています、また前年同期比では減収減益ですので今後Model YやCYBERTRUCKなど新モデルや中国の展開で収益の拡大に期待したいところです。

2019年11月27日水曜日

Microsoft TeamsとSlack Technologies, Inc. (WORK)

少しの前のニュースですがMicrosoftはOffice 365 のサービスでチャット、ビデオ会議、ファイルストレージや他のアプリケーションとの連携を可能にするMicrosoft Teamsのアクティブユーザー数が2,000万人を超えたと発表しています。
今年の7月の時点では1300万人でした。

この発表を受けて同社の競合であるSlackを提供するSlack Technologies, Inc. (WORK)の株価は11月19日に大きく下落する局面もありました。
Slackのアクティブユーザーは9月の時点で1200万人でした。


ただしSlack CEOのStewart Butterfield氏はCNBCでMicrosoft TeamsとSlackのアクティブユーザー数の定義の違いを指摘したほか、Skype for BusinessのユーザーがMicrosoft Teamsに引き継がれたと発言しています。
またSlackの方がMicrosoft Teamよりユーザービリティや機能面で優れているという意見もあります。
ただしSlackは直近の2020年Q2決算では冴えないガイダンスを提供したこともあり上場時は40ドルを超える株価を付けた場面もありましたが今は半値近くになっています。
同社はMicrosoft TeamsのほかFacebookが提供するWorkplaceなどとも競合しており同社の事業環境は厳しいとの見方や意見があります。
Slackの株価はそういった意見を払しょくできないとなかなか厳しいかなと個人的にも思っています。


2019年11月26日火曜日

高い成長を維持 Anaplan, Inc. (PLAN) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


同社はSaaS型のFP&Aプラットフォーム「Anaplan」を提供する企業で、同社のプラットフォームは財務、販売、サプライチェーン、マーケティングなど各部門での計画や実績の管理を容易にし部門間で連携を高めながら計画立案・実績管理を迅速に行えるとしています。
同社のプラットフォームは中期計画、年次計画の計画業務、営業計画、供給計画、販売予測、インセンティブ報酬などを始め、あらゆる部門でのビジネス計画をサポートします。
多くのビジネス計画のサポートするため同社はAnaplan App Hubから事前に構築された独自のアプリケーションを提供するほか、ユーザー自身がコーディングの知識がなくても簡単にアプリを構築できるサービスを提供しています。
また同社のアプリケーションはクラウド上から提供されます。

決算内容



2020年度の第3四半期決算(2019年8月~2019年10月)は11月21日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 3Q実   62.014M   -0.18
2020 3Q実 
  89.41M
   -0.08
2020 3Q予
  86.35M
   -0.12

(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比+44%で、サブスクリプション収益は前年同期比で+47%でした。
計算済請求額は前年同期比+59%の1億1400万ドルでした。
年間収益が250,000ドルを超える顧客は324で前年同期比で+42%でした。


セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません

見通し


2020年度第4四半期のガイダンス

売上高は9650万ドル~9750万ドル
non-GAAP営業利益率 -14~-15%

2020年度第通期のガイダンス

売上高は346百万ドル~347百万ドル (従来339~343百万ドル)
non-GAAP営業利益率 -17~-18% (従来-19.5~20.5%)

株価と指標


2019年11月25日時点で53.59ドルです。


予想PER(コ):N/A倍
PBR:24.10倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Anaplanの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想
(会) 会社予想 

総評と感想


いい決算でした。
特に同社は売上高成長率があまり下がっていないのは素晴らしいですね。
また通期ガイダンスも連続で上方修正しておりまだ利益は出ていないですが投資妙味はありそうに思います。

2019年11月24日日曜日

Exxon Mobil Corporation (XOM)は250億ドルの資産売却を目指す?

ロイターによると
引用
米石油大手エクソンモービル(XOM.N)が欧州、アジア、アフリカで最大250億ドル相当の石油・ガス田を売却する計画であることが、3人の銀行筋の話で明らかになった。過去数十年間で最大の資産売却となる見通しで、少数の大型プロジェクトに注力するために資金を確保する狙いがある。
https://jp.reuters.com/article/exclusive-exxon-idJPKBN1XV2O9

と報道されています。
この売却でエクソンモービルはガイアナ、モザンビーク、パプアニューギニア、ブラジル、米国のパーミアン盆地の開発の資金を確保できるとしています。
エクソンの広報はコメントを控えたとのことです。
正式な発表ではないですし期限も不明ですが現在エクソンは2021年までに150億ドルの資産売却を予定しており、報道が事実なら資産の更なる売却を目指していることになります。
エクソンは現在、新規開発への投資を拡大しており売却自体はポジティブな内容だと思います。

2019年11月20日水曜日

利益半減 Walgreens Boots Alliance, Inc. (WBA) 2019年度4Q決算を振り返る

会社概要


ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは米国を中心としたドラッグストアを中心とするヘルスケアサービスを提供している会社で2014年ウォルグリーンがアライアンスブーツを買収し欧州にも事業を拡大しました。
同社のセグメントは以下の三つになります。

