2020年12月31日木曜日

大幅な増配も Broadcom Inc. (AVGO) 2020年度4Q決算を振り返る

会社概要


ブロードコムの製品ポートフォリオは、有線インフラストラクチャ、無線通信、エンタープライズ・ストレージ、産業用の4つを主要なエンド市場として製品を提供しています。幅広い製品ポートフォリオには、セットトップ/CMTS向け、ケーブル・モデム、PON/DSL、イーサネットNIC、フィルターやアンプ、ASIC、ワイヤレス接続ソリューション、組み込み型プロセッサ、HDD/SSDコントローラ、エンタープライズSAS/SATA/ファイバ・チャネル接続、データ・センター・スイッチやルーター、光学絶縁/モーション・エンコーダ/LED、光ファイバーソリューション向け各種半導体があります。
データセンターをはじめとする通信インフラや産業機器、モバイル機器等々様々な製品やインフラにブロードコムの製品が使われています。
また2018年に企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを買収しておりソフトウェア企業としての側面もあります。

決算内容


2020年度の第4四半期決算(2020年8月3日~2020年11月2日)は12月10日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 4Q実   5.766B   5.39
2020 4Q実 
   6.467B
   6.35
2020 4Q予
   6.43B
   6.25
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+12%でEPSは前年同期比で+18%でした。
また前四半期から+11%になる3.60ドルの四半期を配当を発表しています。
クラウドや通信事業者からの継続的な需要やワイヤレスが大幅に増加した恩恵を受けました。


セグメント情報


売上高 4Q前年同期比

Semiconductor solutions

4,576百万ドルから4,830百万ドル +6%

クラウド及び通信事業者からの継続的な恩恵を受けたほか、ワイヤレスは北米の大手顧客の新しいフラッグシップスマートフォンの発売に伴って前四半期比で大きく売上高は増加しましたが、生産の立ち上げの遅れもあり前年同期比では減少しています。

Inflastructue softwear

1,200百万ドルから1,637百万ドル +36%

Symantecから買収したセキュリティ事業とCA Technologiesが貢献しています。

見通し


2021年度第1四半期
  • 売上高 66億ドル 
  • 調整後EBITDA 39億4,400万ドル もしくはガイダンスの収益の59%
前年同期比で+13%の売上高増加を予測しています。
CAおよびSymantecの売上高は1桁台半ばの成長を予測していますが、Brocadeの売上高は1桁台後半で減少すると予測しています。

株価と指標


2020年12月30日時点で434.83ドルです。


予想PER(コ):16.53倍
実績PER:68.16倍
PSR:7.60倍
PBR:7.35倍
予想配当利回り(コ):3.36%
Broadcomの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
増配や強い次の四半期見通しなどポジティブな内容で個人的には投資妙味もありそうに思います。
Broadcomは今年度はSymantecのセキュリティ事業の買収やCA Technologiesの成長などソフトウェアセグメントの拡大が目立つ一年でした。

2020年12月29日火曜日

在宅での食品需要の恩恵続く GENERAL MILLS, Inc.(GIS) 2021年度2Q決算を振り返る

会社概要


General Millsはアメリカの食品大手でスナックやシリアル、ヨーグルトやアイスクリーム、冷凍食品などの粉物系の包装食品を中心としたメーカーで近年はペットフードのBlue Buffaloを買収しており同分野にも参入を果たしました。 日本ではあまり馴染みのない企業ですがアイスクリームのハーゲンダッツは有名です、また日本でも展開しているコストコに行かれるような方でしたらシリアルのチュリオス等々General Millsの製品を見掛けることもあるかなと思います。

決算内容


2021年度の第2四半期決算(2020年9月~2020年11月)は12月17日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 2Q実   4.421B   0.95
2021 2Q実 
   4.719B
   1.06
2021 2Q予
   4.65B
   0.97
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+7%でした。
EPSは前年同期比で+17%でした。
在宅での食品需要とペットフード事業が好調でした。


