2020年12月20日日曜日

今後大幅な減損も Exxon Mobil Corporation (XOM) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年7月~2020年9月)は10月30日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 3Q実   65.049B   0.68
2020 3Q実 
   46.199B
   -0.18
2020 3Q予
   43.69B
   -0.25
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を下回りました。
前年同期比で売上高は-28%、EPSは赤字が続いています。
COVID-19(新型コロナウイルス)の影響が継続していますが第2四半期からは回復傾向です。
またExxonは2021年の設備投資計画を引き下げ、予想の230億ドルから160億ドル~190億ドルを見込むほか、北米での天然ガス資産の再評価と売却を検討しており、それに伴い250億ドル~300億ドルの減損が発生する可能性があるとしています。


セグメント情報


利益 3Q前年同期比

Upstream

2,168百万ドルから-383百万ドル

引き続き原油および天然ガスの市況の悪化の影響を受けましたが、需要と価格は第2四半期に発生した安値から回復したおかげもあり、前四半期の-1,651百万ドルからは大きく回復しています。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

3,899から3,672  -7%

第2四半期から生産は回復しましたが、政府からの減産義務も生産は前年同期比では減少しています。

Downstream

1,230百万ドルから-231百万ドル

市場の供給過剰と製品在庫の高水準の影響で大きくマージンの悪化した影響を受けました。

Chemical 

241百万ドルから661百万ドル +174%

Chemicalの販売数量は、パッケージ製品の需要の回復、自動車及び建設市場の回復の恩恵を受けました。

見通し


Upstream

第3四半期と同水準の生産を予想しています。
政府からの減産義務で第3四半期から、約8万バレルの追加減産を予定していますが、季節的に増加する欧州のガス需要によって相殺されると予想しています。

Downstream

定期メンテナンスの増加により、需要は第3四半期とほぼ同水準になると予想しています。

Chemical 

化学品事業では、ハリケーンや信頼性イベントからの回復に伴い、生産能力の追加による供給量の増加や業界の稼働率の改善により、マージンに影響が出ると予想しています。


株価と指標


2020年11月18日時点で42.73ドルです。


予想PER(コ):29.15倍
実績PER:54.78倍
PSR:0.93倍
PBR:1.02倍
予想配当利回り(コ):8.14%
Exxon Mobilの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


予想は上回りましたが厳しい決算が続いています。
同社は更なる追加の設備投資計画や人員削減を発表していますが、コスト削減努力だけでは現在の配当維持も難しい状況には変わりなく、今後COVID-19(新型コロナウイルス)の感染状況とそれに伴う外出規制の影響がどうなるか次第という外部環境の要因が大きい状況は変わらないですね。

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