2019年12月14日土曜日

大幅な増配も Broadcom Inc. (AVGO) 2019年度4Q決算を振り返る

会社概要


ブロードコムの製品ポートフォリオは、有線インフラストラクチャ、無線通信、エンタープライズ・ストレージ、産業用の4つを主要なエンド市場として製品を提供しています。幅広い製品ポートフォリオには、セットトップ/CMTS向け、ケーブル・モデム、PON/DSL、イーサネットNIC、フィルターやアンプ、ASIC、ワイヤレス接続ソリューション、組み込み型プロセッサ、HDD/SSDコントローラ、エンタープライズSAS/SATA/ファイバ・チャネル接続、データ・センター・スイッチやルーター、光学絶縁/モーション・エンコーダ/LED、光ファイバーソリューション向け各種半導体があります。
データセンターをはじめとする通信インフラや産業機器、モバイル機器等々様々な製品やインフラにブロードコムの製品が使われています。
また2018年に企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを買収しておりソフトウェア企業としての側面もあります。

決算内容


2019年度の第4四半期決算(2019年8月5日~2019年11月3日)は12月12日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 4Q実   5.448B   5.85
2020 4Q実 
  5.76B
   5.39
2020 4Q予
  5.73B
   5.36

(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
Non-GAAP
実 実績
予 予想


売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+8%でしたがEPSは前年同期で減少しています。
第4四半期中に11億ドルの現金配当を含む16億ドルの株主に還元しました。
また1株当たり3.25ドルの四半期ごとの現金配当を承認しました。
前回の2.65ドルの配当と比較すると20%を超える増配になりました。
ネットワーキング事業やCA Technologiesの統合、成長の恩恵を受けましたが半導体事業は全体的に低調でした。

セグメント情報


4Q前年同期比

Semiconductor solutions

4,874百万ドルから4,553百万ドル -7%

前年同期比で-7%でしたが、前期比では+5%でした。
ネットワーキング事業は好調でしたが、その他すべて半導体事業は前年比で減少しています。
特にWiFi 6への移行もありブロードバンド事業が低調です。

Inflastructue softwear

513百万ドルから1,200百万ドル +134%

インフラストラクチャソフトウェアセグメントは前年同期からの大幅な増加はCA Technologiesの統合によるものですが、前期から+5%と堅調に推移しておりCA事業は引き続き好調です。
また引き続きSANスイッチング事業は低調です。

見通し


2020年度の見通し
  • Non-GAAP 通年売上高 ほぼ250億ドル +-5億ドル
  • 調整済みEBITDA 13.75億ドル +-250百万ドル

買収したSymantec Enterprise Securityビジネス部門の貢献は約18億ドルを予想しています。

株価と指標


2019年12月13日時点で315.42ドルです。


予想PER(コ):12.36倍
PBR:5.84倍
予想配当利回り(コ):3.23%
Broadcomの現在の株価と指標

 (コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想

総評と感想


予想を上回る決算でしたし大幅な増配もありましたが、半導体事業の回復は低調ですね。
また2020年度の売上高の見通しは250億ドル +-5億ドルですが、Symantec Enterprise Securityビジネス部門からの貢献18億ドルを除くと232億ドル +-5億ドルですので2019年度の226億ドルと比べると横ばいから一桁から前半の成長率ですので数字としてはあまりと個人的には思っています。
ただ直近では米中で貿易協議の第一段階の合意があるなど外部環境の変化が半導体事業にプラスになることを期待したいですし、株主還元にも積極的なので更に株価下落するなら投資妙味もあるかなと個人的には思っています。

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