2021年3月12日金曜日

ゲーム・データセンター事業が好調 NVIDIA Corporation(NVDA) 2021年度4Q決算を振り返る

会社概要


Nvidiaは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは

PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。

現在Nvidiaが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvidiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvidiaのGPUが有利であり、そのためNvidiaのGPUが好んで使われています。
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。 同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがNvidiaが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではNvidiaがリードしてるという意見もあります。

決算内容


2021年度の第4四半期決算(2020年10月27日~2020年1月31日)は2月25日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 4Q実   3.105B   1.89
2021 4Q実 
   5.003B
   3.1
2021 4Q予
   4.82B
   2.81
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+61%、EPS+64%それぞれ増加しました。
引き続きDatacenterとGamingの両主力セグメントが好調でした。
またNvidiaは前四半期と同じ普通株式1株当たり0.16ドルの配当を発表しています。


セグメント情報


売上高 4Q前年同期比

Gaming 1,491百万ドルから2,495百万ドル +67% 

引き続きに新しいNVIDIA AmpereアーキテクチャベースのGeForceRTX3000シリーズを販売した恩恵を受けました。
また1月のCESでGeForceRTX3000シリーズを搭載したラップトップを各社から販売すると発表しています。

Professional Visualization 331百万ドルから307百万ドル -8%

前年同期比では減収なものの、一部の顧客で在宅勤務が解除されたことによりデスクトップワークステーション向けの需要が回復し前四半期では+30%の増収になりました。

Datacenter 968百万ドルから1,903百万ドル +97%

同社のA100を搭載したDGX Systemsの好調な売上が成長を牽引しました。

Automotive 163百万ドルから145百万ドル -23%

世界の自動車生産量の継続的な回復と

OEM&Other 152百万ドルから153百万ドル +1%


見通し


2022年度第1四半期見通し
  • 売上高 53億ドル +-2%
  • GAAP及びNon-GAAPのgross marginsがそれぞれ63.8%と66% +-50basis points
  • GAAP及びNon-GAAPの営業費用は、それぞれ16億7,000万ドルおよび12億ドルと予想しています。
  • GAAP及びNon-GAAPのその他収益及び費用はどちらも5,000万ドルと予想しています。
  • 税率 GAAP及びNon-GAAP共に10% +-1%

株価と指標


2021年3月11日時点で519.74ドルです。


予想PER(コ):34.91倍
実績PER:75.32倍
PSR:19.32倍
PBR:19.08倍
予想配当利回り(コ):0.13%
NVIDIAの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
引き続きGamingやDatacenterのセグメントが好調な他、Professional VisualizationやAutomotiveも回復傾向でNvidiaのエコシステムが各種業界で主要な役割を担っていると言えそうです。
ただ同社だけではないですが、半導体の世界的な供給難に陥っておりNvidiaも例外ではなく供給の制約が業績に影響を与えるのかは気になるところです。

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