2021年4月29日木曜日

ゲーム・クラウド・PC販売が牽引 Microsoft Corporation(MSFT) 2021年度3Q決算を振り返る

会社概要


Microsoftはパーソナルコンピューター向けのオペレーティングシステム「Windows」を開発・提供する会社でまた普段仕事などでMicrosoftOfficeを使用されているかたも多いんではないでしょうか?
特にWindowsとOfficeのイメージが強い同社ですか近年はクラウドサービスのAzureや家庭用ゲーム機のXboxや人気ゲームのHALOシリーズ、タブレット・一体型PCのSurfaceシリーズ、検索サービスのBingなどハード、ソフト問わず幅広い製品やITサービス・ソフトウェアを提供しています。
また企業買収も積極的に行っており、近年で有名な企業だけでもスマートフォンや携帯電話を製造していたNokiaのモバイル部門やコミュニケーションツールのSkype、サンドボックスゲームのMinecraftを開発・提供していたMojang、ソフトウェア開発プラットフォームのGitHubを買収しています。

決算内容


2021年度の第3四半期決算(2021年1月~2021年3月)は4月27日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 3Q実   35.021B   1.4
2021 3Q実 
 41.706B
   1.95
2021 3Q予
   41.03B
   1.78
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+19%、EPSは+39%それぞれ増加しました。


セグメント情報


売上高 3Q前年同期比

Productivity and Business Processes

117億ドルから136億ドル +15%

Office製品はCommercialとConsumerで売上高はそれぞれ+22%と+5%でした。
またMicrosoft365のサブスクライバー数が5,020万人に増加したと報告しています。
Dynamics製品は+26%、クラウドのCRMパッケージのDynamics 365が+45%でした。
LinkedInの売上高は+25%でした


Intelligent Cloud

123億ドルから151億ドル +23%

CloudServiceのAzureの売上高は前年同期比で+50%でした。
Server製品とCloudServiceの売上高は前年同期比で+26%でした。


More Personal Computing

110億ドルから130億ドル +19%

Windows OEMの売上高は前年同期比で+10%でした。
Windows Commercial productsおよびCloudServiceの売上高は前年同期比で+10%でした。
Surfaceの売上高は前年同期比で+12%でした。
トラフィック獲得コストを除く検索広告収入は+17%でした。
Gamingの売上高は前年同期比で+50%でした、新しいXBOXが引き続き牽引しました。
Xboxコンテンツおよびサービスの売上高は前年同期比で+34%でした。
また今四半期にZeniMax Mediaの買収を予定していました。


見通し


2021年度第4四半期
  • Productivity and Business Processes 138億ドルから140.5億ドル
  • Intelligent Cloud 162億ドルから164.5億ドル
  • More Personal Computing 136億ドルから140億ドル
  • COGS(売上原価) 137億ドル~139億ドル
  • 営業費用 131~132億ドル
前年同期でCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響がWindows OEM、Game、Surfaceに恩恵があり来期の成長率にマイナスの影響を予想しています。
検索およびLinkedIn事業では前年同期での広告事業の回復を見込んでいます。


株価と指標


2021年4月28日時点で254.56ドルです。


予想PER(コ):31.43倍
実績PER:34.69倍
PSR:12.00倍
PBR:14.26倍
予想配当利回り(コ):0.86%
Microsoftの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
同社は引き続きCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響もあり企業のデジタル化の恩恵を受けています。
ただし今四半期は為替からの恩恵や若干の営業利益率の低下もあり決算後株価はやや低下しています。


2021年4月28日水曜日

トヨタの子会社はLyftの自動運転車部門を買収へ

Lyftによると

2021年4月26日にトヨタ自動車株式会社の子会社であるWoven Planet Holdings, Inc.はLyftの自動運転車部門であるLevel 5を買収する契約を締結したことを発表しました。
またこの取引にはWoven PlanetがLyftのシステムおよびフリートデータを活用する商業契約が含まれています。