小売り薬局(米国)
米国のWalgreensおよびDuane Reaseブランドのドラッグストアや介護サービス、専門薬局を運営しています。
また昨年競合のRite aid社から店舗1900店を買収しています。

小売り薬局(国際)
Bootsブランド中心にイギリス、メキシコ、チリ、タイ、ノルウェー、アイルランド共和国、オランダ、リトアニアの合計8ヵ国で薬局中心の小売店を運営しています。
また独自のブランド商品やWebやモバイルサービスを通じた販売等も行っています。

製薬卸売
アライアンスヘルスケアブランドを中心に特殊医薬品、ジェネリック医薬品、健康および美容製品、在宅医療用品および器具等の卸売りおよび薬局およびその他ヘルスケアサービスを提供しています。

決算内容


2019年度の第4四半期決算(2019年6月~2019年8月)は10月28日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 4Q実   33.442B   1.48
2019 4Q実 
  33.954B
   1.43
2019 4Q予
  33.9B
   1.41

(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPSともに予想を上回りました。
ただGAAP 純利益は前年同期比で半減しています。
前年にPremise Healthの売却による利益があった他、コスト改革マネジメントプログラムの影響を受けています。
また全体的にみても営業利益や純利益は厳しい内容が続いています。
また前回と同じ1株当たり0.4575ドルの四半期配当を宣言しています。
配当は11月18日に記録されている株主に12月12日支払われます。



セグメント情報


4Q前年同期比

Retail Pharmacy USA(小売薬局アメリカ)

売上高 260億ドル(前年同期比+2.1%)
調整後営業利益 11億ドル(前年同期比-12.2%)

薬局の売上増加もあり売上高は増加しましたが、店舗投資やデジタル投資、人件費の増加や前年の一時的な利益による反動もあり二桁の営業利益の減少でした。
またコスト改革マネジメントプログラムの費用を含まれる調整前の営業利益は-30.3%の7億ドルでした。
一時要因が多かったこともありますが営業利益は通年を通してみても今年は厳しい環境でした。
買収したRite Aidの店舗は同社にとって少なからず重荷になった部分もありますね。

Retail Pharmacy International(小売薬局インターナショナル)

売上高 27億ドル(前年同期比-6.3%)
営業利益 調整後営業利益 1億9,400万ドル(前年同期比-23.8%)

主に為替の影響が-4.7%ありそれを除くと-2.1%の売上高減でした、英国Boot社の厳しい事業環境を反映しています。
ただ厳しい事業環境ですがBoots UKは小売市場でシェアを維持しているとのことです。

Pharmaceutical Wholesale(医薬品卸売業)

売上高 57億ドル(前年同期比+3.1%)
調整後営業利益 2億2,900万ドル(前年同期比+3.7%)

為替の影響を除く売上高は、新興市場と英国に牽引されて+7.9%でした。
また営業利益の面ではAmerisourceBergenの収益が貢献しました。

見通し


  • 2020年度の調整後EPSはFlat


  • コスト改革マネジメントプログラム 
    • 22年までに年間18億ドル以上のコスト削減目標



株価と指標


2019年11月19日時点で61.45ドルです。


予想PER(コ):9.98倍
PBR:2.34倍
予想配当利回り(コ):2.95%
Walgreens Boots Allianceの現在の株価と指標

 (コ) コンサンス予想 (会) 会社予想


総評と感想


予想を上回る決算でしたがWalgreensにとっては厳しい一年になりました、Brexit問題などでBoot社が非常に厳しい事業環境だったほか、Rite Aidの買収した店舗は同社にとっては多すぎたように見えます。
ただ同社にはLBOの噂が報道されており株価もそれを受けて直近ではやや上昇しています、ただ500億ドルを超える時価総額などもあり実現には懐疑的な見方もあります。
そういった理由もあり株価は予想しにくい状況ではありますが業績的に見ても2020年度の調整後EPSは横ばいを予想しているので来季もあんまりといった感じですね。

2019年11月18日月曜日

Intel Corporation(INTC)は新GPUを発表

Intelは2019年11月17日にSC19のIntel HPC Developer Conferenceでコード名「Ponte Vecchio」と呼ばれる XeアーキテクチャのHPC/AIアクセラレーション向けに最適化された汎用GPUと複数のアーキテクチャ間の統一された標準ベースのプログラミングモデルのOneAPI発表しました。
https://newsroom.intel.com/news-releases/intel-unveils-new-gpu-architecture-optimized-for-hpc-ai-oneapi/#gs.gt51zy


Ponte VecchioはIntelの7nmテクノロジーで製造され、HPCおよびAIワークロード向けに最適化されたIntel初のXeベースのGPUです。
IntelのFoveros 3DおよびEMIBパッケージを活用し、高帯域幅メモリ、Compute Express Link相互接続、およびその他の知的財産を含むパッケージ内の複数のテクノロジを備えています。
同GPUを導入したAuroraスーパーコンピューターはアルゴンヌ国立研究所で採用され2021年までの納入を予定しています。


