2021年2月9日火曜日

ゲーム機向けからの恩恵 Advanced Micro Devices, Inc.(AMD) 2020年度4Q決算を振り返る

会社概要


Advanced Micro Devices(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPYC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。

決算内容


2021年度の第4四半期決算(2020年9月~2020年12月)は1月26日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 4Q実   2.127B   0.32
2021 4Q実 
   3.244B
   0.52
2021 4Q予
   3.02B
   0.47
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+53%、EPSは+63%それぞれ増加しました。
ゲーム機向けの半導体が好調でした。


セグメント情報


売上高 4Q前年同期比

Computing and Graphics(コンピューティングとグラフィック部門)

売上高 1662百万ドルから1960百万ドル +18%

営業利益 360百万ドルから420百万ドル +17%

新しいRyzen5000プロセッサおよびモバイルプロセッサのRyzen4000シリーズ、新しいRadeon6000シリーズのGPUの販売の恩恵を受けました。

Enterprise, Embedded and Semi-Custom(エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門)

売上高 465百万ドルから1,284百万ドル +176%

営業利益 45百万ドルから243百万ドル +440%

SonyおよびMicrosoftの次世代ゲーム機の販売やServer向けのEPYCプロセッサの販売が
好調だったこともあり記録的な収益の増加を記録しました。

見通し


2020年度第4四半期
  • 売上高  32億ドル ±1億万ドル
  • Non-GAAP Gross Margin ~46%
  • Non-GAAP Operating expenses ~830百万ドル

2021年度通期
  • 売上高 ~37%の売上高増加
  • Non-GAAP Gross Margin ~47%
  • Non-GAAP Operating expenses ~26%
  • Taxes 税引前利益の約3%

株価と指標


2021年2月8日時点で91.47ドルです。


予想PER(コ):36.30倍
実績PER:44.32倍
PSR:11.35倍
PBR:18.98倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Advanced Micro Devicesの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
特にゲーム機のモデルチェンジの恩恵を大きく受けましたが、それ以外の分野でも同社のビジネスは好調に推移していますね。
懸念としては現在同社は需要に対して供給がひっ迫しており、決算説明会でも同社は現在の状況が2020年の前半も続くとしており業績への制約が個人的には気になるところです。


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