会社概要
Advanced Micro Devices(AMD) 以下AMDはx86CPUおよび独立、個別のグラフィックユニット(GPU)、それらを統合したAccelerated Processing Unit(APU)を提供する会社です。
近年は自社製品の競争力低下やPC市場の縮小に悩ませられていましたが、新製品のRyzenおよびサーバー向けのEPYC投入以降急速に競争力を回復しています。
同社は身近なところではパソコン向けのCPU及び、GPUやPS4およびXBOX向けのプロセッサーを提供しています。
決算内容
2020年度の第2四半期決算(2020年4月~2020年6月)は7月28日に発表され以下のようになりました。
売上高 | EPS | |
2019 2Q実 | 1.531B | 0.08 |
2020 2Q実 | 1.932B
| 0.18 |
2020 2Q予 | 1.86B
| 0.16 |
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高、EPS共に予想を上回りました
前年同期比で売上高は+26%、EPSも大きく増加しました。
RyzenおよびEPYCプロセッサの収益が前年比で2倍以上なったとのことです。
セグメント情報
売上高 2Q前年同期比
Computing and Graphics(コンピューティングとグラフィック部門)
売上高 940百万ドルから1,367百万ドル +45%
営業利益 22百万ドルから200百万ドル Up178M
Ryzen 4,000シリーズプロセッサーなどノートPC向けのプロセッサーが大きく成長しました。
しかしデスクトップ向けプロセッサーやデーターセンター向けGPUの収益減少しました。
Enterprise, Embedded and Semi-Custom(エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム部門)
売上高 591百万ドルから565百万ドル -4%
営業利益 89百万ドルから33百万ドル Down56M
データーセンター向けのプロセッサー「EPYC」がサーバープロセッサー市場で二桁のシェアの目標を達成するなど好調でしたが、セミカスタムの出荷減少が相殺しました。
All Other Category(その他)
営業利益(損失) 前年同期比-52百万ドルから-60百万ドル Down8M
見通し
2020年度第3四半期
売上高 25億5000万ドル ±1億万ドル
Non-GAAP Gross Margin ~44%
Non-GAAP Operating expenses ~660百万ドル
2020年度通期
売上高 ~32%の売上高増加 (従来予想 +25% +-5%)
Non-GAAP Gross Margin 45%
Non-GAAP Operating expenses ~28% (従来予想 ~29%)
Taxes 税引前利益の約3%
株価と指標
2020年7月30日時点で76.09ドルです。
予想PER(コ):75.76倍
実績PER:146.33倍
PBR:26.96倍
予想配当利回り(コ):N/A%
(コ) コンセンサス予想
総評と感想
COVID-19(新型コロナウィルス)の影響で在宅勤務・学習でノートPCやサーバー向けのプロセッサーが好調でした。
反面GPUやセミカスタムが苦戦しているものの下半期にSonyやMicrosoftの新型ゲーム機からの需要や新しいGPUを予定している為、巻き返しに期待できるかなと思います。
ただ、決算良かったことや業界最大手のIntelが7nmプロセスの遅延を報告したこともあり株価が直近ではややハイペースで上昇しておりバリュエーション面はやや気になるかなと思います。