会社概要
Nvidiaは大手半導体メーカーで世界的なGPU(Graphics Processing Unit)のメーカーです。
同社の製品及びブランドは
PCゲーム・メインストリーム向けグラフィックボードのGeForceシリーズ
動画編集、デザイナー、ビジネスユーザー向けのQuadroシリーズ
ディープラーニングやGPGPU向けのTeslaシリーズ
自動車、モバイルゲーム、タブレット、ドローン、ロボット等、組み込み向けのTegraシリーズなどがあります。
現在Nvidiaが注目されている理由は、従来画面の出力や3D演算など画像の演算に主に使用されていたGPUが、人工知能やそれを支える機械学習の技術であるディープラーニングなどの興隆とそれらの演算処理として並列演算に優れているGPUが使われるようになったためです。
特にNvidiaはGPUでプログラミングを可能にするコンピューティングプラットフォーム、CUDAを開発・提供しておりCUDAは使いやすさやライブラリの点で競合を大きくリードしており、発展途上の同分野ではプログラムの書き換えや最新技術の対応が容易という面でNvidiaのGPUが有利であり、そのためNvidiaのGPUが好んで使われています。
また自動運転にも積極的に取り組んでおり、トヨタ、メルセデスベンツ、アウディ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった自動車業界と有力パートナーと手を組んでいます。 同分野ではIntel傘下のモービルアイが業界をリードしていましたがNvidiaが持つ高い処理能力持つ半導体と画像処理技術によって完全な自動運転ではNvidiaがリードしてるという意見もあります。
決算内容
2021年度の第2四半期決算(2021年5月3日~2021年8月1日)は8月18日に発表され以下のようになりました。
| 売上高 | EPS |
2021 2Q実 | 38.7B | 0.55 |
2022 2Q実 | 6.507B
| 1.04 |
2022 2Q予 | 6.33B
| 1.02 |
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想
売上高、EPS共に予想を上回りました。
前年同期比で売上高は+68%、EPS+89%それぞれ増加しました。
ゲーム、データセンター事業からの記録的な収益の恩恵を受けました。
セグメント情報
売上高 2Q前年同期比
Gaming 1,654百万ドルから3,061百万ドル +85%
引き続きゲーム市場向け製品の強い需要の恩恵を受けました。
新しいGeForceRTX3000のGeForce RTX 3080のTiとGeForce RTX 3070 Tiを6月のCOMPUTEXで発表しました。
Professional Visualization 203百万ドルから519百万ドル +156%
業界全体のリモートワークへの働き方以降に伴い、デスクトップワークステーション向けの製品の強い需要の恩恵を受けました。
またNVIDIA RTX A2000を発売しました。
Datacenter 1,752百万ドルから2,366百万ドル +35%
幅広い業界からの需要の恩恵を受けました。
特にディープラーニング向けの製品の収益が大きく増加しました。
また主力製品のA100を、前四半期のAWSおよびGoogle Cloud Platformの一般提供に続き、6月にMicrosoft Azureが一般提供すると発表しました。
またNVIDIAのNetworking製品も堅調でした。
Automotive 111百万ドルから152百万ドル +37%
車載インフォテインメントシステムの収益は減少しましたが、自動運転向けの成長が相殺しています。
自動運転で、DRIVEエコシステムパートナーであるPlusが、Amazonと契約を結び、Amazonの配送車両群に少なくとも1,000台の自動運転システムを提供しました。
また自動運転のスタートアップAutoXは、NVIDIADRIVEを搭載したrobotaxis用の最新の自動運転プラットフォームを発表しました。
見通し
2022年度第3四半期見通し
- 売上高 68億ドル +-2%
- GAAP及びNon-GAAPのgross marginsがそれぞれ65.2%と67% +-30basis points
- GAAP及びNon-GAAPの営業費用は、それぞれ19億6,000万ドルおよび13.7億ドルと予想しています。
- GAAP及びNon-GAAPのその他収益及び費用はどちらも6,000万ドルと予想しています。
- 税率 GAAP及びNon-GAAP共に11% +-1%
株価と指標
2021年8月20日時点で208.16ドルです。
予想PER(コ):47.96倍
実績PER:74.56倍
PSR:23.69倍
PBR:24.54倍
予想配当利回り(コ):0.08%
NVIDIAの現在の株価と指標
(コ) コンセンサス予想
総評と感想
良い決算でした。
引き続き供給は逼迫していますが、全てのセグメントで強い成長を達成しました、
次の四半期もデータセンター向けの製品の需要の加速するとしており成長に期待ができそうです。
ただArmの買収計画は、一部業界内から懸念や規制当局の承認が長引いていることもありまだ時間がかかりそうです。