2019年11月3日日曜日

利益は半減も予想は上回った Exxon Mobil Corporation (XOM)2019年度3Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2019年度の第3四半期決算(2019年7月~2019年9月)は11月1日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2018 3Q実   76.605B    1.46
2019 3Q実 
  65.049B
    0.68
2019 3Q予
  64.79B
    0.67
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上まりました。
ただ前年同期比では売上高、EPS共に大きく減少しています。
原油安や化学部門の不調の影響を受けています。
また前回と同じ1株あたり0.87セントの配当を発表しました。
配当権利日は2019年11月12日で支払日は2019年12月10日なります。



セグメント情報


利益3Q前年同期比 

Upstream

4,229百万ドルから2,168百万ドル -48%

原油及び天然ガスの価格低下や成長関連費用の増加の影響を受けました。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

3,786から3,899 +3%

パーミアン盆地からの生産量が増加しました。

またガイアナ沖の石油発見やノルウェーの石油事業売却を報告しています。

Downstream

1,642百万ドルから1,230百万ドル -25%

定期メンテナンスやマージンの悪化の影響を受けましたが前四半期の451百万ドルと比べ業績は回復しています。
主に供給逼迫と欧州とアジアのマージン改善を理由に挙げています。

Chemical 

713百万ドルから241百万ドル -66%

ポリエチレンとアロマティクスは業界全体の供給の能力増加によりマージンが低下しています。
また費用増加も重なりました。

見通し


2019年Q4

Upstream
  • 季節的なガス需要の増加と生産の増加
  • ノルウェーの事業売却が規制当局の承認を得られた場合、12月に売却を完了し約35億ドルの収益の増加
Downstream
  • IMO 2020の規制に対応するためのメンテナンスの費用増加
Chemical 
  • 供給過剰によるマージンへの圧迫の継続

ただしDownstream、Chemical共に今四半期よりは改善が見込まれます。




株価と指標


2019年11月1日時点で69.60ドルです。


予想PER(コ):17.62倍
PBR:1.54倍
予想配当利回り(コ):5.15%
Exxonの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


引き続き厳しい事業環境が続いていると言えますが、市場予想は上回ったことで株価的にはやや反発しています。
原油安やChemical事業の供給過剰などで今後も厳しい状況は続くかなと思われますが、同社のポートフォリオの更新や高い配当利回りを考えると長期的には投資妙味はあるかなと個人的には考えます。
現在Exxon株を保有していますし、今回の決算で方針の変更も考えていません。

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