Lyftは、今回の取引により、総額約5億5,000万ドルの現金を受け取ります。
2億ドルは、一定の取引完了調整を条件に前払いされ、3億5,000万ドルは5年間にわたって支払われるとしています。

今回の取引と研究開発費の削減もあり年間1億ドルのNon-GAAPベースの営業費用の削減を見込んでいます。
本取引は、必要な規制当局の承認と慣習的な条件およびその他の終了条件を満たすことを条件に、2021年の第3四半期に完了する予定しています。

2021年4月26日月曜日

データセンター向けが予想を下回る Intel Corporation(INTC) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


インテルはパソコン・サーバー向けに半導体を提供するメーカーです。
他にも、自動車向け衝突防止補助システムのモービルアイの買収を始め、自動運転や5Gなどの様々な分野を強化、参入しています。 特にサーバや家庭用パソコン向けのCPUが主力です。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2021年1月~2021年3月)は4月22日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   19.828B   1.45
2021 1Q実 
   19.673B
   1.39
2021 1Q予
   17.86B
   1.15
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で-1%、EPSは-1%でした。
データセンターセグメントの減収が影響しました。


セグメント情報


売上高 1Q前年同期比

Client Computing(CGC) 9.8Billionから10.6Billion +8%

記録的なノートPCの販売からの恩恵を受けました。


Data Center Group (DCG)  7Billionから5.6Billion -20%

Cloud企業からの需要の減少を受けました。


Internet of Things Group (IOTG) 883millionから914million +4%

RetailおよびIndustrialセグメント分野が好調だったことの恩恵を受けました。

Mobileye 254millionから377million +48%

自動車業界のCOVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミックからの回復の恩恵を受けました。

Programmable Solutions Group (PSG) 519millionから486million -6%

CloudおよびEnterpriseの在庫消化の影響を受けました。


見通し


2021年度第2四半期の見通し
  • 売上高 178億ドル 前年同期比-2%
  • Gross Margin 57% 前年同期比-1%
  • EPS 1.05 前年同期比-8%
データセンターでは今四半期と比べて第2四半期は改善すると予想しています。


2021年度通期
  • 売上高 725億ドル 前年同期比-1%
  • Gross Margin 56.5% 前年同期比-3%
  • EPS 4.60 前年同期比-10%
引き続き強い需要PCを見込んでいますが、業界全体の供給の制約とモデムおよびApple Macからの収益の継続的な減少の影響を予測しています。
データセンターでは下半期の需要の増加を見込んでいます。


株価と指標


2021年4月24日時点で59.24ドルです。


予想PER(コ):12.69倍
実績PER:13.29倍
PSR:3.34倍
PBR:3.00倍
予想配当利回り(コ):2.35%
Intel Corporation (INTC)の現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想


総評と感想


予想を上回る決算でしたが、データセンター向けの減少がやや気になるところです。
同社はデータセンター向けの下半期の回復を見込んでいますがAMDやNvidia、Amazonなどのクラウド事業者の独自ARMプロセッサとの厳しい競争環境もあり個人的には同社の見通し通りに進むかは様子を見たいかなと思っています。

2021年4月24日土曜日

好調な半導体市況の恩恵を受ける ASML Holding(ASML) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


ASMLHoldingは半導体製造装置メーカーで露光装置と呼ばれる半導体に回路を露光する装置を開発、販売、製造するメーカーです。
同社はDUVリソグラフィー、EUVリソグラフィー、ホリスティックリソグラフィーソリューションを含む3つのカテゴリーの製品を販売しています。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2021年1月~2021年4月6日)は4月21日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   2.692B   1.03
2021 1Q実 
   5.262B
   3.86
2021 1Q予
   4.6B
   3.02
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で€ベースで+78.8%、EPSも大幅に増加しました。
全ての半導体セグメントと製品ポートフォリオの高い需要からの恩恵を受けています。
また今回の好調な決算もあり、自社株式購入プログラムの早期完了を期待しています。