セグメント情報


2Q前年同期比

North America Retail(北米小売)

売上高

 2,676.1百万ドルから2,921.5百万ドル +9%

営業利益

 642.5百万ドルから701.7百万ドル +9%

COVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミックの影響で家庭用食品需要の増加の恩恵を受けました。
Meals &  Bakingとカナダ及びアメリカでのCerealの販売が好調でした。


Europe & Australia(ヨーロッパ&オーストラリア)

売上高

 432.9百万ドルから467.4百万ドル +8%

営業利益

 31.4百万ドルから35.7百万ドル +14%

主に為替と製品のprice/mixの改善からの恩恵を受けました。
Mexican FoodとHäagen-Dazsが好調でした。


Convenience Stores & Foodservice(コンビニエンスストア&フードサービス)

売上高

 513.5百万ドルから440.5百万ドル -14%

営業利益

 115.2百万ドルから78.3百万ドル -32%

主に外食需要が減少や消費者の外出が少なくなった影響を受けました。


Asia & Latln America(アジア&ラテンアメリカ)

売上高

 409.6百万ドルから430百万ドル +5%

営業利益

 24.4百万ドルから30.4百万ドル +25%

販売数量の増加の恩恵を受けましたが、為替が一部相殺しています。
COVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミックの影響で家庭用食品需要の増加の恩恵を受けました。
中国でのWanchai FerryやブラジルでのYokiやKitano、中東でのBetty Crockerが好調でした。


Pet Segment(ペットセグメント)

売上高

 388.7百万ドルから460百万ドル +18%

営業利益

 80.8百万ドルから119.3百万ドル +12%

数量の増加と好調な価格設定からの恩恵を受けました。
全チャネルの小売売上高が2桁増と好調でした。
BLUEブランドは、ドッグフードとキャットフードの両方で2桁の純売上高成長を達成しました。


Joint Venture(合弁事業)

Cereal Partners Worldwide(CPW)はラテン地域を中心に幅広く成長しました。
Haagen-Dazs Japan(HDJ)は販売数量が大きく増加しました。


見通し


同社は引き続き詳細な業績見通しは提供していませんが、2021年度通期の調整後営業利益率は前年度と同じかそれ以上になると予想しています。
また今期と同じ売上高成長を2021年度第3四半期にも予想しています。

株価と指標


2020年12月28日時点で59.35ドルです。


予想PER(コ):15.80倍
実績PER:15.16倍
PSR:2.00倍
PBR:4.23倍
予想配当利回り(コ):3.45%
General Millsの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
同社は引き続き新型COVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミックによる外出規制や自粛で高い家庭用食品の需要からの恩恵を受けています。
少なくとも今後数四半期はこの傾向が続くのかなと個人的には思いますし、投資妙味もありそうかなと思っています。

2020年12月27日日曜日

大手顧客獲得 Okta, Inc. (OKTA) 2021年度3Q決算を振り返る

会社概要


Oktaは主に企業などにシングルサインオン (SSO)のシステムを提供する会社です。
シングルサインオン (SSO)は一度のサインインで複数のシステムに同時にサインイン出来るようにするシステムです。
Oktaが提供するOkta Identity Cloudは上記のユーザーIDやパスワード管理を一元化して管理できるようになるシングルサインオンを提供している他、多要素認証やクラウドやオンプレのサーバーへのアクセスに対するセキュリティの強化や開発者がセキュリティを自動化・拡張が出来るAPIなどのシステムを提供しています。

決算内容


2021年度の第3四半期決算(2020年8月~2020年10月)は12月2日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 3Q実   153.037M   -0.07
2021 3Q実 
   217.379M
   0.04
2021 3Q予
   202.7M
   -0.01
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比+42%でEPSは前期に続きNon-GAAPですが黒字化しています。
サブスクリプション収益は前年同期比+43%の2億670万ドルでした。
Remaining Performance Obligations (残存履行義務)は前年同期比+53%の15億8000万ドルでした。
Calculated Billings(計算上請求額)は前年同期比+44%の2億5,240万ドルでした。


