会社概要
Advanced Micro Devices(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPYC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。
決算内容
2019年度の第4四半期決算(2019年10月~2019年12月)は1月28日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2018 4Q実 | 1.419B | 0.08 |
2019 4Q実 |
2.127B
| 0.32 |
2019 4Q予 |
2.11B
| 0.31 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高、EPS共に予想をやや上回りました。
前年同期比で売上高は+50%、EPSも大きく増加しました。
RyzenおよびEPYCプロセッサーで市場シェアを獲得したと発表しています。
セグメント情報
4Q前年同期比
Computing and Graphics(コンピューティングとグラフィック部門)
売上高 986百万ドルから1,662百万ドル +69%
営業利益 115百万ドルから360百万ドル +213%
第4四半期の売上高は前年同期比+69%でした。
Ryzenプロセッサの採用が進んだことで出荷台数及びASPが大幅に増加しました。
過去6年間で最高のクライアントプロセッサーの出荷台数だったとのことです。
またGraphicsでは新しいRDNAアーキテクチャを採用したRadeon RX 5000シリーズGPUの販売に牽引され、第4四半期の出荷台数は前年同期比で2桁増加した他、デーセンター向けのGPUも好調でした。
Enterprise, Embedded and Semi-Custom(エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門)
売上高 433百万ドルから465百万ドル +7%
営業利益 -6百万ドルから45百万ドル
引き続きEPYCプロセッサーが好調でしたがセミカスタムの不調が一部相殺しました。
セミカスタムはSonyとMicrosoftのコンシュマーゲーム機の製品サイクルの影響を受けており、2020年度も第1四半期は引き続き低調な見通しですが、第2四半期から下半期にかけては収益が大幅に増加すると予想しています。
サーバー事業は第2世代EPYCプロセッサーに対する高い需要もあり好調でした。
AMDは中期的に2桁のシェアという目標の達成に向けて順調に進んでいるとのことです。
見通し
2020年度第一四半期
売上高 18億ドル ±50百万ドル
Non-GAAP Gross Margin ~46%
Non-GAAP Operating expenses ~580百万ドル
2020年度通期
売上高 28~30%の売上高増加
Non-GAAP Gross Margin 45%
Non-GAAP Operating expenses ~28%
Taxes 税引前利益の約3%
株価と指標
2020年2月7日の時点で49,37ドルです。
予想PER(コ):31.68倍
PBR:20.58倍
予想配当利回り(コ):N/A%
AMDの現在の株価と指標
(コ) コンセンサス予想 (会) 会社予想
総評と感想
良い決算でした。
ただ保守的な見通しを嫌気して決算後はやや同社株は売られる局面もありました。
ですがゲーム機向けのセミカスタム以外のビジネスは好調ですし、ゲーム機向けも2020年後半には次世代機にモデルチェンジを予定していることから2020年度はAMDにとっては業績的には良い年になるんではないかと個人的には期待しています。
ただリスクとしては株価は昨年かなり上昇していることや、中国を中心に感染が拡大しているコロナウイルスの影響が気になるところです。
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