指標だとEnd UserではLogicの割合が増加していますが両方で強い需要が継続しています。


また同四半期に9台のEUVシステムを出荷し、今四半期に7台のEUVシステムを収益として計上しています。


セグメント情報


セグメント情報はありません

見通し


2021年度第1四半期
  • 売上高 40億ユーロから41億ユーロ
    • 設置ベースマネジメントの売上高は約9億ユーロ
  • 売上総利益率は約49%
  • 研究開発費は約6億5000万ユーロ
  • 販売管理費は約1億7,500万ユーロ
  • 約14~15%の実効年率税率

株価と指標


2021年4月23日時点で670.91ドルです。


予想PER(コ):43.51倍
実績PER:51.86倍
PSR:17.41倍
PBR:20.44倍
予想配当利回り(コ):0.51%
ASMLの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
世界的に好調な半導体市況の恩恵を受けています。
また同社は今年度の売上高を30%に向かって成長すると予想しており、今後も継続的な成長期待できそうです。

2021年4月21日水曜日

アジア回復の恩恵 The Coca-Cola Company (KO) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


The Coca-Cola Companyはコカ・コーラを始めとする飲料メーカーで200カ国以上の国で500以上のブランドを冠した3,800種類以上の炭酸・非炭酸清涼飲料を製造販売しています。 同社のブランドはコカ・コーラ以外にもダイエットコークやAdeS(いろはす)、Fanta、Sprite、ジョージアコーヒー、ミニッツメイドジュースなどを始め消費者に炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁ジュース、水、お茶、コーヒー、乳製品など飲料を提供しています。 近年では健康志向の高まりやコーヒーショップの世界的な流行によりやや同社の炭酸飲料離れの傾向もありましたが、健康志向の製品の投入やイギリスの大手コーヒーチェーンのコスタ・コーヒーの買収を行うなど時代の変化に合わせた経営を行っています。 また投資家からはバフェット銘柄としても知られバフェット氏率いるバークシャーハサウェイが同社の筆頭株主であることは有名です。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2020年1月~2020年4月2日)は4月19日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   8.601B   0.51
2021 1Q実 
   9.02B
   0.55
2021 1Q予
   8.61B
   0.5
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+5%、EPSは+8%それぞれ増加しました。
一部地域での経済再開の恩恵を受けています。


セグメント情報


売上高 1Q前年同期比

Europe, Middle East & Africa(欧州・中東・アフリカ) 1,725百万ドルから1,623百万ドル -6%

Unit caseは-2%でした。
主に在宅以外でのCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受けました。
Price/mixは-5%でした、販売数量減少と価格設定への圧力がありました。

Latin America(ラテンアメリカ) 930百万ドルから909百万ドル -2%

メキシコ、ブラジル、アルゼンチンでスパークリングソフトドリンクが好調でしたが、飲料水の減少によって相殺されUnit caseは前年同期とほぼ同等でした。

North America(北米)  2,850百万ドルから2,937百万ドル 3% 

北米では、fairlife®、Simply®、TopoChico®の好調さの恩恵を受けた他、在宅需要で家庭用のスパークリングソフトドリンクが好調でした。
Price/mixは+4%でした、ジュースおよび乳飲料のブランドの成長の恩恵を受けました。

Asia Pacific(アジア太平洋地域) 1,128百万ドルから1,402百万ドル +24%

中国とインドでの力強い成長が、日本と東南アジアでのCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響によって一部相殺されましたがUnit caseの数量は+9%でした。
Price/mixは-2%でした。
主に成長を牽引したのが新興市場だった影響です。

Global Ventures 573百万ドルから570百万ドル -1%

主にCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響でコーヒーチェーンのCosta Coffeeが悪影響を受けましたが、CostaExpress®マシンの好業績と四半期の5日間の追加の恩恵によって部分的に相殺されました。

