ゼネラル・エレクトリックはアメリカは代表するコングロマリット企業ですが、最近では業績不振のためDow30構成銘柄から外されるなどネガティブなニュースが多い企業です。 GEは発電機や航空機エンジン、タービン、ヘルスケア、照明などなど書ききれないくらいの多数の工業製品やそれに付帯するサービスなどを提供する企業ですが直近では事業の選択と集中を進めています。
決算内容
2019年度の第1四半期決算(2019年1月~2019年3月)は4/30日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2018 1Q実 | 28.66B | 0.16 |
2019 1Q実 |
27.286B
| 0.14 |
2019 1Q予 |
27.05B
| 0.09 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高、EPSともに予想を上回りました、工業部門のキャッシュの流出額は12億2000万ドルと市場予想の29億ドルを下回るなど久しぶりに市場の予測を上回る決算だった印象です。
主にGE TransportationのWabtecへの売却が寄与しました。
セグメント情報
(1Q前年同期比)
POWER(電力)
受注
5,562百万ドルから4,800百万ドル -14%
売上高
7,222百万ドルから5,659百万ドル -33%
利益
273百万ドルから80百万ドル -71%
火力発電所の閉鎖やガスタービンの需要低迷が続きました。
Renewable Energy(再生可能エネルギー)
受注
2,423百万ドルから2,448百万ドル+1%
売上高
1,646百万ドルから1,604百万ドル -3%
利益
77百万ドルから-162百万ドル
利益は2018年の契約解除、清算の悪影響を受けました。
それらの影響を除いても洋上風力発電設備のHaliade-Xの研究開発投資の増加、関税、合弁会社の連結、および価格設定の影響を受けました。
Aviation(航空)
受注
8,114百万ドルから8,707百万ドル +7%
売上高
7,112百万ドルから7,954百万ドル +12%
利益
1,603百万ドルから1,660百万ドル +4%
引き続き航空エンジンが好調でしたが新エンジンへの移行でやや利益率が低下しています。
Oil&Gas(石油&ガス)
受注
5232百万ドルから5695百万ドル +9%
売上高
5385百万ドルから5670百万ドル +7%
利益
210百万ドルから247百万ドル +18%
やや去年の年末に原油価格が下がっていたのでどうかなと思っていましたが堅調でした。
Healthcare(ヘルスケア)
受注
4,731百万ドルから4,931百万ドル +4%
売上高
4,702百万ドルから4,683百万ドル flat
利益
735百万ドルから781百万ドル +6%
Healthcare部門のBioPharma事業のDanaherへの売却は2019年Q4を予定しています。
GE Captial(金融)
Capital continuing operations(継続資本)
135百万ドル
discontinued operation(廃止事業)
35百万ドル
GE Capital Earnings (利益)
171百万ドル
同四半期に11億ドルの資産を削減し20億ドルの対外債務を返済しました。
GEは引き続きこの部門の縮小に取り組んでいます。
見通し
GEは2019年をリセットと位置づけており多くの改革や部門売却を予定しています。
基本的には3月に行われた電話会議の内容から変更はありません。
残りのWabtecの株式やBHGE、BioPharmaの売却を予定しています。
またソフトウェアの問題が発覚したBoeing 737 MAXについてもリスク要因として挙げています。
株価と指標
2019年5月2日の時点で10.25ドルです。
予想PER(コ):14.24倍
PBR:2.54倍
予想配当利回り(コ):0.38%
GEの現在の株価と指標
(コ) コンサンス予想 (会) 会社予想
総評と感想
予想を上回る決算で株価は上昇していますがまだ改革半ばというか初めの方ですね電力事業が依然として厳しいのは変わらないですし、2020年にフリーキャッシュフローをプラスにするという同社の目標にも課題が多く残っているように思います。
個人的には投資の判断自体が難しいかなと思いました。
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