今回Intelのスパコン向けGPUの詳細が紹介されました、同分野では現在NVIDIA Corporation(NVDA)がリードカンパニーですが、Intelの参入で競争が激しくなりそうですね。
1年以上先ですが今回の新GPUでIntelのData Center Groupのセグメントの成長に期待したいところです。

2019年11月17日日曜日

高成長だが HUYA Inc. (HUYA) の2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


HUYAは2018年5月にニューヨーク証券取引所に上場した中国最大のゲームライブストリーミングプラットフォームです。
日本では同様のサービスとしてはAmazonが買収したTwitchが有名です。
同社はライブ配信大手YYからスピンオフした企業です。
近年e-sportsやゲーム配信の人気の煽りを受けゲームを配信ないし視聴するという文化が根付きつつあります、特に中国はライブストリーミング市場が急成長しておりHUYAはその恩恵を受ける立場になります。 同社の利益は有料会員ならびにゲーム内のアイテム販売、チケット、広告収入などがあります。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は11月12日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   185.876M   0.08
2019 3Q実 
  316.898M
   0.12
2019 3Q予
  305.03M
   0.11

(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+77.4%と高成長を維持していますが、前期の93.6%からはやや低下したかなと思います。
夏休みのシーズンであったためeスポーツトーナメントが集中したことや、モバイル戦略の実行により、モバイルMAUの成長を加速しました。

ライブストリーミング収入は3Q前年同期比の1,276.6百万人民元から2,265.1百万人民元+77.4%
広告及びその他収入が3Q前年同期比の60.1百万人民から109百万人民 +81.3%になりました。

モバイルアプリのHuya Liveの月平均アクティブユーザーの指標であるAverage mobile MAUは3Q前年同期比の4,940万から6380万人に+29.1%増加しました

HUYAプラットフォーム全体の月平均アクティブユーザーの指標であるAverage MAUは3Q前年同期比の9900万から1億4610万+47.6%に増加しました。

何らかの有料アイテムを1回以上購入または利用した有料ユーザー総数は3Q前年同期比の420万人から530万人+28.5%に達しました。

セグメント情報


同社は単一セグメントのため、記載はありません。

見通し


2019年第3四半期(Q3)の売上高が2,340~2,420百万人民元 +55.5~60.8%になると予想しています。

株価と指標


2019年11月15日の時点で22.44ドルです。


予想PER(コ):28.77倍
PBR:5.48倍
予想配当利回り(コ):N/A%
HUYAの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想


総評と感想


予想を上回る決算でした。
ただ引き続き高い成長を実現している反面、やや市場の成熟さも感じています。
今後東南アジアおよびラテンアメリカで展開しているNimo TVなどの海外投資やライブコミック動画などの非ゲーム部門が収益に貢献できるかが鍵かなと思います。
事業環境の面では近年急速にユーザーを増やしており一部eスポーツトーナメントの放送権を獲得しているショートビデオSNSのKuaishouとの競争に関する質問もありました。
Kuaishouのe-sportsに関する取り組みは初期の段階なので今すぐの影響は小さいですが注目しておく必要がありそうです。
株価や指標的には中国株であることを考慮しても個人的には割安かなと思いますが、ボラティリティは高めですね。

2019年11月15日金曜日

復調傾向ではあるが NVIDIA Corporation(NVDA) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


Nvidiaは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは

PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。

今Nvidiaが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvidiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvidiaのGPUが有利であり、そのためNvidiaのGPUが好んで使われています。 
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。 同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがNvidiaが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではNvidiaがリードしてるという意見もあります。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2019年8月~2019年10月)は11月14日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 3Q実   3.181B   1.84
2020 3Q実 
  3.014B
   1.78
2020 3Q予
  2.92B
   1.58
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は-5%とEPSは-3%でした。
前期比で特にデータセンターやゲーミングのセグメントで回復しました。
また1株当たり0.16ドルの次の四半期現金配当を発表しています、権利日が2019年11月29日で配当支払い日が2019年12月20日になります。
同社は、Mellanox Technologies、Ltdの買収を終了した後、自社株の買い戻しに戻る予定です。
買収は欧州連合や中国の規制機関の承認が順調に進めば今年の終わりまで完了を予定しています。


セグメント情報


売上高3Q前年同期比

Gaming 1,764百万ドルから1,659百万ドル -6%

デスクトップゲームとノートブックゲームで期待を上回る強さでした。
レイトレーシングの多数のタイトルが発売されたことやGeForce RTXシリーズはデスクトップゲームGPUの収益2/3以上を占めていることを報告しています。
また新製品のGeForce GTX 1660 Superおよび1650 SuperやShield TVとShield TV Pro発表しています。
またクラウドゲームのGeForce NOWのパートナーを多数紹介しています。