Bottling Investments 1,658百万ドルから1,896百万ドル 14%

Unit caseの数量は主にインドと南アフリカでのスパークリングソフトドリンクの堅調な伸びにより+5%でした。
Price/mixはほとんどの市場で価格設定とプロモーションの最適化もあり+5%でした。

Corporate 31百万ドルから17百万ドル -46%

Eliminations -334百万ドルから-294百万ドル


見通し


2021年通期見通し
  • 収益(為替の影響除く) 一桁後半の成長
  • 比較可能なEPS 一桁前半から後半の成長
  • Free Cash Flow 少なくとも85億ドル

株価と指標


2021年月4月21日時点で54.17ドルです。


予想PER(コ):32.44倍
実績PER:23.05倍
PSR:6.98倍
PBR:11.46倍
予想配当利回り(コ):3.11%
The Coca-Cola Companyの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想



良い決算でした。
同社はレストランや商業施設などの外出からの需要は引き続き低調な他、地域ごとに業績はまちまちです。
ただ同社はCOVID-19(新型コロナウィルス)のワクチンの接種と経済の再開が進めば恩恵を受ける可能性があります。
ただし同社はワクチンの接種が遅れている地域での収益も小さくないので見通しは流動的かなと個人的には思っています。

2021年4月18日日曜日

CRMソフトウェア最大手 Salesforce.com, inc. (CRM)

会社概要


Salesforceは顧客関係管理(以下CRM)に焦点を当てたエンタープライズクラウドコンピューティングソリューションを開発しています。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で主に営業情報の集約、コミュニケーション、商談状況などの情報の管理の一元化を通じて営業活動や経営戦略、マーケティングの支援し顧客生涯価値(LTV)と収益を向上させることができます。
同社はクラウドベースのCRM/顧客管理システムを始めSFA/営業支援システム、MA/マーケティングオートメーションシステムを世界15万社以上に提供しています
また同社はM&Aも積極的に行っておりBIツールを提供しているTableauやチャットツールのSlack、APIの設計・開発・管理のMuleSoftなどを始め大小関わらず多数のIT企業を買収しています。

セグメント情報


同社のセグメントは地域と製品セグメントの2つに分かれており

製品別では
 顧客管理や商談、売上予測、見積作成などを通じて営業活動を支援するSales
 サービスチームの支援やエンゲージメントの向上を支援するService
 APIの連携・設計・開発を支援するMuleSoft Anypoint Platformやデータの一元化と分析 
  を通じて営業・経営戦略をを支援するBIツールを提供するTableauやSalesforceリアルタイ 
 ム共同作業文書、スプ レッドシート、チャットを統合することによりリアルタイムビジネ
 スを促進するQuipなどを始めSalesforce内の業務を拡張する支援アプリやツールやその他 
 ツール・アプリのPlatform & Other
 ECサイトの販売やマーケティングを支援するMarketing & Commerce

直近の2021年Q4の売上比率だと買収した企業の恩恵もありPlatform & Otherの割合がやや高いですが基本的にはSalesforceのアプリやツールは企業のビジネス支援という側面やSaleceforce内のツールやアプリなどであったり相関性が高いのでどれか一つのセグメントだけが特に大きく落ち込んだり成長したりはしない印象です。


地域別では以下の大きく3つの地域に分けられます。
 Americas
 Europe
 Asia Pacific

同じく直近の2021年Q4の地域売上だとどの地域も同程度の売上高成長を達成しています、地域別ではAmericasの売上高比率が半分以上を占めています。


業績推移





売上高は安定した成長をしていますが、営業利益や純利益は財務会計上の処理や企業買収および投資先の上場などの影響もありまちまちです。
ただ営業利益率が低めなのは気になりますね。
また配当はありません。

株価と指標


2021年4月16日時点で231.91ドルです。


 予想PER(コ):55.88倍
 実績PER:52.95倍
 PSR:10.05倍
 PBR:5.14倍
 予想配当利回り(コ):N/A%
 
 (コ) コンセンサス予想

総評と感想


同社は企業規模が拡大しても売上高成長が維持できています。
ただ半面利益率の面ではやや課題が残りますね。
今後も同社は企業のDX化の恩恵を受けそうですが、CRMソフトウェアはSAPやMicrosoftなど複数の事業者が提供しているので常に競争のリスクはあるかなと思います。

