2021年7月26日月曜日

売上高は予想を下回るも ASML Holding(ASML) 2021年度2Q決算を振り返る

会社概要


ASMLHoldingは半導体製造装置メーカーで露光装置と呼ばれる半導体に回路を露光する装置を開発、販売、製造するメーカーです。
同社はDUVリソグラフィー、EUVリソグラフィー、ホリスティックリソグラフィーソリューションを含む3つのカテゴリーの製品を販売しています。

決算内容


2021年度の第2四半期決算(2021年4月~2021年6月28日)は7月21日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 2Q実   3.663B   1.97
2021 2Q実 
   4.843B
   3.04
2021 2Q予
   4.92B
   2.93
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高は予想を下回りましたが、EPSは予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+22%、EPSも大きく増加しました。
売上高は顧客の早期の設備の立ち上げに伴う検収の遅れで収益計上が次の四半期になった影響を受けました。
また好調な業績に伴い、2021年から2023年で最大90億ユーロの株式購入プログラムを発表しました。
これは事実上、現在の2020年から2022年の3年間で最大60億ユーロの株式購入プログラムに置き換わるものです。


指標面でEnd UserではLogicの割合が大きいですが引き続き両方で強い需要が継続しています。


また同四半期に10台のEUVシステムを出荷し、今四半期に9台のEUVシステムを収益として計上しています。
また売上高の割合もEUVが半分近くになっています。


セグメント情報


セグメント情報はありません

見通し


2021年度第3四半期
  • 売上高 52億ユーロから54億ユーロ
  • 設置ベースマネジメントの売上高は約10億ユーロ
  • 売上総利益率は約51%~52%
  • 研究開発費は約6億4500万ユーロ
  • 販売管理費は約1億8000万ユーロ

2020年度通期
  • 約35%の売上高成長
  • 売上総利益率は約51%~52%
  • 約15%の実効年率税率

株価と指標


2021年7月23日時点で748.14ドルです。


予想PER(コ):41.80倍
実績PER:88.22倍
PSR:18.57倍
PBR:22.47倍
予想配当利回り(コ):0.44%
ASMLの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


売上高は予想を下回りましたが、収益認識の遅れなので次の四半期は期待できそうですね。
また利益の拡大はポジティブですね。
同社は引き続き半導体業界の設備投資からの恩恵を受けれそうです。

2021年7月24日土曜日

プロモーション効果 Verizon Communications Inc.(VZ) 2021年度2Q決算を振り返る

会社概要


Verizonは持ち株会社でアメリカの最大手通信プロパイダーです。 同社は子会社を通じて、無線、有線の通信サービスやコンテンツサービスを提供しています。

決算内容


2021年度の第2四半期決算(2021年4月~2021年6月)は7月21日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 2Q実   30.447B   1.14
2021 2Q実 
   33.764B
   1.37
2021 2Q予
   32.680B
   1.19
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+10%でEPSもそれに伴い上昇しました。
店舗やオフィスに徐々に人が戻ってきておりCOVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミック前の状況に戻ってきているとしています。


セグメント情報


売上高 2Q前年同期比

Consumer 
  • 211億ドルから235億ドル +11.2%
  • ワイヤレスサービスの小売Postpaid(後払い)の純増数(純減)は+35万件でした。
  • Postpaid(後払い)スマートフォンの純増数(純減)は19万7000件でした。
  • 光ファイバーネットワークサービスのFiosInternetの純増数は+9万2000件でした。
  • 有料ビデオ・オンデマンドサービスのFiosVideoは純増数(純減)は-6万2000件でした。

デバイスの下取り強化やiPhone12への割引などを含む最大のアップグレードプロモーションの影響で加入者が大きく増加しました。


Business

75億ドルから78億ドル +3.7%
  • ワイヤレスサービスのRetail Postpaid(小売り後払い)の純増数は17万8000件でした。
主にデバイス収益の増加の恩恵を受けました。