Professional Visualization 305百万ドルから324百万ドル +6%

製造業、公共部門、高等教育、ヘルスケアから需要が強かったほか、モバイルワークステーションの売上が11%伸びました。
NVIDIA RTXグラフィックとMax-Qテクノロジにより薄型軽量高性能のモバイルワークステーションはこの分野での新しいカテゴリーになることを期待しているとのことです。

Datacenter 792百万ドルから726百万ドル -8%

売上高は前年同期比では-8%でしたが、前四半期比で+11%と回復しています。
ハイパースケールデータセンター向けで好調でした。
AIや機械学習の分野での採用や取り組みを報告したほか、NVIDIA EGX Intelligent Edge Computing Platformの発表を報告しています。

Automotive 172百万ドルから162百万ドル -6%

レガシーインフォテインメントシステムの収益が低調な他、自動車業界の市況の影響を受けています。


見通し


2020年度Q4

売上高 29億5000万ドル +-2%
GAAP及びnon-GAAPのgross marginsがそれぞれ64.1%と64.5% +-50basis points
GAAP及びnon-GAAPの営業費用は、それぞれ約10億2,000万ドルおよび805百万ドルと予想されています。

株価と指標


2019年11月14日の時点で209.85ドルです。


予想PER(コ):29.34倍
PBR:12.48倍
予想配当利回り(コ):0.31%
Nvidiaの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


決算は良かったですが、見通しはやや弱めです、ただ今回の決算のように大きく予想を上回れれば問題ないですが。
データセンターやゲーミングのセグメントで回復傾向にあるのは心強いですが、株価もそれなりに上昇しておりあまり割安感はないかなと個人的には思っています。


2019年11月13日水曜日

データーセンター向けが復調 Intel Corporation(INTC) 2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


インテルはパソコン・サーバー向けに半導体を提供するメーカーです。
他にも、自動車向け衝突防止補助システムのモービルアイの買収を始め、自動運転や5Gなどの様々な分野を強化、参入しています。 特にサーバや家庭用パソコン向けのCPUが主力です。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月24日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   19.163B   1.4
2019 3Q実 
  19.19B
   1.42
2019 3Q予
  18.05B
   0.11
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
また2期ぶりに売上高が前年を上回り四半期では過去最高でした。
特にデーターセンター向けの半導体の復調が牽引しました。


セグメント情報


売上高 3Q前年同期比

Client Computing(CGC) 10.2Billionから9.7Billion -5%

商業セグメントが引き続き堅調で高価格帯の製品が好調でしたが、供給の制約の影響を受けました。
同社はこの問題に今年度悩まされ続けています。
10nmの製品と量産をアピールしていますが、今後供給の制約が改善されるかが焦点でしょうか。


Data Center Group (DCG) 6.1Billionから6.4Billion +4%

第2世代Xeon Scalable製品が好調でした。
Enterprise & Gov(企業及び官公庁向け)とComms SP(通信サービスプロパイダー)、Cloud SP(クラウド企業)全てで前年比より増加しています。
米中貿易摩擦で企業が早めに製品の確保に動いたことやクラウド企業からの需要の回復も寄与しています。


Internet of Things Group (IOTG) 919millionから1Billion +9%

小売および運輸部門の好調をでしたが、営業利益は利益率の低い製品へ売上がシフトしており減少しています。

Mobileye 191millionから229million +20%

ADAS(先進運転システム)の採用が増加しました。

Non-Volatile Memory Solutions Group (NSG)  1.08billionから1.29 billion +19%

売上高は大きく増加しましたがNAND価格の低下や一時要因もあり営業利益は大きくマイナスになっています。

Programmable Solutions Group (PSG) 496millionから507million +2%

ワイヤレス及び5G分野で好調でしたがクラウドとエンタープライズで一部相殺しています。
最初の10nmベースのIntel®Agilex™FPGAを出荷を報告しています。


見通し


2019年Q4

  •  売上高 192億ドル 前年同期比+3%
  •  Operating Margin ~ 33.5% 前年同期比-2PPT
  •    EPS 1.24 前年同期比-3%
データセンターから前年同期比で+6~8の売上高成長を見込んでいます。
ただPC向けは横ばいからやや下を予想しています。


2019年通年

  •  売上高 710億ドル(従来予想695億ドル) 
  •  Operating Margin ~ 32.5%(従来予想32%)
  •    EPS 4.60(従来予想4.40)
前回に引き続き通年の見通しを上方修正しています。
データセンターからは横ばいからやや上。PC向けからは横ばいからやや下を予想しています。


株価と指標


2019年11月12日の時点で58.20ドルです。


予想PER(コ):12.44倍
PBR:3.41倍
予想配当利回り(コ):2.16%
Intelの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想 


