2020年3月18日水曜日

通期財務見通しを撤回 Broadcom Inc. (AVGO) 2020年度1Q決算を振り返る

会社概要


ブロードコムの製品ポートフォリオは、有線インフラストラクチャ、無線通信、エンタープライズ・ストレージ、産業用の4つを主要なエンド市場として製品を提供しています。幅広い製品ポートフォリオには、セットトップ/CMTS向け、ケーブル・モデム、PON/DSL、イーサネットNIC、フィルターやアンプ、ASIC、ワイヤレス接続ソリューション、組み込み型プロセッサ、HDD/SSDコントローラ、エンタープライズSAS/SATA/ファイバ・チャネル接続、データ・センター・スイッチやルーター、光学絶縁/モーション・エンコーダ/LED、光ファイバーソリューション向け各種半導体があります。
データセンターをはじめとする通信インフラや産業機器、モバイル機器等々様々な製品やインフラにブロードコムの製品が使われています。
また2018年に企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを買収しておりソフトウェア企業としての側面もあります。

会社概要


2020年度の第1四半期決算(2019年11月4日~2020年2月2日)は3月12日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 1Q実  5.789M   5.55
2020 1Q実 
  5.858B
   5.25
2020 1Q予
  6B
   5.34
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を下回りました。
売上高は前年同期比で+1%で、EPSは前年同期比で減少しました。
第1四半期のCOVID-19(新型コロナウィルス)からのビジネスへの重大な影響は見られなかったとのことですが、しかし、グローバル市場での視界不良と需要の不確実性の高まりからCOVID-19(新型コロナウィルス)の問題が発生する前の状態に戻るまで通期財務見通しを取り下げるとしています。
また1株当たり3.25ドルの四半期ごとの現金配当とシリーズAの転換型優先株式の四半期配当金20.00ドルを承認しました。


セグメント情報


1Q前年同期比

Semiconductor solutions

4,386百万ドルから4,191百万ドル -4%

ネットワーク、ブロードバンド、ストレージ製品は好調でしたがワイヤレス製品が大幅に減少しました。

Inflastructue softwear

1,403百万ドルから1,667百万ドル +19%

CA Technologiesの成長の他、Symantecから買収したセキュリティ事業(Accentureへの売却事業除く)が同セグメントに反映されました。

見通し


2020年度第2四半期
  • 売上高 57億ドル +-1億5000万ドル
  • 調整後EBITDA 31億3500万ドル +-7500万ドル
通期見通しはCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響による不確実性からを考慮して2019年度Q4に示した2020年度通期見通しを撤回しています。

株価と指標


2020年3月17日の時点で199.51ドルです。


予想PER(コ):9.49倍
実績PER:33.87倍
PBR:3.50倍
予想配当利回り(コ):6.93%
Broadcomの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


厳しい決算でした。
数字としても予想を下回りましたし、COVID-19(新型コロナウィルス)の感染拡大と市場の不透明感に伴う通期見通しの撤回はネガティブサプライズでした。
また株価もそれに伴って大きく下落していますね個人的にも長期ならともかく短中期的にはやや同社株は厳しいかなと思います。

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