Verizon Media Group

14億ドルから21億ドル +49.7%

引き続き高い顧客エンゲージメントと当社の広告プラットフォームに対する需要の恩恵を受けました。


見通し


2021年度通期
  • サービスとその他の売上高 Verizon Mediaの売却に伴い撤回 (前回 +2%)
    • ワイヤレスサービス売上高 +3.5%~+4% (前回 +3%)
  • 調整後Non-GAAP EPS 5.25ドル~5.35ドル (前回 5.00ドル~5.15ドル)
  • 設備投資額は175~185億ドル
    • +20億ドル~+30億ドル for C-Band
  • 23%~25%の実効税率(Non-GAAP)

株価と指標


2021年7月23日時点で55.88ドルです。


予想PER(コ):10.77倍
実績PER:11.58倍
PSR:1.74倍
PBR:3.14倍
予想配当利回り(コ):4.49%
Verizonの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
特に前期伸び悩んでいた加入者数の増加はポジティブです。
ただ今四半期の加入者数の大幅な増加は古いデバイスの下取りした際のiPhone12ファミリーの最大700ドルの割引が含まれており、加入者数の増加トレンドの継続性に疑問な見方があることやDish NetworkへのAT&Tへのローミング契約など競争環境は引き続き厳しいこともあり株価は決算後も低迷していますね。
ただ個人的には安定した配当もありますし、更に株価が下落するようなら買い増したいかなとも思っています。

2021年7月20日火曜日

Zoom Video Communications, Inc. (ZM)はインテリジェントクラウドコンタクトセンターのFive9を買収

Zoomによると 

2021年7月18日にZoom Video Communicationsはインテリジェントクラウドコンタクトセンターの大手プロバイダーのFive9を約147億ドルで買収することで最終合意に達したことを発表しました。
この取引は全株式取引で行われ、Five9の株主の承認、必要な規制当局の承認と慣習的な条件およびその他の終了条件を満たすことを条件に、2022年上半期に完了する予定です。
買収後、Five9はZoom Video Communicationsの事業部門となる予定です。
Zoom Video Communicationsはこの買収でFive9のコンタクトセンター基盤を利用しZoom Phoneの事業を加速できるとしています。

また2021年6月29日はリアルタイムの機械翻訳の新興企業のKites GmbHの買収を発表しており企業買収の動きを加速しています。

両社とも事業内容と相乗効果は高く思いますしバリュエーションを除けばいい買収かなと個人的には思います。

2021年7月19日月曜日

Intel Corporation(INTC)はGlobalFoundriesを買収と報道

The Wall Street Journalによると 

2021年7月19日にThe Wall Street Journalは関係者の話として米半導体の最大手Intelがファウンドリー大手のGlobalFoundriesを約300億ドルで買収すると報道しています。
ただし買収案がまとまらずGlobalFoundriesは計画に沿って新規株式公開(IPO)を実施する可能性も指摘しています。
現在GlobalFoundriesはUAEのアブダビ政府系ファンドのムバダラ・インベストメントが所有しています。
GlobalFoundriesは2012年にAdvanced Micro Devicesがスピンオフした経緯があり現在も同社の最大の顧客の一つですのでこの買収はやや意外に個人的には思いましたが、現在Intelは新戦略IDM 2.0でファウンダリービジネスに取り組むとしておりこの買収が実現すればIntelのファウンダリービジネスへの本気度ととも捉えれそうです。

2021年7月13日火曜日

Microsoft Corporation(MSFT)はサイバーセキュリティのRiskIQを買収

Microsoftによると

Microsoftは7月12日にサイバーセキュリティのRiskIQの買収を発表しました。
RiskIQは企業のWebサイトやアプリの脆弱性の監視や攻撃対策に加え、企業のファイヤーウォール外のIT資産を管理できます。
RiskIQはWebサイトやフィッシング、偽アプリ、偽SNSアカウントの発生など企業のIT資産を不正利用をいち早く検知できます。

この買収による取引内容は公開されていませんがBloombergの観測記事によると5億ドル強と報道されています。
この買収でMicrosoftはサイバー脅威の増大に対するセキュリティポートフォリオの強化を実現します。

2021年7月5日月曜日

航空事業の減収続く General Electric Company (GE) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