2021年4月17日土曜日

NVIDIA Corporation (NVDA)はArmベースのデータセンター向けCPUを発表他Topic

Nvidiaによると

NVIDIAは2021年4月12日に同社のGPU Technology Conference (GTC)で同社初のデータセンターCPUのNVIDIA 「Grace」を発表しました。
「Grace」はArmベースのプロセッサーを採用しており、現在最速のサーバー向けプロセッサーの NVIDIADGX™ベースのシステムの10 倍のパフォーマンスを提供するとしています。


またスイス国立スーパーコンピューティング センター (CSCS) と米国エネルギー省のロスアラモス国立研究所は、国の科学研究活動を支援するために Grace を搭載したスーパーコンピューターを構築する最初の計画を発表しました。

同CPUは2023 年初頭に発売予定です。

他にもNVIDIAはGTCで同社の新しいDPU「BlueField-3」、シミュレーションおよび3D設計プラットフォームの「NVIDIA Omniverse」、自律マシン向けのプラットフォーム「DRIVE AGX Orin」、自動車向け次世代チップ「NVIDIA DRIVE Atlan」、 ArmベースのCPUとNVIDIA GPUとの各種提携などNvidiaの各種プロセッサーと取り組みを発表しました。

NVIDIAはAIや自動運転、DXなど多くの業界での影響力が今後ますます強化されそうです。

2021年4月13日火曜日

Microsoft Corporation(MSFT)は音声認識のNuance Communicationsを買収と発表

Microsoftによると

Microsoftは4月12日にMicrosoftがNuanceを買収するという最終合意に達したと発表しました。
この取引はNuanceの純負債を含む197億ドル相当の全額現金で今年中に買収すると発表しています。
Nuanceは、ヘルスケアプロバイダー向けの会話型AIとクラウドベースのアンビエントクリニカルインテリジェンスのパイオニアで大手プロパイダーです。
また過去にAppleの音声バーチャルアシスタントの「Siri 」の基盤を提供しています。
MicrosoftとNuanceは過去にNuanceの「Nuance Dragon Ambient eXperience(DAX)」を「Microsoft Teams」に統合し遠隔医療を支援するソリューションを提供していました。
この買収でMicrosoftはMicrosoftのヘルスケア向けクラウド製品を強化できると述べています。

2021年4月11日日曜日

好調な半導体市場の恩恵を受ける Broadcom Inc. (AVGO) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


ブロードコムの製品ポートフォリオは、有線インフラストラクチャ、無線通信、エンタープライズ・ストレージ、産業用の4つを主要なエンド市場として製品を提供しています。幅広い製品ポートフォリオには、セットトップ/CMTS向け、ケーブル・モデム、PON/DSL、イーサネットNIC、フィルターやアンプ、ASIC、ワイヤレス接続ソリューション、組み込み型プロセッサ、HDD/SSDコントローラ、エンタープライズSAS/SATA/ファイバ・チャネル接続、データ・センター・スイッチやルーター、光学絶縁/モーション・エンコーダ/LED、光ファイバーソリューション向け各種半導体があります。
データセンターをはじめとする通信インフラや産業機器、モバイル機器等々様々な製品やインフラにブロードコムの製品が使われています。
また2018年に企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを買収しておりソフトウェア企業としての側面もあります。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2020年11月~2021年1月)は3月4日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   5.858B   5.25
2021 1Q実 
   6.655B
   6.61
2021 1Q予
   6.61B
   6.55
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+14%、EPSは+26%それぞれ増加しました。
また前四半期と同じ3.60ドルの四半期を配当を発表しています。
世界的な半導体市場の好調さの恩恵を受けました。


