2021年2月21日日曜日

巨額の減損 Exxon Mobil Corporation (XOM) 2020年度4Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2020年度の第4四半期決算(2020年10月~2020年12月)は2月2日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 4Q実   67.173B   0.41
2020 4Q実 
   46.54B
   0.03
2020 4Q予
   48.76B
   0.01
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回り、EPSは予想を上回りました。
売上高・EPS共に前年比で大きく減少しました。
EPSはNon-GAAPでは黒字化していますが米国の天然ガス事業など193億ドルの減損を発表しておりそれらを含んだGAAP-EPSは-4.70ドルでした。


セグメント情報


売上高 4Q前年同期比

Upstream

6,137百万ドルから-18,532百万ドル

主に天然ガス事業の減損で大きく収益が悪化しました。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

4,018から3,689  -329

生産量は政府からの減産義務と定期メンテナンスの影響でやや減少しました。

Downstream

898百万ドルから-1,211百万ドル

燃料マージンの歴史的な低水準などマージンの低さが収益性を悪化させています。

Chemical 

-353百万ドルから691百万ドル 

自動車や梱包材などの需要回復の恩恵でポリエチレンの売上高が大きく伸びるなど恩恵を受けました。

見通し


Upstream

季節的なガス需要の影響により、生産量は~140Kebd増加の見込み

Downstream

需要は今四半期と同水準と見込んでいます。


Chemical 

主要市場における需要の増加を見込んでいます。

株価と指標


2021年2月19日時点で52.37ドルです。


予想PER(コ):16.11倍
実績PER:N/A倍
PSR:1.22倍
PBR:1.25倍
予想配当利回り(コ):3.48%
Exxon Mobilの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


同社にとって2020年度は厳しい一年になりました。
ただ同社は現在の配当を支払いと設備投資を行うのに必要なブレント価格は1バレル50ドルとしており、これに対して現在のWTI原油は1バレル60ドル前後で推移しておりこの価格が続いて同社を信じるのであれば配当を維持できる計算です。
また噂にあったシェブロンとの統合交渉について決算説明会で噂にコメントしないとしつつもシナジーや補完関係にある会社のM&Aは一貫して取り組んでいくとしています。
個人的には今後の同社の業績回復に期待したいですが、アメリカの民主党政権化の環境対策強化やクリーンエネルギーの推進、世界的なESG投資の推進の流れもあり株価的には逆風の要素も少なくないかと思います。



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