2020年3月29日日曜日

逆風もあるものの GENERAL MILLS, Inc.(GIS) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


General Millsはアメリカの食品大手でスナックやシリアル、ヨーグルトやアイスクリーム、冷凍食品などの粉物系の包装食品を中心としたメーカーで近年はペットフードのBlue Buffaloを買収しており同分野にも参入を果たしました。 日本ではあまり馴染みのない企業ですがアイスクリームのハーゲンダッツは有名です、また日本でも展開しているコストコに行かれるような方でしたらシリアルのチュリオス等々General Millsの製品を見掛けることもあるかなと思います。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2019年10月~2020年12月)は3月18日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 3Q実  4.198B   0.83
2020 3Q実 
  4.18B
   0.77
2020 3Q予
  4.23B
   0.77
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りました。
EPSは予想と一致しました。
前年同期比で売上高はほぼ横ばい、EPSはやや減少しました。



セグメント情報


3Q前年同期比 為替の影響除く

North America Retail(北米小売)

売上高

 2,519百万ドルから2,502百万ドル -1%

営業利益

 582百万ドルから532百万ドル -9%

前年同期比で売上高はほぼ横ばいでした。
SnacksとアメリカでのYogurt事業が好調でしたが、アメリカのMeals & Baking事業は減収でした。


Convenience Stores & Foodservice(コンビニエンスストア&フードサービス)

売上高

 472百万ドルから465百万ドル -2%

営業利益

 582百万ドルから532百万ドル -9%

売上高はFocus 6 platformsの代表的な商品は+2%でCereal, Frozen Baked Goods(冷凍焼き菓子)やYogurtが牽引しましたが、それ以外のFlour and Mix(小麦粉や粉もの)などが減収要因になりました。
また投入コストの上昇が減益要因になっています。


Europe & Australia(ヨーロッパ&オーストラリア)

売上高

 433百万ドルから422百万ドル -1%

営業利益

 24百万ドルから22百万ドル -9%

売上高は前年同期比で-1%でした。
yogurtとice creamが減少しましたが、Snack BarsとMexican Foodの成長が一部相殺しました。
また投入コストの上昇が販売費および一般管理費の減少を相殺して減益要因になりました。


Asia & Latln America(アジア&ラテンアメリカ)

売上高

 428百万ドルから408百万ドル Flat

営業利益

 20百万ドルから8百万ドル -64%

中南米で売上高が増加したもの、COVID-19(新型コロナウィルス)の影響でアジアのHäagen-Dazsの店舗やfoodservice 店舗が一時閉鎖に追いこまれるなどネガティブな要因がありました。
また営業利益は販管費の増加やIce Creamの売上減少の影響を受けました。

Pet Segment(ペットセグメント)

売上高

 347百万ドルから384百万ドル +11%

営業利益

 73百万ドルから94百万ドル +29%

FDM(食品、医薬品、マスマーケット)チャンネルの好調とポジティブな価格設定の恩恵を受けました。
Blue Buffalo社のLife Protection FormulaとWildernessの2つの製品が2桁の成長を達成しました。


Joint Venture(合弁事業)

Cereal Partners Worldwide(CPW)は英国、中東、メキシコ、トルコの成長もあり増収になりました。
Haagen-Dazs Japan(HDJ)は価格構成の改善があったものの、数量が減少した影響を受けています。


見通し


2020年度通期
  • 売上高(為替等の影響を除く) +1~2%
  • 営業利益(為替等の影響を除く) +4~6%(従来予想+2~4%)
  • EPS +6~8%(従来予想+3~5%)
  • フリーキャッシュフローは税引き後純利益の105%
  • Leverage Ratio 3.5x
アメリカのリテール事業が好調なことやペット事業の決算期の問題で1ヵ月分の実績が上積みされることもあり、営業利益やEPSの予想を上方修正しました。
またCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響で市場での食品需要が変わってきており同社は変化に機敏に対応していくとしています、また年末まで強力なサプライチェーンの維持を予想しています。


株価と指標


2020年3月26日の時点で51.82ドルです。


予想PER(コ):14.45倍
実績PER:14.37倍
PBR:4.00倍
予想配当利回り(コ):3.92%
General Millsの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想


総評と感想


決算良かったです。
同社はCOVID-19(新型コロナウィルス)で中国の店舗閉鎖の影響を受けるなど逆風もありましたが、同影響で都市のロックダウンに伴い食品需要の高まりの影響も受けるなど好悪材料が混在する結果でした。
ただ通期予想の上方修正もあり、今後サプライチェーンの問題はやや心配ですが個人的には投資妙味があるように思います。

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