企業概要
エヌビディアは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは
PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。
特に今エヌビディアが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvdiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvdiaのGPUが有利であり、そのためNvdiaのGPUが好んで使われています。
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。
同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがエヌビディアが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではエヌビディアがリードしてるという意見もあります。
決算内容
2019年度の第3四半期決算(2018年8月~10月)は11/15日に発表されました。
売上高 | EPS | |
2017 3Q | 2.636B | 1.33 |
2018 3Q実 |
3.181B
|
1.84 |
2018 3Q予 |
3.24B
|
1.71 |
売上高は予想を下回りましたがEPSは予想を上回りました。
セグメント情報
売上高
(3Q前年同期比)
Gaming 1,561百万ドルから1,764百万ドル +13%
Professional Visualization 239百万ドルから305百万ドル +28%
Datacenter 501百万ドルから792百万ドル +58%
Automotive 144百万ドルから172百万ドル +19%
OEM&IP 191百万ドルから148百万ドル -23%
仮想通貨向けのGPUの売り上げが減少してOEM&IP部門が減少していますがその他は順調に推移しています。
特にデーターセンター向けの売上高の伸びが凄まじいです。
また配当を一株当たり0.15ドルから0.16ドルに増配しています。
2020年末までに30億ドルを株主に還元する予定です。
見通し
2019年度第4四半期の見通しは以下のようになるとのことです。
・売上高は27億ドル(プラスまたはマイナス2%)
・GAAPと非GAAPの粗利益率はそれぞれ62.3%と62.5%
・GAAPおよび非GAAPベースのその他の収益および費用は、ともに約2100万ドルの収入となる見込みです。
・GAAPおよび非GAAPの税率は、個別の項目を除いて、8%、プラスまたはマイナス1%となる見込みです
株価と指標
2018/11/16時点で164.43ドルです
予想PER(コ):20.68倍
PBR:10.82倍
予想配当利回り(コ):0.29%
Nvdiaの現在の株価と指標
(コ) コンサンス予想
(会) 会社予想
総評と感想
3Qはともかく4Qの予想で売上高が前年同期比で減収になるのが嫌気されて株価が暴落しています。
競合他社のAMDもそうですが、仮想通貨のマイニング需要でGPUの需要が逼迫し、その後増産した分が仮想通貨市場で需要が急減し過剰在庫の状態に陥っています。
またニンテンドースイッチが去年年末から今年にかけて品薄でしたが現在は落ち着いているのでその影響もあるかもしれません。
過剰在庫の問題は1、2四半期中に解消されるとのことですがそれまでは厳しい状態が続くかもしれません。
ただ機械学習や自動運転向けのプロセッサーで同社の優位性が失われた訳でなく4Qの減収は一時的な調整かなと思いますが2020年度の1Qくらいまではやや厳しい決算になるかなと思いました。
他には今年導入された米政府によるGPUを含む中国製品への追加関税の影響を受けることになるとのことです。
株価は個人的には割安だと思ますが、高値から半値近くまで調整しており苦しい相場が続きそうです。
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