同四半期には、年間契約額が$ 100,000を超える100近くの顧客を追加しました。
例として大手ITサービス企業のDXCTechnologyとの新規契約やグローバル自動車メーカーとのアップセル取引を発表しています。

セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2021年度第3四半期
  • 売上高は 221百万ドル~222百万ドル 前年同期比+32~+33%
  • Non-GAAP営業損失 -2百万ドル~-百万ドル
  • Non-GAAP EPS 0.02~0.01
2021年度通期
  • 売上高は 822百万ドル~823百万ドル (従来予想 800百万ドル~803百万ドル) 
  • Non-GAAP営業損失 -2.3百万ドル~-1.3百万ドル (従来予想 -13百万ドル~-11百万ドル)
  • Non-GAAP EPS 0.04~0.05  (従来予想 -0.03百万ドル~-0.01百万ドル)

株価と指標


2020年12月24日時点で275.60ドルです。


予想PER(コ):10000倍
実績PER:N/A倍
PSR:44.92倍
PBR:52.42倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Oktaの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
特に前回鈍化していたCalculated Billings(計算上請求額)の成長率の回復やNon-GAAPですがEPSも黒字化していることはポジティブかなと思います。
株価は今年年初から倍以上になっており、株価バリュエーション的にはどうかなと個人的には思う部分はあるもののビジネス的には今後も期待できそうかなと思います。

2020年12月20日日曜日

Microsoft Corporation (MSFT)はServerとSurfacePC向け独自チップを設計していると報じられる

Bloombergによると

2020年12月19日にBloombergは匿名の関係者の情報によると、同社がクラウドサーバー上で実行するサーバー向けの社内プロセッサーの設計に取り組んでいるとしています。
この設計にはArm Ltd.の設計を使用しているとしているほか、SurfacePCの一部でも別のチップの使用も検討しているとしています。

現在サーバー向けではAmazonが「AWS Graviton」、PC向けではAppleの「M1」など独自のArmベースのプロセッサーの採用する例が増えています。
MicrosoftもSurface Pro XでQualcommと協力してArmベースのSQ2プロセッサを搭載していますが、現在64bitアプリケーションの対応など問題もありAppleの「M1」程のインパクトは与えていません。

この報道でサーバーやPC向けにCPUを始めとする半導体を提供する業界の最大手のIntelの株価は-6%下落しています。



今後大幅な減損も Exxon Mobil Corporation (XOM) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


ExxonMobilは、世界中で石油の探査、製造、精製を行う石油/ガスの総合企業です。
またそれ以外にも石油製品の製造と販売、石油化学製品の製造・販売なども行っています。
元々は1911年に分割され34の会社に分けられた独占企業のStandard Oilの一部がその後、合併を繰り返して現在のExxonMobilになっています。
ExxonMobilの主なブランドはExxon、Mobil、Esso、ExxonMobil Chemicalがあります。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年7月~2020年9月)は10月30日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 3Q実   65.049B   0.68
2020 3Q実 
   46.199B
   -0.18
2020 3Q予
   43.69B
   -0.25
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高・EPS共に予想を下回りました。
前年同期比で売上高は-28%、EPSは赤字が続いています。
COVID-19(新型コロナウイルス)の影響が継続していますが第2四半期からは回復傾向です。
またExxonは2021年の設備投資計画を引き下げ、予想の230億ドルから160億ドル~190億ドルを見込むほか、北米での天然ガス資産の再評価と売却を検討しており、それに伴い250億ドル~300億ドルの減損が発生する可能性があるとしています。


セグメント情報


利益 3Q前年同期比

Upstream

2,168百万ドルから-383百万ドル

引き続き原油および天然ガスの市況の悪化の影響を受けましたが、需要と価格は第2四半期に発生した安値から回復したおかげもあり、前四半期の-1,651百万ドルからは大きく回復しています。

