2019年5月26日日曜日

赤字転落で厳しい事業環境かTesla, Inc. (TSLA) 2019年度1Q決算を振り返る

企業概要 

テスラ(Tesla, Inc.)(旧名:Tesla Motors, Inc.)は電気自動車のModel XやS、普及価格帯のModel3を設計・開発・製造・販売しています。 また電気自動車のバッテリーや技術を利用した電力備蓄やソーラー発電システムの開発・設計・製造・販売及び賃貸をしています。

決算内容

2019年度の第1四半期決算(2019年1月~2019年3月)は4/25日に発表され以下のようになりました。


  売上高     EPS
2019 1Q実   3.409B    -3.35
2020 1Q実 
  4.541B
    -2.90
2020 1Q予
  5.44B
    -0.66
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPSは予想を大きく下回り、3四半期ぶりの赤字を計上するなど失望する決算でした、モデル3の生産、引き渡しは順調だった一方、海外輸出に時間が掛かっているほか高級モデルのモデルSやXの販売が大幅に減少しました。

セグメント情報

(1Q前年同期比)

Automotive revenue(自動車売上高)  2,735百万ドルから3,723百万ドル +36%
Automotive gross margin – GAAP(調整後売上総利益) 19.7%から20.2%
上記からZEVクレジットと株主報酬を除く(調整後売上総利益) 18.8から20.3%

ZEVクレジットを売却したことで1,500万ドルの収益を認識しました。
売上高、総利益ともに前年同期比では改善していますが前期の2018年Q4ではAutomotive revenueが6,323百万ドル、Automotive gross margin – GAAPが24.3%だったので大きく悪化しています。
主にモデルXやSの販売量の減少や価格改定、それに伴う返品準備金の調整の影響を受けたほかモデル3のgross marginもわずかに悪化しました。

Energy generation and storage revenue(発電・貯蔵売上高)

410百万ドルから325百万ドル -21%

Energy generation and storage gross margin(発電・貯蔵売上総利益)

8.5%から2.4%

太陽光発電事業が低調なことが要因ですね。

またフリーキャッシュフローが転換社債の9億2000万ドルの返済もあり37億ドルから22億ドルに減少しています。

見通し

  • 2019年に36万台から40万台の車両を納入する以前の指針の再確認
  • 2020年6月30日までの12か月間で50万台を超える車両の製造
    • 上海のギガファクトリーの立ち上げが順調に推移し今年の第4四半期に量産を開始すれば年内に50万台の生産の可能性
  • モデルS、モデルX、モデル3の25%の非GAAPベースの粗利益率の目標
  • Model SとModel Xの製品改良と、Model3のグローバル展開の継続により、年間を通じての受注率の増加と生産量の増加。
  • 第2四半期には9万台~10万台の販売台数。

株価と指標

2019年5月24日時点で190.63ドルです。


予想PER(コ):31.77倍
PBR:7.19倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Teslaの現在の株価と指標

(コ) コンサンス予想
(会) 会社予想  


総評と感想


悪い決算でした予想を下回る売上高、EPSだったほかフリーキャッシュフローの減少などネガティブな要因が多かったです。
モデル3のグローバル展開や米国での需要の喚起などを上手く進める必要がありますが、米中貿易摩擦で関税等のネガティブなリスクがあるほか競合他社のEV車の発売も控えておりなかなか厳しい状況が続きそうです。

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