2019年2月3日日曜日

ネガティブサプライズは無かったものの引き続き厳しい状況のGeneral Electric Company (GE) 2018年度4Qを振り返る

会社概要


ゼネラル・エレクトリックはアメリカは代表するコングロマリット企業ですが、直近では業績不振のためDow30構成銘柄から外されるなどネガティブなニュースが多い企業です。 GEは発電機や航空機エンジン、タービン、ヘルスケア、照明などなど書ききれないくらいの多数の工業製品やそれに付帯するサービスなどを提供する企業ですが直近では事業の選択と集中を進めています。

決算内容


2018年10~12月の2018年第4四半期決算(4Q)は1/31日に発表され以下のようになりました。


  売上高      EPS
2017 4Q実   31.402B     0.27
2018 4Q実
  33.67B
    0.17
2018 4Q予
  32.67B
    0.23
(ドル) M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を上回りましたが、EPSは予想を下回りました。
EPSは調整前で1株あたりでは0.08ドル、前年同期は-1.27ドルでした。

通期及び4Q



セグメント情報


(4Q前年同期比)

POWER(電力)


受注
   9,800百万ドルから7,917百万ドル -19%
 売上高
 9,011百万ドルから6,760百万ドル -33%
 利益
 51百万ドルから-872百万ドル


Renewable Energy(再生可能エネルギー)


 受注
  3,252百万ドルから3,854百万ドル+19%
 売上高
  2,618百万ドルから3,361百万ドル +28%
   利益
  138百万ドルから67百万ドル -51%

Aviation(航空)

 
 受注
  7,834百万ドルから8,753百万ドル +12%
 売上高
  7,010百万ドルから8,456百万ドル +21%
   利益
  1,388百万ドルから1,723百万ドル +25%

Oil&Gas(石油&ガス)


 受注
  5,692百万ドルから6,869百万ドル +21%
 売上高
  5,786百万ドルから6,250百万ドル +7%
 利益
  247百万ドルから396百万ドル +18%

Healthcare(ヘルスケア)


 受注
      5,858百万ドルから5,756百万ドル -2%
 売上高
  5,314百万ドルから5,398百万ドル +2%
 利益
  1,153百万ドルから1,176百万ドル +2%

Transportation(交通)


   受注
  2,124百万ドルから1,096百万ドル -48%
 売上高
  929百万ドルから1,152百万ドル +24%
 利益
  221百万ドルから185百万ドル -16%


Lighting(照明)


 受注
  298百万ドルから251百万ドル -16%
 売上高
  534百万ドルから451百万ドル -16%
 利益
  -15百万ドルから18百万ドル

GE Captial(金融)


   Capital continuing operations(継続資本)
  -86百万ドル
 discontinued operation(廃止事業)
  -91百万ドル
   GE Capital Earnings (利益)
      -177百万ドル

POWER(電力)は引き続き厳しい状況が続いています、18年に発生したガスタービンの不具合の交換・補修のコストも発生しました。
また従業員の15%に当たる1万人を削減し、生産設備も3割カットするとのことです。

Renewable Energy(再生可能エネルギー)は風力発電とそれらのサービス受注が好調でした。
このセグメントを完全連結化した影響とアルストムの合弁事業の影響の影響が利益面で発生しました。

Aviation(航空)は軍用機や新エンジンが好調でした。

Oil&Gas(石油&ガス)は原油市況の回復の恩恵をうけました。

これらのセグメント内、
Oil&Gas(石油&ガス)のBHGEは売却を予定
Healthcare(ヘルスケア)は分離上場を検討
Transportation(交通)は2019年のはじめにWabtec Corporationに売却
Lighting(照明)はAmerican Industrial Partnersに2019年初頭に売却
を予定しています。

GE Capitalも資産売却と縮小が進んでいるのでGEは将来的にはPOWER(電力)、Renewable Energy(再生可能エネルギー)、Aviation(航空)の3部門への縮小を予定しています。

また報道されていた航空機リース事業の売却について「売却の計画はない」と言明しました。
他にサブプライムローン事業について米司法省と和解しており15億ドルの制裁金を支払うとのことです、これについては事前に計上済みです。

見通し


具体的な業績見通しやフリーキャッシュフローの目標値の公表はありませんでしたが


  • 信用格付けをシングルAに改善・持続
  • 有利子負債 / EBITDA <2.5x-a
  • 将来的な配当再開

の目標を公表しています。

また多数の警告・リスクを公表しています。

株価と指標


2019年2月1日の時点で10.19ドルです。


予想PER(コ):12.13倍
PBR:2.86倍
予想配当利回り(コ):0.44%
GEの現在の株価と指標 
 (コ) コンサンス予想 (会) 会社予想

総評と感想


電力事業の底はいまだ見えてこない感じです。
ただ今回新たなネガティブサプライズは出ませんでした。
今後資産売却や経費削減で債務圧縮と電力事業の立て直しが出来るかに注目でしょうか。
個人的には最悪期は脱した印象ですが不透明感は引き続き強く投資妙味はあまりないと思います。

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