生産 Koebd(石油と天然ガスの合計)

3,899から3,672  -7%

第2四半期から生産は回復しましたが、政府からの減産義務も生産は前年同期比では減少しています。

Downstream

1,230百万ドルから-231百万ドル

市場の供給過剰と製品在庫の高水準の影響で大きくマージンの悪化した影響を受けました。

Chemical 

241百万ドルから661百万ドル +174%

Chemicalの販売数量は、パッケージ製品の需要の回復、自動車及び建設市場の回復の恩恵を受けました。

見通し


Upstream

第3四半期と同水準の生産を予想しています。
政府からの減産義務で第3四半期から、約8万バレルの追加減産を予定していますが、季節的に増加する欧州のガス需要によって相殺されると予想しています。

Downstream

定期メンテナンスの増加により、需要は第3四半期とほぼ同水準になると予想しています。

Chemical 

化学品事業では、ハリケーンや信頼性イベントからの回復に伴い、生産能力の追加による供給量の増加や業界の稼働率の改善により、マージンに影響が出ると予想しています。


株価と指標


2020年11月18日時点で42.73ドルです。


予想PER(コ):29.15倍
実績PER:54.78倍
PSR:0.93倍
PBR:1.02倍
予想配当利回り(コ):8.14%
Exxon Mobilの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


予想は上回りましたが厳しい決算が続いています。
同社は更なる追加の設備投資計画や人員削減を発表していますが、コスト削減努力だけでは現在の配当維持も難しい状況には変わりなく、今後COVID-19(新型コロナウイルス)の感染状況とそれに伴う外出規制の影響がどうなるか次第という外部環境の要因が大きい状況は変わらないですね。

2020年12月17日木曜日

Apple Inc. (AAPL)は2021年上半期にiPhoneの生産を30%増やすと報道される

NIKKEI Asiaによると

2020年12月15日にAppleは2021年の上半期に最大9,600万台のiPhoneを生産する計画だとNIKKEI Asiaが報道しています。
報道によると複数の関係者が9,500万台から9,600万台のiPhoneを生産する方針をサプライヤーに伝えているとしています。
主要なアップルのサプライヤーの幹部がNIKKEIに語った情報によると「iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxが好調で、iPhone 12は事前予想通り、iPhone 12 miniはやや伸び悩んでいる」とのことです。

また同報道ではMacBook ProとiMac Proを含むハイエンドコンピュータのための積極的な生産スケジュールを準備しているとしているほか、Appleが「Apple TV」の新製品にも取り組んでいると関係者の証言として報道しています。

更にスマートフォン大手のXiaomiも来年の2億4000万台のスマートフォンの生産目標をサプライヤーに伝えているとしており、理由としてHuaweiが米国の制裁措置により撤退を余儀なくされていることを理由として挙げています。

あくまで関係者の報道ではありますが、事実であれば来季のAppleの決算は期待できそうですね。
また現在COVID-19(新型コロナウィルス)の影響でややスマートフォンの販売台数は今年落ち込んでいますが、記事の内容を素直にとらえると来季のスマートフォンの販売見通しは明るいのかなと個人的には思いました。
そうなると半導体や電子部品関連株も期待できそうですね。

2020年12月12日土曜日

売上高は減少も McDonald's Corporation (MCD) 2020年度3Q決算を振り返る

会社概要


McDonald'sは世界規模でファストフード・チェーン「McDonald's」のフランチャイズ及び直営店を運営する企業です。
McDonald'sは主にハンバーガーを始めとする様々な食品、朝食メニュー、サラダ、コーヒーや清涼飲料、デザートなどを提供しています。
現在、同社は100か国以上に36,000を超えるレストランを擁しており世界最大規模のファーストフードチェーンです。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年7月~2020年9月)は11月9日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2019 3Q実   5.431B   2.11
2020 3Q実 
   5.418B
   2.22
2020 3Q予
   5.4B
   1.9
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で-2%でした、EPSは前年同期比で+5%でした。
既存店売上高は前年同期比で-2.2%でした。
米国の既存店売上高は前年同期比で+4.6%でした。
グローバルでの既存店売上高は-4.4%でした。
グローバルでのライセンス市場での売上高は-10.1%でした。
また四半期配当を+3%ととなる、普通株1株当たり1.29ドルとすることを発表しています。


