2021年4月21日水曜日

アジア回復の恩恵 The Coca-Cola Company (KO) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


The Coca-Cola Companyはコカ・コーラを始めとする飲料メーカーで200カ国以上の国で500以上のブランドを冠した3,800種類以上の炭酸・非炭酸清涼飲料を製造販売しています。 同社のブランドはコカ・コーラ以外にもダイエットコークやAdeS(いろはす)、Fanta、Sprite、ジョージアコーヒー、ミニッツメイドジュースなどを始め消費者に炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁ジュース、水、お茶、コーヒー、乳製品など飲料を提供しています。 近年では健康志向の高まりやコーヒーショップの世界的な流行によりやや同社の炭酸飲料離れの傾向もありましたが、健康志向の製品の投入やイギリスの大手コーヒーチェーンのコスタ・コーヒーの買収を行うなど時代の変化に合わせた経営を行っています。 また投資家からはバフェット銘柄としても知られバフェット氏率いるバークシャーハサウェイが同社の筆頭株主であることは有名です。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2020年1月~2020年4月2日)は4月19日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   8.601B   0.51
2021 1Q実 
   9.02B
   0.55
2021 1Q予
   8.61B
   0.5
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+5%、EPSは+8%それぞれ増加しました。
一部地域での経済再開の恩恵を受けています。


セグメント情報


売上高 1Q前年同期比

Europe, Middle East & Africa(欧州・中東・アフリカ) 1,725百万ドルから1,623百万ドル -6%

Unit caseは-2%でした。
主に在宅以外でのCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受けました。
Price/mixは-5%でした、販売数量減少と価格設定への圧力がありました。

Latin America(ラテンアメリカ) 930百万ドルから909百万ドル -2%

メキシコ、ブラジル、アルゼンチンでスパークリングソフトドリンクが好調でしたが、飲料水の減少によって相殺されUnit caseは前年同期とほぼ同等でした。

North America(北米)  2,850百万ドルから2,937百万ドル 3% 

北米では、fairlife®、Simply®、TopoChico®の好調さの恩恵を受けた他、在宅需要で家庭用のスパークリングソフトドリンクが好調でした。
Price/mixは+4%でした、ジュースおよび乳飲料のブランドの成長の恩恵を受けました。

Asia Pacific(アジア太平洋地域) 1,128百万ドルから1,402百万ドル +24%

中国とインドでの力強い成長が、日本と東南アジアでのCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響によって一部相殺されましたがUnit caseの数量は+9%でした。
Price/mixは-2%でした。
主に成長を牽引したのが新興市場だった影響です。

Global Ventures 573百万ドルから570百万ドル -1%

主にCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響でコーヒーチェーンのCosta Coffeeが悪影響を受けましたが、CostaExpress®マシンの好業績と四半期の5日間の追加の恩恵によって部分的に相殺されました。

Bottling Investments 1,658百万ドルから1,896百万ドル 14%

Unit caseの数量は主にインドと南アフリカでのスパークリングソフトドリンクの堅調な伸びにより+5%でした。
Price/mixはほとんどの市場で価格設定とプロモーションの最適化もあり+5%でした。

Corporate 31百万ドルから17百万ドル -46%

Eliminations -334百万ドルから-294百万ドル


見通し


2021年通期見通し
  • 収益(為替の影響除く) 一桁後半の成長
  • 比較可能なEPS 一桁前半から後半の成長
  • Free Cash Flow 少なくとも85億ドル

株価と指標


2021年月4月21日時点で54.17ドルです。


予想PER(コ):32.44倍
実績PER:23.05倍
PSR:6.98倍
PBR:11.46倍
予想配当利回り(コ):3.11%
The Coca-Cola Companyの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想



良い決算でした。
同社はレストランや商業施設などの外出からの需要は引き続き低調な他、地域ごとに業績はまちまちです。
ただ同社はCOVID-19(新型コロナウィルス)のワクチンの接種と経済の再開が進めば恩恵を受ける可能性があります。
ただし同社はワクチンの接種が遅れている地域での収益も小さくないので見通しは流動的かなと個人的には思っています。

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