2019年1月31日木曜日

仮想通貨バブル崩壊の影響を受けるも強気な通期ガイダンスのAdvanced Micro Devices, Inc.(AMD) 2018年度4Qを振り返る

会社概要


アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPIC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。
同社のセグメントは
コンピューティングとグラフィック部門
デスク、ノート向けCPU、GPU、APUなどを販売・提供しています。

エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門
コンソールゲーム機、サーバー等にカスタマイズしたSocや知的財産を提供
する2つの事業から成り立ちます

決算内容


2018年10~12月の2018年第4四半期決算(4Q)は1/29日に発表され以下のようになりました。


  売上高      EPS
2017 4Q実   1.34B     0.01
2018 4Q実
  1.419B
    0.08
2018 4Q予
  1.45B
    0.08
(ドル) M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想



通期は以下のようになりました。


前年同期比でプラスでしたが売上高は予想を未達でした。

セグメント情報


(4Q前年同期比)

(Computing and Graphics)コンピューティングとグラフィック部門

売上高 前年同期比908百万ドルから986百万ドル +9%
営業利益 前年同期比33百万ドルから115百万ドル +71%

(Enterprise, Embedded and Semi-Custom部門)エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門

売上高 前年同期比432百万ドルから433百万ドル
営業利益 前年同期比-13百万ドルから-6百万ドル  Up7百万ドル

(All Other Category)その他
営業利益(損失) 前年同期比-22百万ドルから-81百万ドル Down59百万ドル


コンピューティングとグラフィック部門は引き続きRyzenプロセッサーが好調だったほかデーターセンター向けのGPUが好調でした。
エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門はデータセンター向けプロセッサーEPYCは好調でしたがセミカスタム、IP関連が不調でした。

見通し



2019年のQ1が12~13億ドルで前年同期は16.5億ドルなので前年比で悪化すると見込んでいます。
主に仮想通貨向けのGPUの売上消失やそれにともなう在庫過多やセミカスタム収益低下が要因とのことです。
恐らく仮想通貨のほかに据え置きゲーム機のソニーのPS4やMicrosoftのXboxの製品が過度期に入っていることや米中貿易戦争の影響もあるだろうと思います。
ただし2019年では新しい7nmプロセスで製造されるRyzen及びEPYC、Radeonにより一桁後半の成長を見込んでいます。
またGross Marginもさらに改善する見通しです。

株価と指標


2019年1月30日の時点で23.09ドルです。


予想PER(コ):37.24倍
PBR:18.28倍
予想配当利回り(コ):N/A%
AMDの現在の株価と指標 
 (コ) コンサンス予想 (会) 会社

総評と感想


AMDにとっては2018年は飛躍の年になりました。
特にRyzenやEPYCだけでなくデータセンター向けのGPUが好調なことはサプライズかなと思います。
来季以降は仮想通貨の需要の反動もあり個人的には厳しいかなと思っていましたが19.1Qはともかく通期のガイダンスはやや驚きです。
ガイダンスを信じるなら19.2Q以降大きく業績が改善することになります。
やや見通しが強気に思いますが実現できればまだ株価上昇が期待できそうかなと思います。

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