セグメント情報


売上高 3Q前年同期比

直営店売上高 2,416.6百万ドルから2,286.4百万ドル -5%

フランチャイズ店売上高 3,014百万ドルから3,044.8百万ドル +1%

その他 71.7百万ドルから86.9百万ドル +21%


第3四半期にグローバルでの店舗営業の再開したとしていますが、多くの地域の店舗で営業時間の制限、店内飲食の制限・禁止など運営が制限されているとのことです。
またコロナ禍でドライブスルーでの販売が急拡大したほか米国での事業が好調でした。

見通し


同社はCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響もあり業績見通しを提示していますん。

株価と指標


2020年12月11日時点で207.76ドルです。


予想PER(コ):24.94倍
実績PER:32.17倍
PSR:8.32倍
PBR:N/A倍
予想配当利回り(コ):2.48%
McDonald'sの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
前年同期比で売上高は減少しましたが、同社は厳しい事業環境の中で上手く立ち回れていると思います。
現在COVID-19(新型コロナウィルス)の感染者は世界的に増加傾向ですが、ドライブスルー事業や外部のフードデリバリーサービスの拡大が今後の事業の鍵になるのかなと思います。




2020年12月9日水曜日

企業のDX推進やコロナ禍から恩恵 Zscaler Inc.(ZS) 2021年度1Q決算を振り返る

会社概要


Zscalerはクラウドセキュリティを提供する企業でサービスアプリケーションソフトウェアやインターネットの宛先などの外部管理アプリケーションに接続するZscaler Internet Accessソリューションや内部で管理されているアプリケーション(データセンター内でホストされているもの)とプライベートクラウドまたはパブリッククラウドのいずれかにアクセスできるように設計されたZscaler Private Accessソリューションを提供しています。

決算内容


2021年度の第1四半期決算(2020年8月~2020年10月)は12月2日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 1Q実   93.59M   0.03
2021 1Q実 
  142.578M
   0.14
2021 1Q予
  132.21M
   0.06
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+52%でした。
Calculated billings(計算上請求額)は前年同期比+64%で144.7百万ドルでした。
Deferred revenue(繰延収益)は前年同期比+51%の371.9百万ドルでした。
ソリューションの拡大や大企業との取引拡大からの恩恵を受けています。


セグメント情報


同社は単一セグメントのため、記載はありません。

見通し


2021年度第2四半期
  • 売上高 146百万ドルから148百万ドル
  • Non-GAAP 営業利益 11百万ドルから12百万ドル
  • Non-GAAP EPS 0.07ドル~0.08ドル

2021年度通期
  • 売上高 608百万ドルから612百万ドル 
  • 計算済請求額 755百万ドルから765百万ドル 
  • Non-GAAP 営業利益 55百万ドルから57百万ドル 
  • Non-GAAP EPS 0.37~0.38ドル 

株価と指標


2020年12月8日時点で184.60ドルです。


予想PER(コ):625.00倍
実績PER:N/A倍
PSR:50.55倍
PBR:50.61倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Zscalerの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
好調な前四半期の決算から更に売上高成長が加速しており同社の製品は高い競争力を持っていると言えると思います。
今のところ同社はコロナ禍においては投資妙味がある銘柄の一つかなと個人的には思っています。