総評と感想


決算良かったです。
同社は今年Data Center Groupのセクターで落ち込みがありましたが今回駆け込み需要的なものも発生したとはいえ、前年同期比でプラスになったのはポジティブかなと思います。
ただ懸念としては供給の問題は完全解決されておらずClient Computingのセグメントに影響を与えていることや営業利益がややどうかなといった感じです。
決算後株価は上昇していますが、個人的には指標面ではまだ割高感はなく投資を検討してもいいかなと思っています。

2019年11月10日日曜日

フリーキャッシュフローが改善 General Electric Company (GE) 2019年度3Qを振り返る

会社概要


ゼネラル・エレクトリックはアメリカは代表するコングロマリット企業ですが近年は業績不振のため会社再建中です、 GEは発電機や航空機エンジン、タービン、ヘルスケア、照明などなど書ききれないくらいの多数の工業製品やそれに付帯するサービスなどを提供する企業ですが直近では事業の選択と集中を進めています。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月30日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   29.573B   0.14
2019 3Q実 
  23.36B
   0.15
2019 3Q予
  22.93B
   0.11
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年比で大きく売上高が落ち込んでいますがこれはWabtec及びBaker Hughesの売却を始め事業を売却・縮小した影響です。
またnon-GAAPのEPSは黒字ですがGAAP-EPSは保険の追加積立金、Baker Hughesの株式売却と非連結化に伴う損失、のれんの減損などで94億ドルの赤字でした。


セグメント情報


3Q前年同期比

POWER(電力)

 受注
    3,864百万ドルから5,522百万ドル -30%
 売上高
  4,559百万ドルから3,926百万ドル -14%
 利益
  -676百万ドルから-144百万ドル

引き続き昨年の原子力発電システムの受注の反動を受けています。
ただガスタービン事業の受注も減少しており、まだ同社の電力事業は苦しい印象です。

Renewable Energy(再生可能エネルギー)

 受注
  3,859百万ドルから5,016百万ドル+30%
 売上高
  3,920百万ドルから4,425百万ドル +13%
   利益
  116百万ドルから-98百万ドル 

主に陸上風力発電機が牽引しました、また送電事業を前回からこのセグメントに組み入れていることも影響しています。
利益面はジョイントベンチャーの統合、レガシー契約の損失拡大、研究開発投資の増加、関税、および価格設定の影響で引き続き赤字が続いています。
また新製品のCypress(陸上風力発電)の受注とHaliade-X(洋上風力発電)の最初の2つの優先供給契約を発表しています。

Aviation(航空)
 
 受注
  9,128百万ドルから8,796百万ドル -4%
 売上高
  7,480百万ドルから8,109百万ドル +8%
   利益
  1,655百万ドルから1,718百万ドル +3%

LEAPエンジンの納入が増加しましたがCFM56エンジンは大きく減少していす。
ボーイング737 MAXの運行停止の影響も受けています。

Healthcare(ヘルスケア)

 受注
      5,090百万ドルから5,141百万ドル +1%
 売上高
  4,707百万ドルから4,923百万ドル +5%
 利益
  861百万ドルから974百万ドル +13%

主にライフサイエンスの成長が牽引しました。
ヘルスケアシステムは日本とラテンアメリカで成長しましたが中国と中東での圧力がありました。


GE Captial(金融)

   Capital continuing operations(継続資本)
  -645百万ドル
 discontinued operation(廃止事業)
  -18百万ドル
   GE Capital Earnings (利益)
      -663百万ドル

主に米国の年次保険の積立金を引き当てことで損失が発生しています。
GEキャピタルは、当四半期に20億ドルの資本資産の削減を完了し、年間で合計36億ドルになりました。


見通し


GEはフリーキャッシュフローの見通しを上方修正しました。

2019年度通年

  • 売上高(Non-GAAP) 一桁台半ばの増加 
  • 調整GEの産業利益率 Flatから約100bp
  • 調整後産業フリーキャッシュフロー 0億ドルから20億ドルに (従来 -10~10億ドル)
  • 1株あたりの調整後利益(Non-GAAP) 0.55ドルから0.65ドル
  • 産業再編費用  11~14億ドル


またGEは、2020年には産業フリーキャッシュフローがプラスになると予想しており、2021年にはさらに加速すると予想しています。

株価と指標


2019年11月8日の時点で11.52ドルです。


予想PER(コ):17.19倍
PBR:3.60倍
予想配当利回り(コ):0.04%
GEの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


フリーキャッシュフローの見通しを2期連続で引き上げたこともあり株価は上昇しています。
ボーイング737 MAXや関税の懸念もありましたが、電力事業以外の事業は堅調ですね。
まだ改革半ばですが同社の事業改革は進んでいるように見えます。

2019年11月9日土曜日

引き続きTinderが順調に推移 Match Group Inc.(MTCH) 2019年度3Qを振り返る

会社概要


Match Group, Inc.は2015年InterActiveCorpからスピンオフした企業で様々な出会い系サービスを提供しています。 同社190ヵ国以上42言語でサービスを提供しており、Tinder、Match、PlentyOfFish、Meetic、OkCupid、OurTime、Pairsなど需要や国に応じてさまざなサービスを提供しています。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月28日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   443.943M   0.39
2019 3Q実 
  541.493M
   0.51
2019 3Q予
  540.57M
   0.42
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+22%でEPSもそれに伴って増加しました。
引き続きTinderの堅調な成長が寄与しています。
またIACからの完全なスピンオフを計画しています。