セグメント情報


売上高 1Q前年同期比

Semiconductor solutions

4,191百万ドルから4,908百万ドル +17%

サーバー・ストレージ・コネクティビティ分野でエンドユーザーの需要が低迷した影響を受けましたが、スマートフォンのワイヤレスチップやWi-Fi 6およびのWi-Fi 6Eなどのワイヤレスからの強い需要やクラウドを始めとするネットワーク分野からの恩恵を受けました。

Inflastructue softwear

1,667百万ドルから1,747百万ドル +5%

Symantec社からの事業買収の同セグメントへのプラスの効果は一巡しましたが成長は継続しています。


見通し


2021年度第2四半期
  • 売上高 65億ドル 
  • 調整後EBITDA ガイダンスの収益の59%
第2四半期も今四半期と同等の成長を見込んでいます。

株価と指標


2021年4月9日時点で485.09ドルです。


予想PER(コ):16.75倍
実績PER:56.10倍
PSR:8.02倍
PBR:8.26倍
予想配当利回り(コ):2.97%
Broadcomの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
特に好調なワイヤレスやネットワーキングからの収益の恩恵を受けました。
今後も継続的な半導体市場の好サイクルからの恩恵を個人的には期待したいかなと思います。

2021年4月9日金曜日

コロナ禍の恩恵も Amazon.com, Inc. (AMZN) 2020年度4Q決算を振り返る

会社概要


Amazonは世界最大のショッピングサイト、「Amazon」でお馴染みの企業です。
近年ではクラウドサービス「Amazon Web Services(以下AWS)」が投資家の注目を集めています。
AWSは世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームで仮想サーバーのEC2やデータベースのRDSのストレージのS3を始め90を超えるサービスを提供しています。
同社は上記以外にもKindle、Fireタブレット、Fire TV、Rings、Echoなどのハードウェアの製造・販売やデジタルコンテンツや無料配送のメンバーシップであるAmazon Prime、広告事業、ライブストリーミング配信プラットフォーム「Twitch」、決済サービス、太陽光プロジェクト、インドでのフードデリバリー、ゲームなど多数の事業を展開するビックテック企業です。

決算内容


2020年度の第4四半期決算(2020年10月~2020年12月)は2月2日に発表され以下のようになりました。



  売上高   EPS
2019 4Q実   87.437B   6.47
2020 4Q実 
   125.555B
   14.09
2020 4Q予
   119.7B
   7.23
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+44%でEPSも大きく増加しました。
ホリデーシーズンの記録的売上が貢献しました。


セグメント情報


売上高 4Q前年同期比

North America

    売上高
        53,670百万ドルから75,346百万ドル +40%
    営業利益
        1,900百万ドルから2,964百万ドル +55%


International

    売上高
        23,813百万ドルから37,467百万ドル +57%
    営業利益
        -617百万ドルから363百万ドル 


AWS

    売上高
        9,954百万ドルから12,742百万ドル +28%
    営業利益
        2,596百万ドルから3,564百万ドル +37%


記録的なホリデーシーズンの恩恵やプライム会員からの恩恵を受けました。
AWSは国際的な銀行とコミットメントの恩恵を受けました。
またAmazonの創業者兼CEOのジェフ・ベゾス氏が2020年度3Qに退任し、会長職に就くと発表しました。
後任にはAWSの責任者アンディ・ジャシー氏が就任すると発表しています。

見通し


2020年度第4四半期
  • 売上高 1,000億ドル~1,060億ドル (前年同期比 +33~+40%)
  • 営業利益 30億ドル~65億ドル  前年同期40億ドル
またCOVID-19(新型コロナウィルス)に関連するコストとして20億ドルを見込んでいます。

株価と指標


2021年4月8日時点で3,299.30ドルです。


予想PER(コ):49.93倍
実績PER:78.87倍
PSR:4.30倍
PBR:17.77倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Amazonの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
ホリデーシーズンの記録的なECサイトからの恩恵や引き続きCOVID-19(新型コロナウィルス)とそれに伴う外出規制や自粛からのECサイトやコンテンツへの恩恵を受けました。