2020年12月7日月曜日

記録的な売上高成長が続く Zoom Video Communications, Inc. (ZM) 2021年度3Q決算を振り返る

会社概要


Zoom Video Communicationsは会議室システム間でビデオ会議、音声、ウェビナー、チャットを提供しています。 同社のサービスはWeb会議システムのMeetingsやライブ配信やバーチャルイベントを行えるVideo Webinar、テレビ会議システムのZoom Room、チャットシステムのBusiness IM、電話サービスのZoom Phoneを提供しています。 同社はほぼ全てのサービスをサブスクリプション・モデルで提供するSaaS企業です。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年7月~2020年10月)は12月1日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 3Q実   166.593M   0.09
2021 3Q実 
   777.196M
   0.99
2021 3Q予
   693.95M
   0.76
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+367%でした。
Non-GAAP純利益は前年同期の220万ドルに対し、2億9,720万ドルでした。


従業員10人以上の顧客数は約433,700社で、前年同期比で+485%でした。
年間売上高が10万ドルを超えた顧客は1,289社で、前年同期比で約+136%でした。
南北アメリカは前年同期比で+300%、(アジア太平洋)及びEMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)で前年同期比で+629%と国内・国際市場で驚異的な成長を達成しました。

セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2021年度第4四半期
  • 売上高 806百万ドル~811百万ドル
  • 営業利益(Non-GAAP) 243百万ドル~248百万ドル
  • 加重平均株式数 306million
  • Non-GAAP EPS 0.77~0.79ドル
2021年度通期
  • 売上高 2,575百万ドル~2,580百万ドル (従来予想 2,370百万ドル~2,390百万ドル)
  • 営業利益(Non-GAAP) 865百万ドル~870百万ドル (従来予想 730百万ドル~750百万ドル)
  • 加重平均株式数 300million
  • Non-GAAP EPS 2.89~2.91


株価と指標


2020年12月4日時点で410.01ドルです。


予想PER(コ):128.21倍
実績PER:284.73倍
PSR:62.09倍
PBR:78.18倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Zoomの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
同社はWeb会議のデファクトスタンダードになっていると言えますね。
ただ決算後に株価はGrossMarginの悪化やパンデミック後のリスクを指摘する一部意見もあり株価はやや下落しました。
ただ個人的には驚異的な成長を実現していることもあり株価が下落するなら投資妙味もあるかなと考えます。

2020年12月6日日曜日

成長を維持 Zuora, Inc. (ZUO) 2021年度3Q決算を振り返る

会社概要


Zouraは世界中で16拠点900社以上の顧客を持ち、サブスクリプション型ビジネスの決済や管理、売上計上、分析等といった機能をクラウド型のソフトウェアを通じて提供するSaaS企業です。
同社の「Zuora Central Platform」は見積、請求、回収、分析、収益認識までの販売管理プロセスをシングル・プラットフォームで提供します。

決算内容


2021年度の第3四半期決算(2020年8月~2020年10月)は12月3日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 3Q実   71.822M   -0.06
2021 3Q実 
   77.246M
   -0.01
2021 3Q予
   73.92M
   -0.05
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+8%でした。
サブスクリプション収益は前年同期比で+15%の6200万ドルでした。
年間契約額(ACV)が100,000ドル以上の顧客は653で前年同期比で+25の増加でした。
同四半期に富士ゼロックス、illycaffè、The Catalogue [ph]、米国の電子小売業者上位3社の1つなどの大手ブランドと契約の締結を報告します。



セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2021年度第4四半期
  • 売上高 75.0~77.0百万ドル
  • サブスクリプション収益 62.0~63.0百万ドル
  • Non-GAAP 営業損失 -550万ドル~-450万ドル
  • Non-GAAP EPS -0.06~-0.05ドル

2021年度通期
  • 売上高 301.1~303.1百万ドル
  • サブスクリプション収益 239.2~240.2百万ドル
  • Non-GAAP 営業損失 -14.7百万ドル~-13.7百万ドル
  • Non-GAAP EPS -0.14~-0.13ドル

株価と指標


2020年12月4日時点で11.36ドルです。


予想PER(コ):N/A倍
実績PER:N/A倍
PSR:4.44倍
PBR:7.98倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Zuoraの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