主力アプリTinderの売上高は前年同期比+49%、加入者数は+38%、ARPUは+9%でした。


自社ブランドの平均加入者数は前年同期比+19%でNorth America及びInternationalで前期よりそれぞれ成長が加速しています。


Tinderのユーザー参加型の映像作品のSwipe Nightの紹介やHingeやOK Cupid、ChispaとBLKの成長などの紹介がありました。
Hingeは2020年は収益化の注力する予定です。



1対多数のライブストリーミングのPlenty of FishとTwooと1対1のビデオアプリのabloなど新たに注力しているライブビデオの取り組みの紹介もありました。


セグメント情報


同社は単一セグメントのため、記載はありません。

見通し


2019年度第4四半期
  •  売上高 545~555百万ドル 為替の影響込み
  •  調整済みEBITDA 205~210百万ドル
為替や投資費用の増加を見込んでいますが前年同期比と同程度の利益率を予想しています。

2019年度通年
  • 売上高及び調整済みEBITDAがそれぞれ10%後半の収入増 
また調整後EBITDAは年初から6000万ドルの費用がグローバル展開のための投資とマーケティング費用及び法律や規制、フランスのデジタルサービス税からマイナスの影響を受けています。

2020年度(preliminary)
  • 売上高及び調整済みEBITDAがそれぞれ10%半ばから後半の収入増 
また継続的な投資やIACからのスピンオフに関連して1000万ドル程度の費用を見込んでいます。


株価と指標


2019年11月9日の時点で69.08ドルです。


予想PER(コ):35.07倍
PBR:85.18倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Matchの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


決算後、特に弱い第4四半期の見通しを嫌気して株価げ下落する局面もありましたが、その後株価は回復しています。
個人的にも見通しの下限値でも前年同期比で+19%の売上高成長ですので特に問題ではないかなと思います。
懸念としては同社のスピンオフによりIACから負債の移転と特別配当の内容が含まれていることでしょうか。
同社のビジネスは順調に推移していると思いますがIACからのスピンオフについては気を払っておく必要があるかなと思います。

2019年11月7日木曜日

ASML Holding(ASML) 中国への半導体装置の輸出保留

日経によると
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51849370W9A101C1FFE000/

ASMLが中芯国際集成電路製造(SMIC)に対して納入予定だったEUV露光装置をストップしていると報じられています。
米国からの事業への圧力を懸念しているとしています。

またロイターの報道によると
https://jp.reuters.com/article/asml-china-idJPKBN1XH01H

EUV装置の一つが中国向けの輸出許可の期限が失効しておりオランダ政府に更新を申請していると報道しています。

ASMLが米中貿易戦争の煽りを受けているとの日経の報道です。
情報をまとめると保留しているEUV装置の数は1台ですが、そもそも装置自体が1台1億ドル以上することや直近のQ3決算でもEUV装置は7台で売上比率が30%超えているのでもし遅れが長引けば短期的には決算にも影響がでる可能性があります。
ただEUV装置は代替が利かず、売上の大半は台湾やアメリカ、韓国なので中長期的な影響はあまり大きくないとは思いますが、今後の流れを注視したいと思います。



2019年11月6日水曜日

費用が増加 Alphabet Inc. (GOOG) 2019年3Q決算を振り返る

会社概要


アルファベット(GOOG)は持株会社でGoogleの親会社です。 Googleは検索サービスGoogleやAndroid Os、Youtube、クラウドサービスなど様々なITサービスを提供しています。 AlphabetはGoogle以外にもスマートホーム(Nest)、バイオテクノロジー(Verily)、ブロードバンド(Google Fiber)、自動運転(Waymo)など様々な新興企業を保有しています。 また収益の95%以上はGoogleからによるものです。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月28日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   33.74B   13.06
2019 3Q実 
  40.499B
    10.12
2019 3Q予
  40.29B
   12.42
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を上回りましたが、EPSは予想を下回りました。
売上高は前年同期比で+20%で、EPSは前年同期を下回りました。
モバイル検索、YouTube、およびクラウドサービスが収益に寄与しましたが、人件費などのコスト増加が利益を押し下げました。


セグメント情報


売上高  3Q前年同期比

Google properties revenues(Googleの収入)

24,054百万ドルから28,647百万ドル +19%

Google Network Members' properties revenues(Googleネットワークメンバーの収入)

4,900百万ドルから5,269百万ドル +8%

Google advertising revenues(Google広告収入)上記二つを足したもの

28,954百万ドルから33,916百万ドル +17%

Google other revenues(Googleその他収入)

