2020年11月25日水曜日

懸念が残る Nokia Corporation (NOK) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


Nokiaはフィンランドにあるネットワークインフラの構築及び開発ベンダーで世界中の通信キャリアと固定・無線インフラを構築・保守しています。 またそれらに付帯する機器やソフトウェア、技術開発、ライセンス提供を行っています。 Nokiaは過去に携帯電話で世界シェア1位でしたがスマートフォンへの移行に失敗するなどして2013年携帯電話事業をMicrosoftに売却しています、その後NokiaはHMD Globalにライセンス提供をしておりHMD GlobalがNokiaブランドのスマートフォンの製品を提供しています。 2015年にはフランスの同業他社Alcatel-Lucentを買収、併合しています。 同社は5G関連として投資家に注目されており、またHuaweiやZTE一連の騒動の恩恵を得られやすいと期待されています。 NOKIAは米国の企業ではないですがADRという形でニューヨーク証券取引所で売買できます。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年7月~2020年9月)は4月30日に発表され以下のようになりました。

  売上高   EPS
2019 3Q実   6.198B   0.05
2020 3Q実 
   6.187B
   0.06
2020 3Q予
   6.29B
   0.07
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を下回りました。
前年同期比で売上高は-3%で、EPSも0.01ドル減少しました。
Global ServicesやNokia Softwareが売上高減少の要因になりました。


セグメント情報


売上高 3Q前年同期比

Networks 4434百万ユーロから4112百万ユーロ -3%

光ネットワークは増加しましたが、2Gおよび3Gを中心とした旧式のモバイル・アクセスの減少しました。


Nokia Software 677百万ユーロから585百万ユーロ -14%

好調な前年同期比と一部プロジェクトの遅延の影響を受けました。


Nokia Technologies 358百万ドルから331百万ユーロ -8%

ブランドライセンスの減少、一部特許ライセンス契約の期限切れによる影響を受けました。


Group Common and Other 236百万ユーロから275百万ユーロ +17%

工場の閉鎖が解除されたことや旺盛な需要でAlcatel Submarine Networksの売上高が増加した恩恵を受けました。


見通し


2020年度通年 
  • Non-IFRS 希釈化EPS EUR 0.23 +-3%(従来予想 EUR 0.25 +-5%) 
  • Non-IFRS 営業利益率 9% +-1%(従来予想 9.5% +-1.5%)  
  • Recurring free cash flow 6億EUR +-2.5億EUR(従来予想 adjusted from clearly positive)

2021年度通年
  • Non-IFRS 営業利益率 7~10% 

株価と指標


2020年11月24日時点で4.07ドルです。



予想PER(コ):25.17倍
実績PER:15.5倍
PSR:0.85倍
PBR:1.24倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Nokiaの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


悪い決算でした。
売上高・EPSが予想を下回ったこともですが、見通しの下方修正も発生するなど同社が置かれている厳しい環境を反映しているのかなと思います。
今後もアメリカの最大手通信キャリアのVerizonが5GシステムをSamsungと契約するなど厳しい競争環境の影響が予想され、個人的には同社株に投資するのは少し様子見した方がいいかなと思います。

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