2021年4月4日日曜日

Tesla, Inc. (TSLA)は2021年度1Qの新車販売台数を発表

Teslaによると

2021年4月2日にTeslaは2021年度第1四半期の車両の生産台数及び配送(販売台数)を発表しました。
Teslaによると2021年度Q1に180,338台の車両の生産と184,800台の配送(納車)をしたとのことです。
中国でのModelYが好評な恩恵を受けました。

2021年度第1四半期

 製造配送リース会計の対象 
モデルS / X     -2,0206% 
モデル3 / Y180,338182,7807% 
合計179,757184,8007%

今四半期ではモデルSとモデルXのモデルチェンジに伴う生産ラインの更新・立ち上げに伴い製造はモデル3 / Yのみになりましたが好調な製造・配送を達成しました。
懸念として半導体の不足が自動車の生産にも影響を与えており、多くの自動車メーカーで生産調整や生産停止に追い込まれています。
今四半期では大きな影響はTeslaに見られないですが、今後も状況は注視していく必要があるかなと思います。

2021年4月3日土曜日

COVID-19(新型コロナウィルス)の影響続くも Walgreens Boots Alliance, Inc. (WBA) 2021年度2Q決算を振り返る

会社概要


Walgreens Boots Allianceは米国を中心としたドラッグストアを中心とするヘルスケアサービスを提供している会社で2014年ウォルグリーンがアライアンスブーツを買収し欧州にも事業を拡大しました。
同社は薬局、ドラッグストア、製薬卸売などの事業を米国を中心に世界中で展開しています。

決算内容


2021年度の第2四半期決算(2021年12月~2021年2月)は3月31日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 2Q実   35.82B   1.52
2021 2Q実 
   32.779B
   1.26
2021 2Q予
   35.53B
   1.11
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りましたが、EPSは予想を上回りました。
RetailPharmacyInternationalの事業の一部AmerisourceBergenに売却した影響もあり
売上高・EPS共に前年同期比で減少しました。


セグメント情報


2Q前年同期比

AllianceHealthcare事業の売却で同社はセグメントを再編成しています。

United States

売上高 273億ドル +0.4%
調整後営業利益 12億ドル -18.2%

薬局の売上高が前年同期比で̟+4.5%増加しました、咳や風邪、インフルエンザ関連からの収益の減少が一部相殺しました。
小売売上高は前年同期比で-3.5%でした。
たばこと電子タバコ、美容品の販売減少、不採算店の閉店や縮小などの店舗最適化プログラムの影響を受けています。
営業利益は主に薬局の償還圧力とCOVID-19(新型コロナウィルス)の悪影響を受けました。

International

売上高 54億ドル
営業利益 調整後営業利益 1.6億ドル 

前年同期比では従来のPharmaceutical WholesaleセグメントとRetail Pharmacy Internationalセグメントが一緒になっているので単純比較はできませんが合弁事業からの増加分売上高を除くと、為替の影響を除く売上高は-9.9%でした。
主にBootsUKの売上高の減少の影響を受けました。
営業利益もイギリスでのCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受けて為替の影響を除くと-31.8%でした。

見通し


同社は2021年度調整後EPSを従来予想の一桁台前半から一桁台後半の成長に引き上げました。


株価と指標


2021年4月2日時点で54.75ドルです。


予想PER(コ):10.49倍
実績PER:N/A倍
PSR:0.33倍
PBR:2.24倍
予想配当利回り(コ):3.42%
Walgreens Boots Allianceの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


事業売却の影響もあり売上高が減少しました。
またCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響など引き続き課題も見えた決算になりました。
ただ下半期はCOVID-19(新型コロナウィルス)の予防接種プログラムの恩恵やワクチンの普及に伴う客足の回復による業績の回復を個人的には期待したいところですが引き続き予測は難しいかなと思っています。

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