4,640百万ドルから6,428百万ドル +39%

Google segment revenues (Googleセグメントの収入) Google advertising revenues+Google other revenues

33,594百万ドルから40,344百万ドル +20%

Other Bets revenues(その他収入)

146百万ドルから155百万ドル +6%

営業利益 3Q前年同期比

Google operating income(Google営業利益)

9,490百万ドルから10,865百万ドル +14%

Other Bets operating loss(その他営業利益[損失])

-727百万ドルから-941百万ドル

広告事業ではモバイル広告が好調でした、Google other revenuesではGoogle CloudとGoogle Playが成長に寄与しました。
Other Bets revenuesでは引き続き収益の大半をFiberとVerilyが生み出している他、Waymoの最新の自動運転の取り組み、Wingの商用ドローン配送サービスに言及していました。
またTAC(トラフィック獲得コスト)は前年同期比で+14%の75億ドルでした。
モバイル広告の増加でクリック数が増加したほか単価の面では下げ止まりが見られます。


見通し


公表された業績の見通しはありません。

株価と指標


2019年11月5日の時点で1,292.03ドルです。



予想PER(コ):23.84倍
PBR:4.58倍
予想配当利回り(コ):N/A%

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


主にEPSが悪かったことで一時決算後売られる場面もありましたがその後再び株価上昇しています。
売上高は安定的に成長しており、また非広告事業の伸びも目立っており同社のビジネスは順調だと個人的には思っています。
現在Alphabetに投資しており今回の決算を受けても投資指針に変更はありません。

Walgreens Boots Alliance, Inc. (WBA)に非公開化の噂

ロイターによると
https://www.reuters.com/article/us-walgreens-boots-m-a-exclusive/exclusive-walgreens-has-explored-taking-drug-store-chain-private-sources-idUSKBN1XF2CE

匿名の情報でWalgreensはここ数カ月、世界最大級の未公開株投資会社数社と、史上最大規模のレバレッジド・バイアウトをまとめるための予備協議を行っている。
またEvercore Partnersに合併が可能かどうかの調査を依頼しています。
ただし多くのPE企業は資金調達と同社のビジネスの見通しを懸念しているとのことです。

Walgreensにレバレッジド・バイアウトするかもといった報道をロイターが報じていますが、ただ500億ドルを超える時価総額や160億ドルの債務、低調な企業業績がこの問題を困難にしていると指摘する声も多くあります。
またBarronではウォーレン・バフェット氏がWalgreensを買うべきだとの記事もありました。
何にせよWalgreensに投資しているので株価が上昇している分には嬉しいですがあんまり詳しくもないですし何とも言えないです。

2019年11月5日火曜日

ガイダンス上方修正も株価冴えない Lyft, Inc.(Lyft) 2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


Lyftはアメリカとカナダにライドシェアリングサービスを提供する会社でアメリカではUberに次ぐ2番手のライドシェアサービスの会社です。 同社のサービスはスマートフォンのアプリケーション通じ目的地が同じ等の移動ニーズのあるドライバーとユーザーをマッチングさせ目的地についた時点でユーザーがドライバーを評価、料金の支払いをスマートフォンのアプリケーション上で行うサービスです。 Lyftは2019年3月29日にNasdaq市場に上場しました。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は10月30日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   585M   -11.41
2019 3Q実 
  955.598M
    0.41
2019 3Q予
  912.26M
   -1.67
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高成長率は前年同期比で+63%でした。



また利益の面では前年同期の-249,2百万ドルから-463,5百万ドルと損失が拡大していますが、そのうち2019年3月の上場に伴う株式報酬とそれに伴う費用が246.1百万ドルですのでこれらの一時費用を除けば利益面でも改善しています。


アクティブライダーは前年同期比で17.4万人から22.3万人 +28%
アクティブライダー1人あたりの収入は33.63ドルから42.82ドル +27%
とそれぞれ前年同期比で増加しましたがアクティブライダーが前期の+43%に比べると今回の+28%はやや減速感が強いかなと思います。


またサブスクリプションサービスのLyft Pinkや乗車距離を分割してコストを節約できるShared Saverや空港利用者向けのFast MatchなどLyftはアプリやサービスの利便性向上をアピールしていました。

セグメント情報


同社は単一セグメントのため、記載はありません。

見通し


2019Q4

売上高 975~985百万ドル
調整後EBITDA損失 160~170百万ドル

2019通年

売上高 35.7~35.8億ドル (前回34.7~35億ドル)
調整後EBITDA損失 708~718百万ドル (前回850~875百万ドル)

また2021年第4四半期には調整後EBITDAで利益を上げれると予想しています。


株価と指標


2019年11月4日時点で42.83ドルです。


予想PER(コ):N/A倍
PBR:4.26倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Lyftの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


