2020年10月19日月曜日

米国の小売売上高が回復 Walgreens Boots Alliance, Inc. (WBA) 2020年度4Q決算を振り返る

会社概要


Walgreens Boots Allianceは米国を中心としたドラッグストアを中心とするヘルスケアサービスを提供している会社で2014年ウォルグリーンがアライアンスブーツを買収し欧州にも事業を拡大しました。
同社は薬局、ドラッグストア、製薬卸売などの事業を米国を中心に世界中で展開しています。

決算内容


2020年度第4四半期決算(2020年6月~2020年8月)は10月15日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 4Q実   33.954B   1.43
2020 4Q実 
   34.746B
   1.02
2020 4Q予
   34.37B
   0.96
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+2.3%でしたがEPSは減少しました。
新型COVID-19(新型コロナウィルス)の影響は残るものの顧客動向に一部改善が見られました。
また四半期ごとの現金配当を+2.2%の増配となる1株当たり46.75セントに引き上げると発表しています。
この増配で同社は45年連続での増配になり、年間配当は1.83ドルから1.87ドルに増加しました。



セグメント情報


4Q前年同期比

Retail Pharmacy USA(小売薬局アメリカ)

売上高 260億ドルから270億ドル +3.6%
調整後営業利益 11億ドルから8億8400万ドル -22.2%

新型コロナウイルス(COVID-19)やコスト改革マネジメントプログラムの悪影響はあったものの、小売事業や薬局・専門薬局で売上高が増加しています。
営業利益は主に製品の販売構成やサプライチェーンのコスト上昇の悪影響を受けました。



Retail Pharmacy International(小売薬局インターナショナル)

売上高 27億ドルから23億ドル -15.4%
営業利益 調整後営業利益 1億9400万ドルから-300万ドル

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が引き続き続いていますが、前四半期はよりは改善傾向です。
特にイギリスでの売上高の減少の影響を受けました。
ECのBoots.comは今四半期+155%の売上高成長と大きく成長しました。


Pharmaceutical Wholesale(医薬品卸売業)

売上高 57億ドルから60億ドル +4.3%
調整後営業利益 2億2,900万ドルから2億4500万ドル +8.3%

為替の影響を除く売上高は、ドイツとフランスに牽引されて+4.3%でした。
調整後営業利益は、主に売上高成長と原価管理を反映して、+8.3%でした。


見通し


同社は2021年度調整後EPSで一桁台前半の成長を見込んでいます。
来季の第1四半期は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を引き続き受けると予想していますが、その後緩やかな回復を予想しています。


株価と指標


2020年10月16日時点で37.41ドルです。


予想PER(コ):7.56倍
実績PER:71.94倍
PSR:0.24倍
PBR:1.53倍
予想配当利回り(コ):5.00%

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


同社は今年度は厳しい環境でした。
ただ今四半期は予想を上回る決算で状況の改善も見られました。
引き続き新型コロナウイルス(COVID-19)は世界的に猛威を振るっており影響は見定める形にはなると思いますが、同社の見通し通り回復傾向に向かえば株価的にも回復が期待できるかなと思います。








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