予想を上回る決算でした。
ただ前期予想がかなり保守的な見通しだったのは考慮する必要があるかなと思います。
また2021年度第4四半期の売上高は前期比で上限値で横ばいで前年同期比では1桁後半の成長ですので今の成長率でなかなかZuoraに投資しにくいかなと個人的に思っています。

2020年12月4日金曜日

Salesforce.com, inc. (CRM)がSlack Technologies, Inc. (WORK)の買収の最終合意を発表

Salesforceによると

2020年12月1日にCRM最大手Salesforce.com Inc.は、Slack Technologies Inc.を買収する最終的な合意を締結したと発表しました。
契約条件に基づき、Slackの株主は、Slackの1株あたり26.79ドルの現金と0.0776株のSalesforceの普通株を受け取ります。
この取引は総額は約277億ドルになります。
この取引は、Slackの株主の承認及び規制当局の承認、その他の慣習的な完了を条件として2022年度の第2四半期の完了を見込んでいます。

Salesforceは過去にもBIツールのTableauをはじめ大小の買収を繰り返しており、今回の買収も含めエンタープライズ市場での存在感はますます大きくなりそうです。

2020年12月2日水曜日

成長を維持 Anaplan, Inc. (PLAN) 2021年度3Q決算を振り返る

会社概要


同社はSaaS型のFP&Aプラットフォーム「Anaplan」を提供する企業で、同社のプラットフォームは財務、販売、サプライチェーン、マーケティングなど各部門での計画や実績の管理を容易にし部門間で連携を高めながら計画立案・実績管理を迅速に行えるとしています。 同社のプラットフォームは中期計画、年次計画の計画業務、営業計画、供給計画、販売予測、インセンティブ報酬などを始め、あらゆる部門でのビジネス計画をサポートします。 多くのビジネス計画のサポートするため同社はAnaplan App Hubから事前に構築された独自のアプリケーションを提供するほか、ユーザー自身がコーディングの知識がなくても簡単にアプリを構築できるサービスを提供しています。 また同社のアプリケーションはクラウド上から提供されます。

決算内容


2020年度の第3四半期決算(2020年8月~2020年10月)は11月24日に発表され以下のようになりました。


  売上高   EPS
2020 3Q実    89.41M   -0.08
2021 3Q実 
   114.875M
   -0.05
2021 3Q予
   109.56M
   -0.10
(ドル)
M=100万ドル B=1億ドル
実 実績
予 予想

売上高、EPS共に予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+28%でした。
サブスクリプション収益は前年同期比で+31%の1億470万ドルでした。
残存履行義務(Remaining Performance Obligation)は前年同期比で+25%の7億4000万ドルでした。
billings(請求額)は前年同期比+27%の1億4500万ドルでした。
年間収益が250,000ドルを超える顧客は417で前年同期比で+31%でした。
またAIを活用した分析・予測が可能なPlanIQの早期アクセスプログラムの開始やGoogleCloudとの提携を報告しています。


セグメント情報


同社は単一セグメントのため記載はありません。

見通し


2021年度第4四半期
  • 売上高 118.5百万ドル~119.5百万ドル
  • Non-GAAP営業利益率 -11.5~-10.5%
  • billings(請求額) 152百万ドル~153百万ドル
2021年度通期
  • 売上高 444百万ドル~445百万ドル(従来予想 437百万ドル~439百万ドル)
  • Non-GAAP営業利益率 -10~-9%(従来予想 -11.5~-10.5%)

株価と指標


2020年12月1日時点で68.74ドルです。


予想PER(コ):N/A倍
実績PER:N/A倍
PSR:22.82倍
PBR:35.74倍
予想配当利回り(コ):N/A%
Anaplanの現在の株価と指標

(コ) コンセンサス予想

総評と感想


良い決算でした。
特にbillings(請求額)と売上高の成長率とが前四半期で加速するなど、同社は現在の難しい環境下でも顧客を獲得し続けているのはポジティブに思います。

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