決算良かったです。
前回の2Qに引き続き予想を上回る決算だったほかガイダンスを引き上げています。
ただ普通であれば株価は大きく上昇しても不思議ではないですが、決算後もやや株価はどうかなといった感じです。
引き続き投資家は同社に対する規制上のリスクや利益面で信用しきれていないといったところでしょうか。
個人的にはいい決算であることや利益面である程度見通しが示されたことで投資妙味はありそうかなと考えますが、まぁ今後の株価予想は難しいですね。

2019年11月4日月曜日

GoogleはFitbit,Inc.(FIT)を買収

Fitbitによると
https://investor.fitbit.com/press/press-releases/press-release-details/2019/Fitbit-to-Be-Acquired-by-Google/default.aspx

11月1日にFitbit,Inc.(FIT)はGoogle LLCから1株当たり7.35ドルでの買収に最終合意することを発表しました。
買収は現金で行われ株主による承認や規制当局の承認を得て2020年に完了を予定しています。
最終的な取引額は21億ドルです。
またこの買収で個人情報がGoogle広告に利用されることもなく、他社に販売することもないとし情報の透明性を維持するとしています。

直近に買収観測がありましたが、今回正式に合意できたようです。
ただ観測記事からほとんど期間がたっていないことや取引成立するかも不透明とのことだったので今回の合意には個人的にはやや驚いています。

しかしGoogleはNestしかりHTCのスマートフォン部門しかり、ハードウェア事業を企業買収で強化してきたので買収そのものは驚きではないですが。
前回Fossileから一部知財の買収も行っており、今後何らかの形でGoogleブランドのスマートウォッチが発売される可能性は高そうです。

ただFitbitのスマートウォッチはFITBIT OSという独自のOSを搭載しており、FITBIT OSがフィットネス志向に対してGoogleがスマートウォッチ向けに提供しているWearOSはどちらかと言えばビジネスライクな印象があります。
当面は平行して展開されることが予想されますが、どういう形で統合ないし展開していくかはGoogleにとって簡単な問題ではなさそうかと個人的には思っています。

Counterpoint Researchによるとスマートウォッチ分野ではAppleのAppleWatchが35.8%と競合を大きく突き放すシェアを獲得しており、またAppleの直近決算でも同分野が含まれるWearables,Home and Accessoriesセグメントが急成長しており、今回の買収でGoogleも中・長期的には同分野での存在感の向上に期待したいと思います。


2019年11月3日日曜日

利益は半減も予想は上回った Exxon Mobil Corporation (XOM)2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は11月1日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   76.605B    1.46
2019 3Q実 
  65.049B
    0.68
2019 3Q予
  64.79B
    0.67
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上まりました。
ただ前年同期比では売上高、EPS共に大きく減少しています。
原油安や化学部門の不調の影響を受けています。
また前回と同じ1株あたり0.87セントの配当を発表しました。
配当権利日は2019年11月12日で支払日は2019年12月10日なります。



セグメント情報


利益3Q前年同期比 

Upstream

4,229百万ドルから2,168百万ドル -48%

原油及び天然ガスの価格低下や成長関連費用の増加の影響を受けました。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

3,786から3,899 +3%

パーミアン盆地からの生産量が増加しました。

またガイアナ沖の石油発見やノルウェーの石油事業売却を報告しています。

Downstream

1,642百万ドルから1,230百万ドル -25%

定期メンテナンスやマージンの悪化の影響を受けましたが前四半期の451百万ドルと比べ業績は回復しています。
主に供給逼迫と欧州とアジアのマージン改善を理由に挙げています。

Chemical 

713百万ドルから241百万ドル -66%

ポリエチレンとアロマティクスは業界全体の供給の能力増加によりマージンが低下しています。
また費用増加も重なりました。

見通し


2019年Q4

Upstream
  • 季節的なガス需要の増加と生産の増加
  • ノルウェーの事業売却が規制当局の承認を得られた場合、12月に売却を完了し約35億ドルの収益の増加
Downstream
  • IMO 2020の規制に対応するためのメンテナンスの費用増加
Chemical 
  • 供給過剰によるマージンへの圧迫の継続

ただしDownstream、Chemical共に今四半期よりは改善が見込まれます。




株価と指標


2019年11月1日時点で69.60ドルです。


予想PER(コ):17.62倍
PBR:1.54倍
予想配当利回り(コ):5.15%
Exxonの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


引き続き厳しい事業環境が続いていると言えますが、市場予想は上回ったことで株価的にはやや反発しています。
原油安やChemical事業の供給過剰などで今後も厳しい状況は続くかなと思われますが、同社のポートフォリオの更新や高い配当利回りを考えると長期的には投資妙味はあるかなと個人的には考えます。
現在Exxon株を保有していますし、今回の決算で方針の変更も考えていません。

Blog休止と今後のお知らせ

何故か分からないですが、現在Blogger上のサイドバーが下に表示されており設定を一部変更してみましたが直らないのと、同サイト自体がスマホ用のレイアウトに対応していないことが前々から気になっておりこれを機にサイト移転を計画しています。 多少お時間頂くと思いますが、移転の際には改め...