General Electric Companyはアメリカは代表する産業コングロマリット企業です。
創業者は白熱電球の発明で知られる(厳密に言うと違うらしいですが)発明王のトーマス・エジソン氏で1878年に現在のGeneral Electricの源流になるEdison General Electric Companyを創業しています。
General Electric(以下GE)は火力・原子力など発電機や風力や水力などの再生可能エネルギー、航空機エンジン、タービン、ヘルスケア、照明などなど書ききれないくらいの多数の工業製品やそれに付帯するサービスなどを提供する企業ですが近年は主に電力事業の悪化などもあり経営が大きく悪化しており、GEは現在事業の売却や閉鎖など選択と集中を進めています。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2021年1月~2021年3月)は4月28日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   20.52B   0.05
2021 1Q実 
   17.12B
   0.03
2021 1Q予
   17.520B
   0.01
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

厳しい事業環境が続く決算でした。
ただ航空機事業以外では利益率が改善しました。


セグメント情報


売上高 1Q前年同期比

POWER(電力)  

    受注 
        4,111百万ドルから3,633百万ドル -12%  
    売上高 
        4,025百万ドルから3,921百万ドル -3%  
    利益 
        -131百万ドルから-87百万ドル

ガスタービン機器のリピートが無かったことや新規石炭事業からの撤退もあり受注、売上高共に減少しました。
ただサービス収入は増加しました。

Renewable Energy(再生可能エネルギー)

 受注
  3,068百万ドルから3,515百万ドル +15%
 売上高
  3,194百万ドルから3,248百万ドル +2%
   利益
  -327百万ドルから-234百万ドル 

オンショア風力発電とオフショア風力発電の受注拡大の恩恵を受けました。

Aviation(航空)

 受注
  7,448百万ドルから5,491百万ドル -26%
 売上高
  6,892百万ドルから4,992百万ドル -28%
   利益
  1,003百万ドルから641百万ドル -36%

商用エンジン・サービス共にCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受けました。

Healthcare(ヘルスケア)

 受注
      5,292百万ドルから4,472百万ドル -15%
 売上高
  4,727百万ドルから4,308百万ドル -9%
 利益
  867百万ドルから698百万ドル -19%

引き続き事業売却の影響を受けています他、COVID-19 関連の製品需要は正常化しています。
ただしその他製品の需要は堅調でした。


GE Captial(金融)

   Capital continuing operations(継続資本)
     -172百万ドル
 discontinued operation(廃止事業)
     -2,894百万ドル
   GE Capital Earnings (利益)
         -3,066百万ドル

AerCapとGECASの取引契約の締結に関連して純損失を計上しました。


見通し


2021年度通年
  • GE産業部門の売上高(Non-GAAP) 一桁台前半の増加 
  • 調整後GE産業部門の利益率 Flatから約250bpの有機的増加
  • 1株あたりの調整後EPS(Non-GAAP) 0.15ドルから0.25ドル
またGEはFactoring Programs(売掛金の第三者へ販売)の廃止によって約35億ドルから40億ドルのキャッシュフローの損失を見込んでいます。
第一四半期の8億ドルと合わせて40~50億ドルのキャッシュフローの流出を予想しています。
また上記の影響は産業用フリー・キャッシュ・フローの報告からは除外されるとのことです。


株価と指標


2021年7月3日時点で13.36ドルです。


予想PER(コ):25.69倍
実績PER:N/A倍
PSR:1.52倍
PBR:3.49倍
予想配当利回り(コ):N/A%
General Electricの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


引き続き厳しい事業環境が続いています。
外部環境の影響もあるので同社の事業努力だけではどうにもならない部分があるとは思います。
半面、資本管理の改善やコスト削減も利益率は改善しているのはポジティブにも思います。
今後COVID-19(新型コロナウィルス)のワクチン接種が進んで観光やビジネスでの航空需要が改善してくれればと個人的には思っていますが何とも言えないですね。

Blog休止と今後のお知らせ

何故か分からないですが、現在Blogger上のサイドバーが下に表示されており設定を一部変更してみましたが直らないのと、同サイト自体がスマホ用のレイアウトに対応していないことが前々から気になっておりこれを機にサイト移転を計画しています。 多少お時間頂くと思いますが、移転の際には改め...