2018年8月18日土曜日

楽天(4755) 2Qを振り返る

楽天は国内ECマーケット大手の楽天市場の運営会社で、近年は金融サービスが大きく成長しています。
またポイント戦略や新サービスを続々立ち上げておりユーザーを楽天内で囲い込む楽天経済圏をビジネスモデルの強みとしています。


18年1月〜18年6月の第二四半期累計決算は以下のようになりました。


売上高営業益経常益純利益EPS
  17.1-6440,09068,61668,61640,31528.7
  18.1-6512,16189,67086,10164,52247.9
(百万円)

売上高はFintech部門を中心に前年同期比+16.4%増、営業益はライドシェアの米Lyft社などの株式評価益を306憶円計上したことで営業利益が前年同期比+30.7%増、純利益が+60%増でした。

一時評価益がありますがそれを除いても予想より悪い数字ではないように思います。

主な第二四半期累計セグメント別の売上高及び営業益は以下のようになっています。

インターネットサービス
ECサイト、楽天市場を始め各種ECサイトや広告事業、楽天モバイルを始めとする通信サービス事業で構成されています。

売上収益 312,334百万円から362,482百万円 +16.1%

営業利益 41,542百万円から53,513百万円 +28.8%

増収増益でしたが株式評価益が中心で国内ECだけに着目すると売上収益1015億円̟+6.8%、営業利益148億円-19.1%で、配送関連でOneDeliveryと呼ぶ配送ネットワークへの投資や配送コストの上昇で営業コストが嵩みました。

Fintech
クレジットカードや電子マネー、生命保険や銀行・証券サービスによって構成されています。

売上収益 160,044百万円から195,253百万円 +22.0%

営業利益 35,252百万円から44,544百万円 +26.4%

楽天カード、銀行、証券、生命すべて好調でした。
また楽天損害保険株式会社を完全子会社し保険中間持ち株会社を設立しています。


他には迅速な意思決定ために組織再編し新グループ体制へ移行を発表しています。


また株価の下落の一要因となった楽天のMNO事業への参入でしたが当初の設備投資計画の6000億円よりも少ない金額になるとのことです。


2019年度に東京、名古屋、大阪を中心にネットワークを整備し、その後他地域を整備する計画でしたがそれも前倒ししていくとのことです。
ただそれでも競合他社は高速通信の人口カバー率では現時点で99%を達成しており楽天のMNO事業への懸念を払しょくできるものではないと思います。
今後具体的な計画や技術の発表を待ちたいところです。

全体として楽天ペイメントやOneDeliveryへの投資など個人的には楽天の目指すビジョンが見えてきたかなと思います。
ただ課題も多く今回の決算も株式評価益除けばポジティブサプライズと呼べるものではないと思います。

株価と指標

2018/08/17時点で786.6円です。



予想PER:N/A
PBR:1.55
配当利回り:N/A


会社予想がないので予想PERがないですがコンサンス予想で大体12~13倍です。
ただまだ楽天に対する一部事業への懸念は払しょくされていないように思います、楽天新事業やサービスの推移をよく観察していく必要がありますが現在のPERだと個人的は投資してもよいかなと思います。

現在保有していませんが今後の投資を検討しています。

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