Nvidiaは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは
PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。
今Nvidiaが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvidiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvidiaのGPUが有利であり、そのためNvidiaのGPUが好んで使われています。
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。
同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがNvidiaが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではNvidiaがリードしてるという意見もあります。
決算内容
2020年度の第1四半期決算(2019年2月~2019年4月)は5/16日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2019 1Q実 | 3.207B | 2.05 |
2020 1Q実 |
2.22B
| 0.88 |
2020 1Q予 |
2.2B
| 0.79 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
前年同期比で売上高、EPSは大幅に下回っています、引き続きデータセンター向けの需要の低迷や仮想通貨からのマイニング需要の消失の影響を受けています、しかしゲーミング用GPUの持ち直したこともあり予想は上回る決算でした。
セグメント情報
売上高
(1Q前年同期比)
Gaming 1,723百万ドルから1,055百万ドル -39%
仮想通貨のマイニング需要の反動の影響があり前年同期比で大きなマイナスですが、前四半期の954百万ドルからは増加しています。
過剰在庫が緩和されつつあるほか、TURINGアーキテクチャの中価格帯GeForceのニューモデルを発売したことで状況がやや改善しています。
今後ゲーミングノートPC市場の成長やCPUの供給の制約が緩和されることを追い風と予測しています。
Professional Visualization 251百万ドルから266百万ドル +6%
ワークステーションが好調でした特に公共部門、石油、ガス、製造業で需要が大きかったほか、AI / AR / VRなどの新しいテクノロジーの市場拡大の恩恵も受けています。
Datacenter 701百万ドルから634百万ドル -10%
超大型顧客からの需要に一部回復したが、全体的にみると低調なままです。
しかし機械学習向けは順調に増加したほか、Mellanoxを1株当たり125ドルで現金で取得することを発表しました。
Automotive 145百万ドルから166百万ドル +14%
自動運転の市場拡大の恩恵を受けています。
OEM&IP 387百万ドルから99百万ドル
仮想通貨マイニングの反動の影響を受けています。
また引き続き、NVIDIAは2019年度第4四半期に行われた7億ドルの自社株買いを含む2020年度末までに30億ドルを株主に還元する予定としています。
見通し
2019年Q2
- 収益は25億5000万ドル +-2%
- GAAP及びnon-GAAPのgross marginsがそれぞれ59.2%と59.5% +-50basis points
- GAAP及びnon-GAAPの営業費用は、それぞれ約985百万ドルおよび765百万ドルと予想されています。
株価と指標
2019年5月17日時点で156.53ドルです。
予想PER(コ):21.89倍
PBR:9.79倍
予想配当利回り(コ):0.35%
Nvidiaの現在の株価と指標
(コ) コンサンス予想
(会) 会社予想
総評と感想
予想を上回る決算でした、また2019年Q2の見通しも前年同期比では減少していますが今回の決算の数字と比べるとかなり強気な予想に思います。
ただし強気な見通しを達成できるかは個人的に懐疑的です、データーセンター減少し続けていますしゲーミングのセグメントも底打ち感は見えますが前四半期比でかなりの増加が必要に思います。
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